時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

一番面白いのは俺たちだ。

2021年12月20日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の23)」
一番面白いのは俺たちだ。(M-1グランプリ・2021)

まずは・・・ 暮れも押し迫った先週末、金曜日(17日)のお昼前に、
JR大阪駅前から歩いて直ぐの繁華街(北新地)で、20名以上の方々が亡くなるという、
悲惨な火災(放火事件)があり・・・ 気の毒というか、可哀想というか、腹立たしいというか、
かける言葉が見つからないが、衷心よりお悔やみと、お見舞いを申し上げたい。

さて、今年最後となった満月(コールドムーン)の夜、
年末恒例の漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が行われた。

ここんとこ連日のように、悲惨な事件や、大きな交通事故などが、列島の各地で起こっている。
我が家でも・・・ 今年は大切な人々(父や義父母)が亡くなり、
ホントにホントに辛くて、大変な年だったが、
最後はやっぱり、「M-1グランプリ」で・・・ 笑って一年を締めくくりたい。

今年は、女性芸人のナンバーワンを決める「THE W」で、決勝に残った3組のレベルが、
想定外と言っちゃ大変申し訳ないが・・・ ものすっごく高かったことから、
必然的に、今年の漫才界トップを決める「M-1グランプリ」には期待が膨らんでくる。

コンビを結成して15年以内という条件さえクリアできれば、だれでも出場できることから、
若手から中堅どころまで、さまざまなコンビが登場するが、
「M-1グランプリ」が、他のお笑いを寄せ付けないぐらい・・・ 面白いのはなぜなのか?
つらつら思いを巡らせてみると、次の2点に行き着く。

まず1点目は、その日、その時、その場でのネタが、受けるか否かだけの一発勝負だということで、
知名度や、芸歴、所属事務所などが・・・ 一切考慮されてないことだろう。
そのため、想定外の番狂わせが起こる場面を、これまで何度も見てきた。

人はなにが面白くて・・・ なぜ笑うのか?
いくら練りに練られたネタであっても、その日、その時、その場の空気感が微妙に左右することから、
見ている者の感性一つで、芸歴を超えた下剋上が起こってくるし、
一発勝負の面白さと、厳しさが如実に現れることもあって「M-1グランプリ」は盛り上がる。

そして2点目は、採点結果に納得の評価コメントを付け加える審査員に、
お笑いの世界で生きている、現役バリバリのご意見番を・・・ そろえたことだろう。

それは、お笑いでメシを食ったこともないのに、
したり顔で薄っぺらい批評を口にする、評論家やタレントに審査を任せることなく、
その道のプロが、自らの立ち位置を背負って採点し、コメントしているがゆえに納得にできるし、
そのコメントを聞くのもまた興味深く、それを聞くのも楽しみの一つになっている。

昨年の大会を見て思ったのが・・・ まさにそれで、
私は巧みな喋りで笑わしてくれた「見取り図」と、
決勝には残らなかったものの、好みのボケとツッコミだった「ニューヨーク」を推していたが、
審査員は「マジカルラブリー」の形態表現を駆使して、笑いを誘うた漫才と、
音楽ネタに切れながら巧みに突っ込む、新手の漫才で挑んだ「おいでやすこが」を推していた。

私的には、あれは漫才ではないとの思いがあって、異論を唱えたが
まさに、笑いの壺は人それぞれであり、見る人によって期待度が違うと言うことがハッキリした、
いまとなっては・・・ 漫才の進化に繋がるターニングポイントだったと振り返る。

そして・・・ バランス良く、巧みに仕切った審査員の技量がどれほどのものであったのか?
1年という歳月を経て、今現在の彼らのポジションを見るにつけ、
その結果が間違ってなかったことが分るのだから・・・ 恐れ入ったと言わざる得ない。

