時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

どうせ減税するなら・・・ 。

2023年10月22日 | 時のつれづれ・神無月

多摩爺の「時のつれづれ(神無月の44)」
どうせ減税するなら・・・ 。

増税メガネと揶揄され、支持率が上がらない総理が・・・ 減税すると臭わせると、
防衛費の拡大を持ち出し、身内のみならず、野党までもが、辻褄が合わないとして反対するんだから、
オイオイ国会議員は、物価高に喘ぐ国民はそっちのけかよって思ってしまった。

唐突だが・・・ フローとストックという経済用語がある。
フローとは一定の期間に蓄積された、物量であり、
ストックとは一時点を捉えて、その時点にあった物量をさしている。

分かり易く・・・ 一般家庭に例えると、
フローはひと月当たりの収支であり、ストックは月末時点の現金や預金の残高を意味している。

この国の会計は基本的に・・・ 原価や資産と売上において、相関関係がなく、
収支に関して原価計算を必要としない・・・ 子どもの小遣い帳に似たようなものであり、
単年度会計で、繰り越しができないことから、ストック的な要素は極めて薄く、
当該年度の予算は、当該年度内(フロー)で使い切ることが・・・ 原則となっている。

そういった視点を踏まえ、当初の目論見以上に税収増となった場合、
その対応策は・・・ 間違ってたらゴメンだが、予算に計上されてないものに使うことができず、
臨時国会で審議される予定の、補正予算の原資とするか、税収増の源泉でもある国民に還元するか、
溜まり続けた国債の返還に充当するか、その三択になると思うが・・・ どうだろうか?

物価高と防衛費などを天秤にかけることについて、さまざまな意見があることは承知してるが、
防衛費に充当すれば、一時的には原資になると思うが、
その原資が継続的なものでないことを踏まえれば、一過性の税収増と、継続性が求められる財源を、
天秤の上に乗せて議論するのは・・・ いささか乱暴過ぎるのではなかろうか?

よって、私の思いは・・・ 短絡的で無責任との誹りを受けるかもしれないが、
あれ(防衛費)はあれ、これ(減税)はこれで良いと思ってるが、
さて・・・ 如何なものだろうか?

総理は週末に、与党の政策責任者を官邸に呼び、
期限付きの所得税減税について、実施に向けて検討するようにと指示を出したようだが、
来週から論戦が始まる臨時国会で、総理はどのような説明をし、どう応えるのか、
イスラエルや、ウクライナも気になるが、
現時点で最大の注目は、そこにあるといっても過言ではないだろう、

物価高ということは、物の値段が上がるということだから、
価格に税率を乗じる消費税が膨らむのは、だれにでも分かる簡易な算数であり、
そこにもってきて、コロナ禍から解放されて、経済活動が活発化していることを踏まえれば、
税収が増えるのは必然であり、
それを還元するという考えは、普通に考えて当然のなり行きではなかろうか?

物価高に応じて給料が上がれば、何の問題もないのだが・・・ そうならない現実があるようだ。
多くの人々は、企業の内部留保に問題があると思い込んでるが、
そこに問題があることは、確かに間違いではないが・・・ 根本の原因は別にあって、
給与を上げると、それに応じて企業サイドが負担する社会保険料が増えることから、
賃上げに加えて、そこを賄えるだけの体力に、不安があるからだと思うが・・・ どうだろう?

年金暮らしの爺さんが、偉そうなことを言うつもりはないが、
この国を支える社会保障に、個人の負担もさることながら、企業サイドの負担が大きいことに注目し、
与野党ともに、そこんところを真剣に議論し、根本的に改革していかないと、
ボーナスなどの一時金は増えても、月々の給料アップには繋がらないのではなかろうか?

ちょっと横道に逸れてしまったので、話しを減税に戻すが、
今回の税収増を、フロー(利益)的な視点で捉えるのか、
それとも、ストック(残高)的な視点で捉えるかによって、使途の対応が決まるのではなかろうか?

