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無垢の時代 カラハリが呼んでいる ~19世紀終わりのニューヨークと20世紀終わりのアフリカ~

2023-08-23 08:02:24 | 舞台、映画、DVD
暑いのでできるだけ日中は家で過ごす。
読書三昧。

「無垢の時代」新聞の書評欄に新訳が取り上げられていたで図書館蔵書を検索。
先訳があった。すぐに借りられたので予約を入れる。
無垢の時代(原題THE AGE OF INNOCENCE)イーディス・ウォートン作。
すでに2回翻訳されて出版されている。書評欄に取り上げられていたのは最新の岩波文庫の新訳である。

「ザリガニ」の著書ディーリア・オーエンズ、マーク・オーエンズのアフリカ、カラハリ砂漠での7年間に及ぶ研究日記ような本
「カラハリが呼んでいる」を借りてすでに読んでいた。
これは文庫で付録を含めて700ページに及ぶ。
若い頃の2人がカラハリ砂漠にライオンやカッショク・ハイエナの生態を観察して研究する。十分な予算もなく孤軍奮闘する様子はすごくスリリングでノンフィクションだけにハラハラどきどきだ。



「カラハリ」を呼んでいる途中から「無垢の時代」を読み始めたのだが、いやはや、これも大著で2段組、270ページ。
一旦1970年代の若いアメリカ人がアフリカに研究に出かけ、ハイエナやライオンの群れと出会い、危機一髪の難を逃れた話の後は1870年代のアメリカ、ニューヨークの上流階級の社交界の様子を垣間見る。
「無垢の時代」荒地出版はすでに予約が入っているので2週間で読み切らなければならない。でもこれがまたすごく大変なのである。
事細かな心理描写、情景描写、室内インテリアや建築、ファッションに至るまで書き記してある。時代も調べてみたら、南北戦争と第一次世界大戦の間、一番アメリカが経済的に世界に向かって成長した興味深い時代だ。
全体のイメージがつかみにくいので映画があったのでずるいやり方だが先にビジュアルで観ることにする。

1993年作、かのマーティン・スコセッシ監督、主演ダニエル・デュ・ルイス、エレンをミシェル・ファイファー、メイをウィノナ・ライダー、メイの母親役をジェラルディン・チャップリン。錚々たるメンバーである。調べてみるとこの年のアカデミー賞助演女優賞にライダーがノミネートされている。ダニエル・デュ・ルイスが「父の祈り」で主演男優賞にノミネートされた年だ。この年は作品賞は「シンドラーのリスト」、「ピアノレッスン」もう候補に上がるという凄い年だ。
ミッシェル・ファイファーも美しいが、原作とほぼ同じ年齢のライダーがなんとも初々しくて素晴らしくまさにメイを体現していた。
彼女はそれから「若草物語」のジョーを演じ一番乗っている時だ。
話がそれたが、全て物語を知って背景が腑に落ちた。
訳者あとがきを読むと作者のイーディスはまさにこのエレンのような人生を送り、最後はフランスに移住し、そこで亡くなっている。

ということで時にはアフリカのカラハリでライオンとの攻防にハラハラし、今年の猛暑を砂漠の猛暑になぞらえてみたり、時にはオペラを桟敷席で観るうっとり感を想像してみたりしてどちらもまだ未読である。

昨日の晩御飯は鰯のフライ、キャベツの千切り。冷奴。オクラ、トマト、クラゲ、大葉の中華サラダ。空芯菜とワカメのお味噌汁。
枝豆は残しました。



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