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東芝、決算発表と有報提出を7日に再延期 新たに10件の会計問題(ロイターより)

東芝、決算発表と有報提出を7日に再延期 新たに10件の会計問題

東芝が、2015年3月期の決算発表を再度延期するという記事。有報提出も含め、8月31日を延期後の期限としていましたが、それをさらに9月7日まで再延期します。

「31日夜に記者会見した室町正志社長は「18日以降、新たに約10件の事案が発覚した」と説明。内訳は、国内外子会社の会計処理、固定資産の減損額の計算ミス、米国子会社の工事進行基準案件の引当計上の処理で、これによって決算が確定したのは27日となり、監査法人への提出は30日に遅れた。

ただ、室町社長は「新たな事案は巨額になるということではない」とも述べ、これまで公表した総額2130億円の不正会計金額の大きな変更にはつながらないと強調した。」

「新日本監査法人からは、監査完了までに7日程度が必要との連絡を受けており、再延期の期限を9月7日とした。室町社長は「深く責任を感じている」と陳謝。その上で「万が一の事態に至った場合は進退問題含めて責任をとる」と述べ、新たな期限までに必ず決算を発表し、有報を提出するとの意向を強調した。」

こういう状況で、期限に関し、監査人にプレッシャーとなるような発言は控えるべきでしょう。

そもそも、限られた範囲しか対象としなかった第三者委員会の調査が2か月間かかっているのに、それらも含めて、財務諸表全体を調べなおさなければならない会計監査が、それから1か月間しか時間が与えられていないというのが異常です。

東芝の3月期決算発表 異例の再延期で陳謝(NHK)(動画あり)

東芝社長、有価証券報告書「期限までに提出できなければ進退も」(産経)

会社のプレスリリース

第176期有価証券報告書の提出期限延長(再延長)申請に係る承認のお知らせ(PDFファイル)

第176期有価証券報告書(自2014年4月1日至2015年3月31日)の提出期限延長(再延長)に関する承認申請書提出に関するお知らせ(PDFファイル)

「このような中で、過年度決算の修正の概要及び2014 年度の業績予想について、連結税引前損益まで公表可能な状態になったと当社として判断し、2015 年8月18 日に公表いたし、その後、税金費用の計算、連結財務諸表等の作成を行い、本日、訂正した過年度の有価証券報告書等及び第176 期有価証券報告書を提出する予定でした。しかしながら、その後に、複数の国内・海外子会社において会計処理の適切性について調査が必要となる事象が新たに発生し、 事実関係や発生原因について当社又は子会社の経営監査部による特別監査の実施が必要となったこと、固定資産減損額に伴う費用の計算に修正を要する誤りが発見されたこと、 米国子会社における工事進行基準案件で引当金の計上時期の不適切性が認識されたこと、米国子会社に対して同社の監査人による監査が長期化したこと等の理由により、連結税引前損益の再計算が必要となり、その確定が8月27日まで遅延し、税金費用の計算等、連結財務諸表等の確定が予定より遅れることとなりました。このような事情により、当社として連結計算書類、計算書類及びその附属明細書を完成して独立監査人に提出したのが、8月30日となりました。また、訂正した過年度の有価証券報告書等及び第 176 期有価証券報告書については現在作成中です。 独立監査人からは、監査完了までに7日程度を要するものと見込まれる旨の連絡をいただいております。」(プレスリリースより)

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