会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

漢検元理事長らに実刑 背任事件で京都地裁(朝日より)

漢検元理事長らに実刑 背任事件で京都地裁

財団法人の日本漢字能力検定協会への背任罪に問われた元理事長と元副理事長に、懲役2年6カ月の実刑判決が言い渡されたという記事。

「2人は2004年11月~09年1月、(1)自らが代表と役員を務める広告会社メディアボックスに漢検の広告業務を架空委託し、計約2億6千万円を支出した(2)自らが代表、役員を務める調査研究会社の文章工学研究所に対し、架空の調査研究業務を委託し、計2700万円を支出した――として起訴された。

 検察側はメディア社と文章工学研究所について「事務所はなく、従業員もいなかった」「1998年以降は休眠状態」とそれぞれ指摘。メディア社と研究所から昇、浩両被告や親族へ報酬が支払われていた状況を踏まえ、「立場を利用した私利私欲の行為で、財団法人を私物化していた」と主張していた。

これに対し、捜査段階で背任行為を認めたとされた両被告は、公判で「広告業務と調査研究業務には実態があった」などとして無罪を主張。・・・」

漢検「父子と清算」道半ば(読売)

「いずれの犯行も、2被告が協会や自ら経営する会社を一体のグループであるとの意識をもって運営する過程で、協会の理事長、副理事長兼事務局長という立場をほしいままにし、財団法人である協会の公益性をないがしろにして、その財産を私物化した悪質な犯行である。」(量刑の理由より)

国や地方自治体から補助金を受け取っていたり、独占的業務を請け負っているわけでもなく、また、一般投資家から資金を集めているわけでもない、実体としてはオーナー経営の中小企業であることを考えると、実刑というのは非常に厳しい判決です。

公益法人である以上、建前上、公私混同は認められないということなのでしょう。

現行の制度でいえば、公益法人ではなく、一般財団法人のような形態でやっていればよかったのかもしれません。もちろん、その場合でもある程度の自己規律は必要ですが・・・。

また、営利企業であれば、例えば、上場をきっかけに、ガバナンス体制を整えるということがありますが、非営利法人の場合は、そうしたきっかけになるイベントがなく、同族企業のまま、大きくなってしまうことがありうるのでしょう。

漢検、背任で実刑 「取り調べ」問題視せず 京都(産経)

「笹野明義裁判長は、公判の過程で浩被告の「被疑者ノート」を証拠採用したが、判決では取り調べが適正に行われたか否かについて一切言及せず、問題視しなかった。」
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