会計的には損益計算書にある利益も、貸借対照表にある利益も、金額では何ら変らないが、
フローで捉えると、一過性の利益処分(国民への還元)になるが、
ストックで捉えると、継続的な扱いとなるので、今期必要な国債の削減のみならず、
赤字国債にも充当できて、その扱いの方向性が変ってくるから・・・ ちょっとややこしい。

フロー的な考え方と、ストック的な考え方の違いを分かり易くいえば、
「いついつまでに使いなさい。」という考え方がフローであり、
「いつでも使えるよ。」という考え方がストックである。

総理はフローで捉え、所得税の減税と、
私たちのような年金で暮らす者を含めた、低所得者への給付を選択しようとしている。
この利点は、年末調整や確定申告などの、現行の事務処理での対応が可能であり、
マイナンバーと口座の紐付けが進んでいることから、スピード感を持って処理できることだろう。

爺さんの戯言として、聞き流していただければありがたいと前置きするが、
あえてストック的な視点に立ちながら、フロー的思考と併用して、継続性を意識するならば、
食料品に限って、軽減税率を調整(下げて)して、
これから入ってくる税収に、軽くブレーキを踏んだら如何なものかと思っている。

食料品に限って・・・ 現在の消費税を8%から5%に引き下げることを提案したい。
その代わりと言っちゃなんだが、ネットから情報を取得することが一般的になってるにも拘わらず、
軽減税率対象となっている新聞代を、8%から10%に上げれば、
雀の涙ぐらいにしかならないかもしれないが・・・ 少しは補填になるだろう。

言いたいことを整理すると、今回の税収増分については、
光熱水道料や、燃料費の高騰対策に充当することを、補正予算の原資(フロー)として整理し、
物価が上がったことによって、今後も増え続けるであろう税収から、
食料品の消費税に限って税率を下げて、
還元(返す)ではなく、調整(値引き)という扱いにしてほしいということである。

つまり・・・ 増収分の扱いは、あれはあれとして処理し、
経済対策の扱いは、これはこれで良いんじゃないかという発想である。

これができれば、所得税のように納税者に特化した減税ではなく、
年収の高低に拘わらず、生活に直結した部分で、
あまねく公平に享受できるはずだと思うが・・・ 如何なものだろうか?

またお財布的にも、その効果が実感できることは極めて大きく、
政権の支持率アップにもつながると思うが・・・ 如何なものだろうか?

消費税の減税については、法律改正が必要であって時間がかかることに加え、
買い控えなどが起こり、一時的に経済が低下することから、経済対策としては評判が良くないし、
周知や運用開始に時間を要することから、スピード感にはかけてしまうが、
例えそれが、法案成立との関係から、国会審議を経て、来春からの実施になったとしても、
その対象が耐久消費財じゃなく、日々消費する食料品ゆえに、買い控えには至らないはずである。

問題があるとすれば、小売店での精算対応などで、
8%から5%に切り替えることで発生する・・・ 手間暇(時間と費用)だが、
10月から実施されたインボイス制度で、後追いのチェックが可能となったことから、
なんとなくクリアできそうな・・・ 気がしないでもない。

これから先にデフレが起こって、物の値段が下がり、消費税の税収が減ったとしても、
一旦上がった価格が、1~2年前の値段に戻ることは想定できず、心配することはないと思うものの、
人口減にともなって、食料品の需給バランスが崩れてくることだけは気になるが、
それを、いまから心配する必要があるとも思えない。

爺さんの戯言で恐縮だが・・・ どうせ減税するなら、
財務省の顔色だとか、事務方の作業負担だとか、継続性の妙だとか、いろいろあるにはあるが、
直感で「さすが!」と感じ、だれもがその成果を実感できるような思い切った対策を、
歯切れの良い言葉で・・・ 表明をしてほしいということだと思うが・・・ 如何なものだろうか?

