会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

英国会計基準、中小企業向けIFRSをもとにした新基準に置き換え(デロイトIASplusより)

UK replaces local GAAP with new standard based on IFRS for SMEs

少し古いニュースですが、英国の会計基準設定主体が、現行の英国会計基準を中小企業版IFRS(IFRS for SMEs)をもとにした基準に置き換えるという意見書(FRS102)を公表したという記事。これにより、英国の企業は、一部を除き、完全版のIFRSと、中小企業版IFRSをもとにした新しい基準のどちらかを適用することになります。

中小企業版IFRSとの差異の大きなものは、適用企業の範囲を拡大したことであり、このことにより、完全版IFRSが強制されない企業はFRS102を適用できるようになります。

FRS102は2015年1月1日以降開始する年度から適用です。

The UK’s Financial Reporting Council (FRC) has published FRS 102 'The Financial Reporting Standard applicable in the UK and Republic of Ireland', which will replace current UK GAAP with effect for periods beginning on or after 1 January 2015.

FRS 102 is derived from the IASB’s IFRS for SMEs, reflecting a simplified version of full IFRSs, but incorporates changes made by the FRC, one of which widens the scope of the standard significantly compared to the IFRS for SMEs. This has the effect that any entity not required to apply full IFRSs will be able to apply FRS 102.

中小企業であっても完全版IFRSを適用することは可能ですが、250ページ弱の長さしかないFRS102は、多くの企業にアピールすることになるでしょう。

Although all UK reporters could elect to follow full IFRSs when current UK GAAP disappears, the relative brevity of FRS 102, at less than 250 pages in length, will appeal to many.

自国の会計基準設定をやめてしまって、中小企業向けも含めて、IFRS(中小企業版を含む)に転換するわけであり、日本の現状からみると、大胆な動きであると思います。

FRCのプレスリリース

FRC issues FRS 102(英FRC)

現行の英国会計基準は3000ページ近くあるそうです。それと比べると、10分の1程度のボリュームになるわけであり、会計基準の整理合理化という面もあるのでしょう。
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