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かこぶろ。

草の乱(2004)

「秩父事件」というのは学生時代、言葉だけは覚えているけれど近代史になるにつれ深く掘り下げる授業は少なかったように思う。
大工の彼が埼玉土建に加入しているおかげで地元で上映されるのを知りました。
エンドロールにも埼玉土建一般労働組合と協賛・協力にあがっていました。
自主制作映画ということもあり、会館スタッフも観客も普段とは違った雰囲気でした。
農民をはじめ民衆が世の中を変えようと動く姿に感動。
多くの方に観てもらいたい映画です。
2004年から地道に各地で上映され、草加では11日12日の上映でしたが、八潮では3月に上映されるようです。

<公開時コピー>「120年前の日本に凄いやつらがいた!」
明治時代、自由民権運動と連動する形で起きた大規模な農民一揆として知られる秩父事件を映画化したヒューマン・ドラマ。
自主製作映画としては異例の4億5千万の制作費(同時期公開の「ラストサムライ」の60分の1らしい)は一般市民の出費であり、総勢8千人のエキストラが参加するという、
まさに意気込みが感じられます。
自主製作映画とはいえキャストが豪華!時代背景が現在とそう変わらないところに共感したのでしょうか。。。
主演は「郡上一揆」の緒形直人。
監督は「大河の一滴」の神山征二郎。「貧乏人は死んでもいいという政治をしていた当時と今がこわいほどにている」という監督の言葉がズシリ。
音楽がDeep Forestというのに驚き♪

<あらすじ> 1918年(大正7年)、北海道野付牛町。
一人の老人が妻と長男を呼び寄せ、自らの秘密を告白する。
老人の本当の名は井上伝蔵、“秩父事件”の首謀者の一人で逮捕を逃れ北海道に渡り、33年のあいだ身分を偽り生きてきたのだった――。
1883年(明治16年)秋、秩父郡下吉田村。
山間のこの一帯は蚕を育て生糸を売って暮らしていた。
しかし、松方デフレや軍備拡張の増税、世界的不況が重なり、人々は借金に頼らざるを得ない状況に陥り高利の取り立てに身代限り(自分の自由になる一身に属する財産(身代)すべてを債権者に与えて債務にあてること=破産)となる農家が続出。
生糸商家「丸井」を営む井上伝蔵は、そんな人々の窮状に心を痛める。
高岸善吉、落合寅市、坂本宗作の3人もまた困窮にあえぎ、不当な高利貸しの取り締まりを役所に請願するも全く取り合ってはもらえない。
そんな折、自由民権運動が秩父でも盛り上がりをみせ、「自由党」の演説大会が開かれる。
困窮、不平等の元凶は政府にあるという発言に拍手喝采、賛同する人々が続々と入党する。
善吉らは、高利貸し取り締まり、借金年賦返済の請願運動を始め、伝蔵もこれに賛同。
山中各地で集会を開き賛同者を募り、さらに加藤織平を副総理、大宮郷の顔役で代言人の田代栄助を総理として迎え入れ「困民党」を組織。
警察署、高利貸しへ請願・交渉をねばり強く行なうが、ことごとくはねつけられる。
さらに高利貸しと裁判所の贈収賄の事実も明るみとなる。
丸井の土蔵に集った困民党幹部たちは、もはや願いを叶えるには政府を打倒するしかないと、命を懸けた武装蜂起を決意する。。。

緒形直人 ・・・・・・・井上伝蔵
藤谷美紀 ・・・・・・・井上こま
杉本哲太 ・・・・・・・加藤織平
田中実 ・・・・・・・・・高岸善吉
安藤一夫 ・・・・・・・落合寅市
神山兼三 ・・・・・・・坂本宗作
比留間由哲 ・・・・・新井周三郎
藤田哲也 ・・・・・・・大野苗吉
北村有起哉 ・・・・・飯塚森蔵
永岡佑 ・・・・・・・・・村上泰治
並樹史朗 ・・・・・・・井上善作
岡野進一郎 ・・・・・菊池貫平
石田信之 ・・・・・・・小粕常次郎
益岡徹 ・・・・・・・・・大井憲太郎
高橋元太郎 ・・・・・赤芝の平吉
堀内正美 ・・・・・・・井上豊作
斉藤とも子 ・・・・・・井上せき
渡辺哲 ・・・・・・・・・柴岡熊吉
樋浦勉 ・・・・・・・・・山左主人
歌川椎子 ・・・・・・・タツ
尾美としのり ・・・・鎌田警部
綿引勝彦 ・・・・・・江夏警部長
河原崎建三 ・・・・宮川津盛
佐々木愛 ・・・・・・ク二
原田大二郎 ・・・・山県有朋
山本圭 ・・・・・・・・伊藤博文
猪野学 ・・・・・・・・井出為吉
四方堂亘 ・・・・・・大野福次郎
藤巻裕己 ・・・・・・柏木太郎吉
池上リョヲマ ・・・・石田造酒八
大塚和彦 ・・・・・・門平惣平
丹治大吾 ・・・・・・新井繁太郎
内田紳一郎 ・・・・新井悌次郎
崔哲浩 ・・・・・・・・柳原正男
北斗潤 ・・・・・・・・荻原勘次郎
八下田智生 ・・・・嶋田清三郎
齋藤康弘 ・・・・・・村竹茂市
谷口公一 ・・・・・・大野国蔵
田中優樹 ・・・・・・堀口幸助
前田淳 ・・・・・・・・新井甚作
永野典勝 ・・・・・・犬木寿作
田中好子 ・・・・・・高浜ミキ
林隆三 ・・・・・・・・田代栄助
草の乱 シナリオライター加藤伸代さんの話
(↓注 以下ネタバレあり)☆☆☆☆★

高利貸しに苦しむ農民の怒りを背景に、軍律によって統制された軍と専制政府の転覆というはっきりした政治目的を持った革命であったために、
国家権力からは“秩父暴動”と呼ばれてしまいました。
自由党による自由民権運動は、フランス革命思想の影響を受けながら各地の知識人たちに影響を与えていた様子も丁寧に描かれていました。
暴動ではなく“革命”であったのが伝わります。
杉本哲太さん、田中実さん、林隆三さんは特に素晴らしかった。
言論の自由も集会の自由もないこの時代、国家権力から徹底的な弾圧を受け自由党は解散を余儀なくされます。
各地に残った井上のような自由党党員たちは、命をかけた農民たちとともについに武装蜂起します。
最終的には8000人にもなる民衆が圧巻。
官警を蹴散らし高利貸しを襲い証文を燃やす。彼らの妻たちもまた炊き出しをして彼らを支えます。
蜂起に賛同して寄付してくれる人へもきちんと預り証を書くところがいいですね。

2006年2月11日(土)草加市民文化会館
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