東近江市にある通信制課程の「司学館高校」(入学対象は滋賀県又は京都府に居住する生徒)は近年、生徒数を伸ばしているという。
決まったクラスがなく、「原則週一回の登校」といった柔軟な点が、不登校を経験した子どもらに選ばれているようだ。1996年に開校し25年目を迎えた。
決まったクラスがなく、「原則週一回の登校」といった柔軟な点が、不登校を経験した子どもらに選ばれているようだ。1996年に開校し25年目を迎えた。
↑写真:中日新聞より ↑創設者・理事長の小梶猛氏
設立者の小梶猛理事長は、中学校のPTA活動にかかわる中で、学校の仕組みに疑問を感じたという。
「時間をかけて教育を受けた方がいい子から、学校を去るのはおかしい」「勉強ができないのではなく、人間関係への不安などから登校できなくなり、次第に勉強への自信をなくしてしまう子もいるのでは」との思いから1996年、本業の建築士のかたわら、開校した。
スクーリング(登校)は原則週一回。英語の発音や、理科の実験、体育の実技といった学習が中心で、基本的にはプリントを使った自宅学習で単位を取得する。大学のように、決められたクラスはなく、行事や部活動への参加は自由だ。
教員は14人。教科書を参考に進めるプリント学習では、数学の質問に文系の教員が対応し、一緒に解くことも。「教科に縛られず、生徒は話しやすい先生と話せた方がいい」と説く。
設立当初、生徒数は70人程度だったが、10年で150人を超え、現在は320人が通う。
地元の中学校の評価、兄弟や親戚の紹介で入学する生徒に加え、会員制交流サイト(SNS)の普及も生徒急増の要因とみている。SNS上のグループに入れず、人間関係に悩んだり、いじめられたりして、小中のいずれかで不登校を経験した生徒は少なくないという。
小梶理事長は「高卒の資格が大切なことは親よりも子どもがよく知っている」と明かす。最近話題の不登校の生徒を対象にした中学校には、「不登校専門の先生でないと、子どもと指導する側のモチベーションを保つのは難しいのでは。うちには不登校に理解のある教員があえて来てくれている」と話し、「高卒資格のハードルを下げず、いかに超えてもらうかを支援して、生徒の将来の土台を作ること。今までもこれからも、そこは変わらない」と強調している。
司学館高校
東近江市野々宮町2-30
0748-22-1176
尚、司学館高校の校舎は、故森はなさんが創設した現「滋賀学園高校」の前身である「八日市女子高等学校」である。
【身近な昔探訪】第23回・東近江市野々宮町にあった「専修学校八日市高等女子専門学校」
https://blog.goo.ne.jp/ntt000012/e/c3eeb45247797f218296e8821e49c2be
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因みに滋賀県内には8校の定時制高校がある。
- 綾羽高校(草津市)
- 県立大津清陵高校(大津市)
- 県立大津清陵高校 馬場分校(大津市)
- 県立瀬田高校(大津市)
- 県立長浜北星高校(長浜市)
- 県立能登川高校(東近江市)
- 県立彦根工業高校(彦根市)
- 県立彦根東高校(彦根市)