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五蘊

2020年06月03日 16時58分13秒 | 日記
五蘊(ごうん、とは、仏教において、色蘊・受蘊・想蘊・行蘊・識蘊の総称。
物質界と精神界との両面にわたる一切の有為法。
(有為 うい とは、さまざまな因果関係・因縁のうえに存立する現象を意味する。)

人間の肉体と精神を5つの集まりに分けて示したもの。色・受・想・行・識(しき・じゅ・そう・ぎょう・しき)の5種である。

五蘊は次の5種である。「色」は物質的存在を示し、「受」「想」「行」「識」は精神作用を示す。

  • 色蘊(しきうん) - いろ、形あるもの。認識の対象となる物質的存在の総称。一定の空間を占めて他の存在と相容れないが、絶えず変化し、やがて消滅するもの。
  • 受蘊(じゅうん) - 感受作用。肉体的、生理的な感覚。根(六根)と境(六境)と識(六識)の接触和合から生じる苦・楽・不苦不楽などの印象、感覚。
  • 想蘊(そううん) - 表象作用。概念的な事柄の認識。事物の形象を心の中に思い浮かべること。
  • 行蘊(ぎょううん) - 意識を生じる意志作用。意志形成力。心がある方向に働くこと。
  • 識蘊(しきうん) - 認識作用。対象を得て、区別して知るもの。知り分けること。

五蘊盛苦(ごうんじょうく)とは、仏教の説く四苦八苦の一つ。釈迦は初転法輪にて五比丘に五蘊苦を説いた。
 日本仏教においては五蘊盛苦を漢訳の訳語から解説する場合が多いが、漢訳の五蘊盛苦では「ウパーダーナ」、つまり「執着する」という意味が入っておらず、原文のニュアンスが伝わりにくい訳となっている。
もともとの釈尊のパーリ仏典で言っているのは、五つの要素(五蘊)、つまり色・受・想・行・識(身体・感覚・概念・心で決めたこと・記憶)のそれぞれに執着することが苦しみと説いているのであり、この五つの要素そのものが苦だと説いているわけではない。
自分自身が生きている(心身の活動をしている)だけで苦しみが次から次へと湧き上がってくることである。

五蘊
  • 色(しき) =すべての物質を指し示す。この場合、「身体」機能が活発であるために起こる苦しみ
  • 受(しゅ) =物事を見る、外界からの刺激を受ける「心」の機能
  • 想(そう) =見たものについて何事かをイメージする「心」の機能
  • 行(ぎょう)=イメージしたものについて、何らかの意志判断を下す「心」の機能
  • 識(しき) =外的作用(刺激とイメージ)、内的作用(意志判断)を総合して状況判断を下す「認識作用」の機能