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毎朝毎夕のように新聞の、お悔やみを見る歳になった
仕事柄、お客様の両親だったり祖父母だったり
香典をバックに忍ばせて焼香に向かう
父の歳になると年に何度通夜葬式に向かう事か
父の従兄が惚れた女性の旦那様が亡くなった
ライバルが多くて途中で諦めた女性だったらしい
『あら、お父さんの身内に、そんな人がいたの？』
しかも
亡くなった方と父は同じ会社の同僚
『通夜に行って線香をあげてこなくては』
通夜に出かける1時間前からウロウロ
そして
帰ってきた父
『いや～参った参った～』
遅い夕食をとりながら
『昔は地元で1～2番と言うくらい美人だった人なのになぁ～』
『未亡人になった人？』
『うん、そう、その未亡人になった人は昔は凄い美人だったんだぞ』
遠くを見つめる目で言った
『それが、とんでもない不細工な婆ちゃんになってたよ』
まさか父は、その女性の顔を見たくて通夜に行った？
『いや～～あんなに変わってしまうなんてなぁ～』
ビールを飲みながら残念そうに言う
『それに比べて、お母さんは歳をとっても美人だったな』
父にとって、母は永遠に美人
父の元同僚の通夜
母は天国で笑ってるよ
嫁にきてくれと一生懸命だった父に海を渡って嫁いだ母
両親は大恋愛
死が２人を引き裂く
母が亡くなって1年と2カ月
時折、何かを思い出し涙ぐむ父
リビングのあっちこっちににある母の遺影
何処を見ても母と目が合うように父が置いた
なのに通夜に行った日の遺影は何故か微妙に位置がずれている
よくよく見たら、父の食事の席から母の顔が見えない
私は触ってない
母の写真の向きを変えたのは父だ
今日の通夜は何か後ろめたい事でもあったのかな？
母と結婚する前の元彼女だったりして？
怪しい
父にも母にも青春があった
青春している頃の父は髪の毛がフサフサ
今？
100万本程、増毛してあげたい
o(^◇^)/~ ばいちゃ~♪
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