政府にすれば、そんなことは素人から言われなくても分かってる・・・ って、ことなんだと思うが、
そこにフォーカスしないと言うことは、きっとなんらかの障壁があるんだと思う。

その理由を明解に説明し、納得させてくれるのもまた・・・ 政治の責任であり、
明日より本格的な議論が始まる臨時国会で、
よもや芸能事務所のスキャンダルや、前衆院議長の資質の追求に終始することはないと思うが、
なに気に総選挙がチラつく国会ゆえに・・・ 質疑の内容には注目せねばならないだろう。

まっ・・・ 言いたいことが山ほどあって、物申すのは全くもって構わないと思うし、
お上がせっかく減税してくれるってこと
に「つべこべ言うな。」なんて、言うつもりはないが、
「私はいらないよ。」なんて、いじける必要もないだろう。

食料品の消費減税が一番だが、所得減税だろうと、給付だろうと、
くれるってものは、ありがたくいただいておけば良い。
バラマキだと批判する野党議員がいたり、批判するコメンテーターがいるが、
私のような年金生活者からしたら、いくらかでももらえるのなら・・・ 喉から手が出るほどほしい。

総選挙を控えているだけに、国会での議論は白熱するのだろうが、
その財源を、なにに使えば良いのかという議論は、とっても大事なことだが、
多くの国民が喜ぶことなら、スピード感をもってやるしかないんじゃなかろうか?

追伸
ぐだぐだと能書きを垂れてしまったが、
ここで述べたことは、あくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、
ご理解をいただければありがたい。


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4 コメント

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多磨爺さん (1948of)
2023-10-22 08:24:00
おはようございます。
胸がスカッとするブログ、拝見しました。
モヤモヤする今の政治が、公平な暮らしが期待できる政治に切り替わって欲しいですね。
Unknown (多摩爺)
2023-10-22 08:40:09
1948ofさん、おはようございます。

民主国家では、なにをやっても一定数の反対はあります。
それを踏まえて、どうやったら国民のためになるのか、そういった議論ができ実行されるなら、
それが私の思うところと違っていても、民意ということでついて行かざる得ないと思っていて、
民主国家の政治ってそんなものだと思っています。
それと、国の会計を繰り越しができる仕組みに変えるチャンスかもしれませんね。。
難解です。 (Jiro)
2023-10-22 10:27:40
時々、意味不明のコメントを差し上げて申し訳ありません。
そもそもの「税金」というのが良く分かっていません。

国家は庶民及び企業から上納金を巻き上げて社会奉仕へ
貢献するのが主旨だと思います。
そこで整理すると、徴収と還元というのが実にややこしい。

簡単に言えば、還元するのが目的なら徴収しなければ
事務的にも非常に合理的でコストも安い。

しかし、政府の考えているのは徴収することの労力と
還元することの労力への二重のコストが発生しています。
それは何処に行ってしまったのかという疑問です。

簡単に言えば、経済が良くなるのであれば無理に徴収して
都合の良い「還元」をする必要もない訳です。
この点は、勉強不足で良く分かりません。

物価とは何か?それは需要と供給のバランスによって
価格が決まる。従って、物価が上昇しても生活苦が
あれば物は買わないだけです。経済活性はしない。
従って、物価上昇は非常に限定的であるのが一般的です。

なので、基本的な考え方が間違っていないかという
疑問があります。実に奇妙で税金というのも不可解です。


何が正解なのかは良く分かりませんが経済をより良く
したいのであれば不要な税金は徴収しないのが原則
の様な気がします。或いは、徴収を先送りする?

的外れのコメントで申し訳ありません。
どうも良く分かっておりません。すみません。
Unknown (多摩爺)
2023-10-22 18:31:35
Jiroさん、こんにちは

外出していて返信が遅くなり申し訳ございませんでした。
そもそも税収というものは、微増はあっても増えすぎることは想定外なので、その対処策に知恵を絞ったのだと思います。
嬉しい悲鳴なら、皆が喜ぶことをしようと考えるのが普通で、減税策に至ったと思えば、特に問題はないと思います。
深く考える必要はなく、いただけるものはいただく、それでいいのではと思っています。

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