会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ケフィア事業振興会が340億円未払い オーナー制度めぐり (日経より)

ケフィア事業振興会が340億円未払い オーナー制度めぐり

ケフィア事業振興会」という通信販売会社が巨額の資金を消費者から集めながら、契約に基づく支払いを行っていないという記事。消費者庁が注意喚起したそうです。滞納は少なくとも340億円あるとのことです。

消費者庁によると、同社は干し柿やメープルシロップなどの加工食品のオーナーとなり、契約から半年経過すれば契約時に支払った金額の10%程度を加算して払い戻す「オーナー制度」を展開。通信販売で商品を購入した人にダイレクトメールで仕組みを紹介していたという。

各地の消費生活センターには2017年9月以降、「支払いが遅れている」などの相談が1447件寄せられた。同社は聞き取りに「システム障害の発生や満期前の解約で資金が減少している」と説明したが、消費者庁は支払いの遅延は正当ではなく、消費者の利益を不当に害する恐れがあると判断。社名の公表に踏み切った。」

典型的なポンジ・スキームのように見えますが...。

「オーナー制度」と称する取引に関し、多額の支払遅延を発生させている株式会社ケフィア事業振興会に関する注意喚起(消費者庁)

「ケフィアは買戻特約付売買契約等に基づき高い利子を付けて買戻代金を支払うなどとして、消費者にとって魅力的な取引を持ちかけますが、前記4のとおり消費者に対し少なくとも数百億円もの支払遅延を発生させていることを考慮して、そのリスクを慎重に検討してください。 」

買戻特約付売買契約というのは、実質的には金融取引ではないのでしょうか。なぜ金融庁が取り締まらないのでしょう。

追跡第7弾!ケフィアの元関係者が「自転車操業が続いていた」と証言(東京商工リサーチ)

「ケフィアの元関係者は、「支払い遅れが表面化してからケフィア本社を訪れる会員が増えた。会員と社員が1階で鉢合わせしないよう社員は(ビル外の)非常階段を使うよう指示があった」と社内事情を明らかにした。

支払いが遅れている原因については、「太陽光発電はうまくいっていたが、地熱発電やバイオマス発電、大学との共同事業、スリランカやベトナムの海外での事業など、ほとんどの新規事業が失敗した」と説明する。

さらに、「会員に対する支払いが遅れ、新たな会員の申込金を支払いに回す自転車操業が続いていた。会社の誰もが高配当を支払い続けることができないと思っていただろう」と社内の雰囲気を語った。そして、「支払いが遅れたあとも会員を信頼させるため、(ケフィアは)今年の春、複数の貸切公演に会員を招待していた」という。」

通販ケフィアに不可解な動き…高金利で調達、資産売却 相談急増で被害弁護団結成(SankeiBiz)

「公称220万人の会員を抱え、年商1000億円を誇るケフィア事業振興会(以下ケフィア)は、かぶちゃん農園などグループから農水産加工品を仕入れ、会員制通販サイト「ケフィアカルチャー」で販売。また、会員が1口5万円で売買契約を結ぶ「オーナー制度」やケフィアと金銭消費貸借契約を結ぶ「サポーター募集」なども行っている。」

「同弁護団の事務局次長の中森麻由子弁護士(リンク総合法律事務所)は、「何らのリスクの説明もないまま不特定多数から金銭の出資を募ること自体、金融商品取引法等に違反する疑いが強い」と指摘する。」

ジャスダック上場会社も巻き込まれているようです。

ジャスダック上場のフーマイスターエレクトロニクス、突然の投資中止(東京商工リサーチ)

「フー社は今年3月28日、子会社のSRエネルギー匿名組合2号に18億9,814万円を出資し、長野県内7カ所の太陽光発電所を取得した。同匿名組合の営業者である、かぶちゃんフーコ合同会社(TSR企業コード:027767221、東京都)は今年3月に設立されたばかりだ。

6月5日、フー社は同匿名組合へ4億2,054万円出資し、同県内3カ所の太陽光発電所を追加取得した。さらに6月27日にも4億4,372万円を同匿名組合へ追加出資し、11カ所目の太陽光発電所を取得予定としていた。」

「しかし7月25日、取締役会で同匿名組合への追加出資の中止を決議した。フー社は東京商工リサーチ(TSR)の取材に対し、「総合的に判断した」とだけコメントしている。  TSRの独自取材では、フー社が同匿名組合を通じて出資した太陽光発電所の一部は、ケフィア事業振興会(TSR企業コード:298080745、東京都、以下ケフィア)の所有する土地をかぶちゃんフーコが取得したことがわかっている。

ケフィアグループは売却直前まで太陽光発電所の土地などを担保に提供し、ソーシャルレンディング大手のmaneo(株)(TSR企業コード:297073834、千代田区)から20億円を超える資金を年利15%などで調達していた。」

こちらは米国でSECが摘発した詐欺事件の記事。

Ex-Playgirl Owner Accused of $287M Fraud(CFO)

被害者は3400人もの一般投資家でした。

The U.S. Securities and Exchange Commission said Carl Ruderman perpetrated a four-year-long securities offering fraud involving 1 Global Capital that victimized more than 3,400 retail investors, many of whom used their retirement savings to invest in the company.

中小企業への貸付で利益を上げるというふれ込みでしたが、実際には、多額の資金を他の目的に流用していました。

Investors were promised profits from 1 Global’s loans to small and medium-sized businesses, the SEC said in a civil complaint, but in reality, the company “used a substantial amount of investors’ funds for purposes other than making [merchant cash advances].”

首謀者は、28百万ドルもの資金を、ギリシャへの豪華な旅行や高級車購入代金などの個人的経費に充てていたほか、家族が持分を有していた会社へ流出させていました。

Ruderman allegedly diverted $28 million to fund personal expenses such as a luxury vacation to Greece and monthly payments for his Mercedes as well as several companies in which he or his family members had a direct interest.

会社は兄弟会社も含めて、2018年4月までに348百万ドルの融資を行いましたが、マーケティング資料では、融資の質を虚偽表示していたほか、投資家には、ポートフォリオ残高、利益率、銀行預金などについて虚偽を記載した計算書を与えていました。

Through April 2018, 1 Global and sister company 1 West Capital made about $348 million in loans. But according to the SEC, marketing materials misrepresented the quality of the loans and investors were given account statements that falsely represented their portfolio balances, rates of return, and the amount of their cash 1 Global had in the bank to fund loans.
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