何年か前には、せっかく優勝したにも拘わらず、
つい調子に乗って暴言を吐いてしまい、その後の稼ぎを棒に振ってしまったコンビもあった。

思いはそれぞれだから・・・ なにを言っても構わないが、
それが暴言であったのか、それとも正論であったのか、
その年の「M-1グランプリ」以降の、彼らを見れば結果は明らかだから、
それぐらい審査員が、威厳と責任を持ってコメントしていたことが分ってくる。

そこら辺りをブラブラしている爺さんが、皆が知ってることをタラタラと述べてしまったが、
さて、本題は昨夜行われた大会「M-1グランプリ」だ。

ファイナルラウンドに進んだのは「オズワルド」、「錦鯉」、「インディアンス」の3組
私の好みで見た採点では「オズワルド」、「インディアンス」、「ロングコートダディ」で、
ロングコートダディ」は、審査員の採点でも4位だったことから、
視点というか、笑いの壺は審査員とほとんど同じなんだが、
まさか「錦鯉」が優勝するとは想定外で・・・ これにはホントに驚いたしまった。

確かにファイナルラウンドでの3組のネタは、甲乙付けがたいできだったと思う。
高速の喋りで、ネタを次から次へと変化させていった「インディアンス」
どつきを混ぜながら、巧みなドタバタ感で魅了した「錦鯉」
1点を掘り下げて無限ループに誘い込んだ「オズワルド」

できばえ点だけでいえば、ファーストラウンドで審査員が指摘していた
ボケの高速展開を若干抑え気味に進めた「インディアンス」と、
ファーストラウンドのネタの方が良かったと思われる「オズワルド」との差が詰まり、
どちらが勝つかと思っていたら・・・ 結果は「錦鯉」だから、
私の笑いの壺も・・・ たいしたことはないようだ。

「錦鯉」については、悪くはなかったものの、基本的にどつき漫才が私好みじゃないので、
評価を下げていたが、それはあくまでも個人的な主観であって、
結果的には・・・ それが受けたということなんだから、
その日、その時、その場の雰囲気が、彼らを強く推したということなんだと思う。

なにはともあれ、個人的な思いはさておいて、若者に混じって奮闘し、
見事に栄光を掴んだ、50代の苦労人たち「錦鯉」を・・・ 称えねばならないだろう。

18時30分から22時までの3時間30分、
歴代チャンピオンたちがCMに登場し、皆で盛り上げた「M-1グランプリ2021」

やっぱり、お笑いは面白い。
暗い事件や、事故が続き・・・ 滅入ってしまいそうだが、
「笑う門には福が来る。」であってほしいと願ってやまない。


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M-1グランプリ 2021

審査員
オール巨人、上沼恵美子、立川志らく、サンドウィッチマン富澤、中川家礼二 、ナイツ塙、松本人志


[ファイナルラウンド(出演順)]

 1.インディアンス  1票
 2.錦鯉       5票 優勝
 3.オズワルド    1票

[ファーストラウンド(出演順)]
             審査員の採点と順位  私の採点と順位
 1.モグライダー    637( 8)    B+( 6)
 2.ランジャタイ    628(10)    B (10)
 3.ゆにばーす     638( 6)    B+( 7)
 4.ハライチ      636( 9)    B ( 9)
 5.真空ジェシカ    638( 6)    B+( 
5)
 6.オズワルド     665( 1)    A ( 1)
 7.ロングコートダディ 649( 4)    A ( 3)
 8.錦鯉    
    655( 2)    B+( 8)
 9.インディアンス   655( 2)    A ( 2)
10.もも        645( 5)    B+( 4)

・私が採点した上位3組の寸評
 1.オズワルド    ・ワンランク上のレベルだった。聞かせる、笑わせるで文句なし。
 2.インディアンス  ・ネタの回転が少し早すぎた。笑えるが、じっくり聞きたくもある。
 3.ロングコートダディ・ネタの繋ぎが絶妙、ちょっとマイクから離れすぎかも?

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