たくぞうのブログ

趣味の文学、映画、音楽などについて書きます。

身辺のことなど

2022-02-27 20:56:25 | 日記

このブログを始めて一ヶ月以上が経過した。皆さんのブログを読むのも楽しいし、書いた記事に反応があるのもまた嬉しい。

更新頻度がまばらだが、皆さんのおかげてまた続けていけそうだ。感謝感謝。

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最近、ノベルアップ+というサイトで地味に小説などを投稿している。
https://novelup.plus/user/514612793/profile

大学時代に文芸サークルに入っていたので、前から小説を書くのが好きだったが、最近ウェブの方でも小説を公開しようと思うようになった。
こちらもいい感じの頻度で更新したい。

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自分のことを少し話すと、僕は今、働いていた会社を辞めて、某プログラミングスクールにて、プログラミングの勉強をしている。
今年中には就職先を決めたいがどうなることやら。

こちらの方は、本当に手探りの状態でなかなか分からないことも多いので、まぁ気晴らしというか趣味で小説などを書いている次第ですね。

今日はこの辺で。

 


Al Haig-Jimmy Raney 『Special Brew』を聴きながら

2022-02-16 12:44:32 | 日記

幾時代かがありまして、茶色い戦争ありましたー

大林宣彦の遺作に、この中也の詩が引用されている箇所があって、カラフルな色彩、マッドだが繊細な戦争というか人間描写をしていたあの傑作映画を思い出す。

何やら世界の、西の方、北の方で、きな臭い感じが漂っている昨今であるけど、さて、どうなることでしょうね。

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今日は久々に、朝からレコードでジャズを聴いてみた。
Al Haigは私のとっても好きなピアニストだ。

ジャズピアニストの中で一番クラシック的な演奏家は誰か、と聞かれたら私はまずこの人を挙げると思う。うん、今聞いてもやっぱりクラシカルな演奏をする人だと思う。音の粒がはっきりしていて、なお細かく切り込んでくる。音の彩りが綺麗である。そしてエヴァンスに似たような独特の哀愁もある。ここら辺はジャズのもの哀しさもしっかりとフレーバーとして感じられる。
エヴァンスとの対比で言うなら、エヴァンスの方が音作りに濃厚な、重厚な感じがあるだろうか。
よくも悪くもアルヘイグは軽さがあるようにも感じる。
聞いていて、とても気持ちがいい。ジャズを聴くときはウイスキーとかロックで飲むのが良さげだが、アルヘイグはもうちょっと、軽く、カクテルで飲んでもいいような気がする。

そして、Jimmy Raneyのギター。
彼は結構早引きをする。そしてよく詰まる。そこら辺が特徴なんかな。
この人も軽快な滑らかな微風のような演奏をする。
ケニーバレルのような渋さや、グラントグリーンのような音の硬さはない。
この人のギターも気持ちがいい。

こんな感じで、気持ちのいいのコンビである。私は特に二曲目『We'll Be Together』が気に入った。バラード風の演奏である。余韻がきもちいい。

これは決して名盤とはいえない代物だろうが、何もない昼下がりに、一人で聴く分には、なんか重宝しそう。
みんな力も入っていないし、あっさりしている。それがものたりない人もいるだろが、ながら作業用のBGMとしても良さそう。

まぁそんな感じかな。


くどうれいん『氷柱の声』を読む

2022-02-13 20:56:46 | 日記

以前、166回芥川賞候補に残った作家のデビュー作を紹介したが、今回はその前の、第165回芥川賞候補作になった、くどうれいんさんの『氷柱の声』をレビューしようと思う。

私が、くどうれいんさんを知ったのは、『水中で口笛』という歌集を読んだ時だった。
そこの中で、

 働けば働くほどにうれしくてレモンジュースにレモン汁足す

という歌があるのだが、この歌を詠んだ時にとても嬉しいというか、痛快な気分になって、たちまちに彼女のファンになってしまった。
もちろん、この歌は、啄木の有名な歌、

はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る

を本歌取りしている。

くどうれいんさんは、啄木と同じ郷地に生まれ育ったらしく、あとがきにもあるのだが、どうも啄木を個人的にライバル視しているらしいので、そこら辺がとても面白いと思った。

彼女はまた俳句も詠んでいるらしいが、短歌にしろ、俳句にしろ、この人の歌の特徴はその健気さ、素直さにあると思う。
だからこそ、読んでいてこちらまで嬉しい気持ちになるのだ。


そんなくどうれいんさんの書いた初の小説が、この『氷柱の声』である。
東北に生まれ育った彼女が、3.11のことについて書いているのだが、主人公はおそらく彼女自身に似せたものであろうと思われる。

はっきりいうと芥川賞を獲るような作品ではない。それはあまりに文章が正直すぎるからだ。
とにかく、3.11のような重いテーマを題材にしながら、文章はあまりに透き通っていて、登場人物の輪郭もはっきりしているし、構成もわかりやすい。

