時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

取り越し苦労で・・・ ホッ!

2021年12月14日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の22)」
取り越し苦労で・・・ ホッ!(相続税)

少し前になるが、大手呉服問屋の社長が急逝し、巨額の遺産相続をめぐって女たちが争った、
山崎豊子さんの小説をドラマ化した「女系家族」という番組があったが、
日曜日の午後、そのビデオを見ていた女房が・・・ ポツリと言った。

「お金(遺産)がないのも侘しいけど、お金があるのも大変だね。」と言い、
「そりゃそうだけど、うちは今年3人(父、義母、義父)亡くなっているんだけど、
相続税は払わなくても良いの?」と続けた。

その直後だった・・・ まるでタイミングを合わせたかのように、義妹から電話がかかってきて、
「相続税の支払いって10ヶ月以内だから、払わなきゃ延滞金とられるって、
近所の人が言ってたけど、うちは大丈夫なの?」と、
まるで私たち夫婦の話を、傍で聞いてたかのように・・・ 割り込んできた。

私は二人に対して「相続する資産総額(預貯金などの金融資産や、土地建物などの不動産)が、
基礎控除を超えてなければ、相続税は発生しないので申告する必要はない。」と伝え、
国税庁のホームページに載っている、その算式を説明して、
父が亡くなった私の実家も、義父母が亡くなったあなたたち(女房たち姉弟)の実家も、
相続する総額が基礎控除を超えないので、申告する必要はありません。」と応えた。

心配しないでも・・・ 余程の額の預貯金か、株や債権などの高額な金融資産があるか、
人気が高い繁華街や住宅地や、幹線道路沿い、駅前などの路線価が高い地域に不動産があるか、
高額の保険金でも受け取ってないかぎり・・・ 普通に、慎ましやかに暮らしている一般家庭で、
基礎控除を超えて相続税がかかることは、まず持ってないと説明を続けた。

因みに、私の実家分は、固定資産納税通知書に記載されている評価額を基に、
国税庁が発表している「路線価・評価倍率表」を見ながら、土地建物の不動産評価を試算したら、
基礎控除額よりもはるかに低く・・・ 相続税の申告は必要なしだから申告は不要で、
あなたたち(女房たち姉弟)の実家は、固定資産の納付額がうちの実家の1.5倍あるので、
おそらく農機具小屋や田畑や山林が影響していると思われるが、山間地域の農家であり、
農地や山林など土地は広くても、そもそもの評価が低いので・・・ おそらく大丈夫と付け加えた。

ところが・・・ 女房たちは、私の話を素直に信用してくれなかった。
「ホントに、ホントに申告しなくて良いの?」と念押しされると、
ホームページをみながら、自分の知識で試算しただけで、税務署に確認したわけではないので
自信満々に応えたものの、自信がなくなってしまうんだから・・・ ちょっと情けない。

「明日(月曜日)の朝、税務署に電話して聞いてみるよ。」とは言った後から、
仮に相続税はなくても、手続き(申告)だけはしてくれと言われたらどうしようと思ったり、
10ヶ月以内に納付ってあるけど、1月2日で10ヶ月になるから、
今月いっぱいに申告して、確定させて、納付しなきゃならないことから、
とてもじゃないが時間がなく・・・ 不安がどんどん大きくなってきた。

取りあえず、週末には母のご機嫌伺いのため、実家に行っている妹に連絡して、
今年の固定資産税の納税通知書から、必要事項が記載してあるページの写真を撮って送ってもらい、
予め自分が持っていた、昨年の評価額と突合しながら、
不動産評価額を試算する目安となる住所、土地建物の大きさ、評価額などを書き出し、
問い合わせする内容を、箇条書きにして整理しておいた。

そして月曜の朝、8時50分・・・ ヒヤヒヤドキドキしながら電話し、
ガイダンスに応じて先に進むと、とっても人の良さそうなオジサンの声が聞こえてきた。
予め整理しておいたメモを見て、順に喋りながら最後に・・・ 「申告は必要ですか?」と問うと、
「お話どおりであれば、申告は必要ありません。」との返答があった。

預貯金も幾らかあったので、恥ずかしながら包み隠さず全て話すと、
それを加えても、基礎控除に影響を与える額にはほど遠く、
こちらも心配するには至らず・・・ 取り越し苦労でやれやれだった。

結果は、期待していたとおりの応答であり、私の思っていたとおりだったが、
お上からお墨付きの言葉をもらうと、ホントにホントに安堵するんから、
税金とか、延滞金という言葉が持つ重圧は、思っていた以上に・・・ 心と体への負担が大きい。

併せて、女房の実家の相続には、土地や建物の他に、農地や山林があることも聞くと、
たぶん申告は不要でしょうが、こちらはまだ猶予があるので、
来夏に一回忌の法要で帰郷されたときでも、ぜんぜん間に合いますので、
所轄の税務署を訪ねてみてくださいとのことだった。

やれやれである。
早速、私の妹と義妹、義弟に電話して、
ちょっと興奮気味に事の次第を伝えて・・・ 本件は一件落着した。

リビングのソファにドスンと座り、だらしなく背中を預けて、足を前に投げ出すと、
タイミングを見計らったように、女房がコーヒーを持ってきてくれた。

「お疲れさま。」
「あぁぁ、疲れた。」
短い会話だったが・・・ それ以上、話を続ける必要はなかった。

追伸
相続税は一件落着したが、土地建物の登記の変更は必要なので、
早めに法務局に行って手続きするか、司法書士に依頼せねばならない。

「面倒くさい。」なんて言ったら、バチが当たりそうだが、
人が亡くなるって、葬式を済ませれば終わりじゃないことを、身にしみて学んだ一年だった。
何度も経験することではないが・・・ ホントに疲れてしまった。

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4 コメント

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そのとうりです! (yamaguti2520)
2021-12-14 06:42:48
人が亡くなるとゆう事は、その後の手続きが大変で悲しんでいられない状況になりますね~年金のや保険の手続きに加えて、預金があれば銀行の手続きもしなければなりません。相続が発生すれば印鑑を押してもらわないといけませんね!お金の問題は特に難しいです❕正直言って悲しんでいられないです。そんな経験をしました。
Unknown (けいこ)
2021-12-14 07:53:10
おはようございます。
私の親のときは、兄が海外勤務だったので夫と相続その他手続きしました(不動産売却については海外からの書類の処理が係の人は初めてと仰ってたことを思い出します)

今年 夫の父が亡くなって 夫と兄弟の相続、、ですが末っ子の夫が家その他を相続したのです。でも全て1ヶ月前に終えました。
お互いお疲れさまでした。
本当に 人ひとり亡くなること、、書類集めから始まり 知らぬことも多いなあと この年になって気づく有様でした。
Unknown (多摩爺)
2021-12-14 09:59:32
yamaguti2520さん、おはようございます。

ホントにおっしゃるとおりで、子供の務めとはいえ大変でした。
そう思えば、私も息子たちに迷惑かけないよう、断捨離の努力しなきゃと思ったしだいです。
Unknown (多摩爺)
2021-12-14 09:59:54
けいこさん、おはようございます。

海外からだと、ホントにご苦労されたことと思います。
相続税は関係ないと思って、のん気に構えていましたが、
こういうことは、早め早めに対応するに超したことはないと痛感しました。
来夏の女房の実家の対応も任せれてしまいましたので、もう少し勉強してみようと思います。

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