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原発は「低炭素への移行を加速」 欧州委が位置づけ方針発表(朝日より)

原発は「低炭素への移行を加速」 欧州委が位置づけ方針発表

(気候変動関連の企業開示にも影響があると思われますが)EUの欧州委員会が、原発や天然ガスを地球温暖化対策に役立つエネルギー源と位置付けるという記事。「タクソノミー」に反映させるのだそうです。

「欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は1日、原子力発電を地球温暖化対策に役立つエネルギー源だと位置づける方針を発表した。」

「EUは、発電、交通、建築など様々な経済活動ごとに、環境面での持続可能性などについて仕分けするルール「EUタクソノミー(分類)」を設けている。風力や太陽光などを列挙する発電分野に一定の条件のもとで原発や天然ガスの項目を追加する方向だ。加盟国の専門家らの意見を求めたうえで、1月中にも正式決定するという。」

「原発は発電時に二酸化炭素CO2を排出しない半面、放射性廃棄物の問題や事故への懸念がある。欧州委は国ごとにエネルギー政策が異なることを踏まえつつも、原発をタクソノミーに組み込めば「石炭のような環境に悪いエネルギー源を離れ、より低炭素なエネルギーの組み合わせへの移行を加速できる」と説明した。」

反対論も強かったようです。

「22年末の脱原発をめざすドイツのほか、オーストリア、デンマークなど計5カ国は昨秋、環境担当などの閣僚が連名で、「タクソノミーの信頼を損なう」として原発の組み入れに反対する共同声明を発表していた。ドイツのハーベック経済気候相は1日、DPA通信に「高いリスクがある原発を持続可能だと分類するのは間違っている」と語った。放射性廃棄物が人類や環境に与える影響が無視できないことを理由に挙げた。一方で、原発が発電量の約7割を占めるフランスのほか、今は原発がないポーランドなど計10カ国はタクソノミーに原発を加えるよう求める姿勢を鮮明にしていた。」

原子力・天然ガスは「持続可能」 欧州委が方針(日経)(記事冒頭のみ)

「欧州連合(EU)の欧州委員会は1日、原子力と天然ガスを脱炭素に貢献するエネルギーと位置づける方針を発表した。一定の条件下なら両エネルギーを「持続可能」と分類し、マネーを呼び込みやすくする。世界の原子力政策にも影響を与える可能性がある。

「EUタクソノミー」は、どんな事業が持続可能(サステナブル)かを分類する制度だ。」

原子力と天然ガスを「グリーン」に分類 EUが草案作成(AFP)

「欧州委員会(European Commission)は1日、原子力発電と天然ガスを含めることを盛り込んだ今回の草案について、加盟国と協議を開始したことを認めた。

同委員会は「補完的なこの委任法で対象となる取り組みは、石炭など有害性がより高いエネルギー源からの段階的な脱却と、低炭素でよりグリーンなエネルギーミックスへの移行を早めるだろう」としている。

フランスは、自国の主なエネルギー源である原子力を率先して推進してきた。一方、オーストリアはこれに強く反対しており、原発をすべて閉鎖する予定のドイツも懐疑的な姿勢を示している。

ドイツのシュテフィ・レムケ(Steffi Lemke)環境相は1日、独メディアグループ「フンケ(Funke)」に対し、天然ガスと原子力発電を含めることは「間違い」であり、原子力は「壊滅的な環境破壊をもたらすおそれがある」と述べた。」

欧州委員会のプレスリリース。

EU Taxonomy: Commission begins expert consultations on Complementary Delegated Act covering certain nuclear and gas activities

Taking account of scientific advice and current technological progress, as well as varying transition challenges across Member States, the Commission considers there is a role for natural gas and nuclear as a means to facilitate the transition towards a predominantly renewable-based future. Within the Taxonomy framework, this would mean classifying these energy sources under clear and tight conditions (for example, gas must come from renewable sources or have low emissions by 2035), in particular as they contribute to the transition to climate neutrality.

(上記のグーグル翻訳)

「委員会は、科学的アドバイスと現在の技術進歩、および加盟国間でのさまざまな移行課題を考慮して、主に再生可能エネルギーベースの未来への移行を促進する手段として天然ガスと原子力の役割があると考えています。 タクソノミーの枠組みの中で、これは、特に気候中立への移行に寄与するため、これらのエネルギー源を明確で厳しい条件(たとえば、ガスは再生可能エネルギー源から供給されるか、2035年までに低排出量でなければならない)で分類することを意味します。」

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