とにかく、芥川賞候補の作品としてはあまりに読みやすすぎるので、これが賞を獲ることはないと思っていたのであるが、私はこの作品が作者の心情をダイレクトに表しているような気がして、もうハナから賞など気にしてないのよ、って気がして、逆にそこに反骨精神みたいなものを感じたので、とても好きだった。

小説を読む時、結構、どんでん返とか、人の汚いところとか、スキャンダルなことを期待してしまう側面もあるが、この小説においてはそういうことは一切ない。
かといって、西村賢太の私小説みたいな、ある個人を切り取った、生きることの難しさ儚さ、みたいな人生の悲哀をもあまり感じない。
とにかく淡々と文章は書かれている。

それに登場人物たちは皆いい人たちだ。いわゆる悪人というがまるで出てこない。皆よく笑うし、苦しい生活ながらも、健気である。

そう言った意味では、あまり刺激のある読書とは言えないかもしれない。
しかし、作者の心情を、誠実な心情を、あまりにダイレクトに映した作品として、僕は一読してみる価値はあると思う。

一見すると派手さのない作品であるが、作者と同じような誠実な気持ちで読めば、おそらくこの作品の良さがなんとなくわかるような、そういう作品ではなかろうか、と思う。

私自身としても、大きな仕掛けがある作品というよりも、こうした作者自身が「今」書かざるを得なかった、必然性を持った、同時代性を持った作品を読むのが好きだし、これからもそうした作品を書いていってもらいたいと思った。

 

 

 

 

 


アラバマ•シェイクスはいいぞ!

2022-02-05 14:40:00 | 日記
朝、起きたら雪が降っていた。昼飯を食べて、外に出るとまぁそこそこ積もっている。今年は、案外雪国にも雪がなかったので、安心していたのだが、また雪かきに稼働する。

雪国にいると、生活のために車を出さなくちゃいけなかったりして、雪を素直に楽しめなくなったりする。これが都会の方だと、たまに雪の降ったのを風流だとか何とか言って、
ーーいざ行かん雪見にころぶところまで
などと芭蕉の句のような趣も感じられるのだろうが、生活のためにはどうにも仕様がないものである。

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今朝の寝覚めに、アラバマ•シェイクスを聴いた。アルバムは、『sound&color』。ほとんど聴いたことのないバンドだった。
聴いてみるとこれがすごい良くて、王道な南部のロックにジャニスジョプリンのような図太い女性ヴォーカルが絡んでいい味を出している。
聴きながら、これは冬の季節に合うなぁと思っていた。
透明な空気感を感じた。

久々にロックでいいバンドを知れた。またこれからの雪かきも頑張ろうな。

□クラシック音楽□ Mendelssohn / Schumann: Trios (Thibaud / Casals / Cortot) (1927-1928) を聴く

2022-02-03 10:37:25 | 音楽

最近、クラシックをまた聴くようにしている。
元々、僕は中三の頃にビートルズとか王道のロックにハマり、そこからギターを買って、戦前のブルースとか聴いて耳コピしていた。
なので、基本、音楽はアメリカのブラックミュージックを基調にしたものが好きだったし、今でもそうだ。

だが、大学に入って、ちょっとした縁でクラシックを聴く機会があり、そこから少しづつこっちの世界にも足を踏み入れ始めている。
だが何分、音源の量が多いし、評価もジャズのように明確に定められているわけではないから、結構初心者には苦労すると思っている。
まぁ音楽など好きに聴けばいいので、そんなに小難しく考えてはいないが、とりあえずいろいろと聴いていきたい。

本当はCDやレコードを買って、いいオーディオで聴ければいいのだろうが、僕にそんな金はないから、spotifyでちまちま聴いている。
それでたまたまこのアルバムを聴いているのであるが、これがすごくいい。
詩情というか、ものすごく情感が豊かで聴いていて安心感がある。
ああ、それに情景がこと細やかに思い浮かぶ。
クラシックを聴いた時の懐かしさ。そういえば僕が最初にクラシック音楽と出会って、そこから聴きはじめたのも、こうした懐かしさによるものだったのかもしれない。

ヨーロッパの土地には、ヨーロッパの音楽、伝統文化があり、アメリカの土地には、アメリカの音楽、伝統文化がある。
これは当然、日本も同じであって、世界中にそうした伝統がある。
今でこそ、音楽は「大体どれも同じもの」、と成り下がっているように思えるが、こうした伝統を意識しながら、それぞれの個性を活かせば、また新鮮な音楽も聴けそうであるし、それこそが多様性を肯定することであろう。

これからもたくさん音楽を聴いて発掘していきたいね。音楽の旅とは、自分自身を発見する旅でもあると思うから。