時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

故郷の梨(二十世紀)

2022年09月18日 | 大人のおやつ

多摩爺の「大人のおやつ(その28)」
故郷の梨(二十世紀)

この時季の旬な果物と言えば・・・ ブドウも美味しいが、やっぱり梨だろう。
実家の婆さんから、宅配便で二十世紀梨が一箱(26個)送られてきた。

一昨日(木曜日)の夕方だった。
「梨を送ったから、孫たちに食べさせてやってくれ。」と、お袋から電話があり、
近所の婆さんたちと4人で、車に乗って県内の梨産地のJAまで、
梨を買いに行ってきたので・・・ 「東京に送ったよ。」と、嬉しそうに喋りだした。

予定では・・・ 今週末に妹の車で妹家族と一緒に、梨狩りに行く予定だったらしいが、
台風が直撃しそうだし、暴風雨で梨が落ちてしまうかもしれないので、
どうしようかと思っていたところ、
早朝のラジオ体操の帰りに、近所の婆さんたちと、そんな話をしてたら、
「じゃぁ、朝ご飯食べたら、梨を買いに行こう。」ということになり・・・ 出かけたらしい。

婆さんが言うには・・・ 年寄りは先が短いので、
時間と、お金と、体調が許せば・・・ 即断即決とのことだった。
いやはや、なんとも男前の婆さんたちである。

運転は70代の婆さん、あとは80代の婆さんと、70代の婆さんに92歳と半年のお袋で4人、
お袋は1年半前の90歳を区切りに、免許証を返納して、車も廃車したので、
買い物等の足は、週に一度やってくる妹が頼りだったんだが、
近所には、元気で行動的な爺さん婆さんが多くて、
買い物にも、ちょくちょく連れて行ってもらってるようだ。

本来なら、今週末には・・・ 息子夫婦が、孫二人を連れて、
婆さんのご機嫌伺いと、父や義父母の墓参りに帰郷する予定だったんだが、
8月下旬に、息子家族は一家でコロナに感染したもんだから、残念ながら中止になってしまった。

結果的には、台風で飛行機が飛ばなくなり、帰郷出来なかったんだから、
どちらにしても同じだったんだが・・・ 今年の夏は、なにが起こるか分らない。

それにしても・・・ 婆さんの電話攻撃は、なかなかのものである。
一昨日(木曜日)の夜、梨を送ったとの電話があった後、昨日は夕方には「届いたか?」との電話
「まだだ。」と言うと、夜になってまた「届いたか?」との電話が入ってくる。
「たぶん、明日じゃないの?」と返すと、「ゆっくりしてるね。」と言う始末である。

翌日の昼過ぎに「届いたよ。」と電話したら、夕方には「美味しかったか?」と確認の電話が入った。
ありがたいことなんだと思うが・・・ 「婆さん、しつこいぞ。」と思っていたら、
夜になって「孫のところには、いつ持って行くんだ?」と確認が入った。

ケータイ電話が、定額制のカケホーダイだから良いものの、上京まもないころの昭和だったら、
電話代が気になって・・・ 1分も経ったら「じゃぁ、切るからね。」だったのに、
時の経過とともに技術は進化したのに、時間を気にせず話しができるようになったんだから、
地方出身の私たち夫婦にとっては・・・ NTTさまさまである。

婆さん、一人で暮らしてて寂しいのかな?
不定期だが1週間に1度は電話して、ご機嫌伺いしてるけど、
もう少し増やした方が、良いのかもしれない。

それにつけても・・・ いつも、電話が掛かってくると、
ありがたいことに、女房が小一時間は付き合ってくれている。

面倒くさがらずに、婆さんの話し相手をしてくれてる女房には、ホントに感謝してるが、
なに気にそのわけを聞いてみると、
「こっちから話すことは、あまりないけど、お母さんの話を、聞いてあげれば良いのよ。」と、
さりげなく言うではないか。

さらに「あなたは実の子どもだから・・・ 喧嘩でも、なんでもできるけど、
私は病気して、いろいろ助けてもらったし、可愛がってもらったのに、
聞いて上げることしかできないけど、それで喜んでもらえるなら、
それで良いんじゃないの。」と・・・ 付け加えてきた。

そういえば・・・ いつだったか忘れたけど、婆さんがこんなことを言ってたことを思い出した。
「あんた(私)と◯◯(妹)は、私のことを婆さんて言うけど、
 ◯◯ちゃん(女房)は、いつもお母さんと呼んでくれるから、私はそれが本当に嬉しい。」と、
その時は、そんなもんかなと・・・ 思っていたが、
私が知らぬ間に、女房と婆さんの絆は太くなり、強度を増していたようだ。

いやぁぁ・・・ まいったな。
ちょっと、うるっとしてしまったが

咄嗟に口を突いて出た言葉は・・・ 「梨、剥いてやろうか?」だった。

バカだね。
ミカンやバナナの皮なら、剥いたことあるが、
梨やリンゴの皮なんて、剥いたこともないのに、
いつも、いい加減なことを口走るんだから・・・ ホントにバカだと思うが、
なにごとも経験だから、恐る恐る梨の皮剥きに挑戦してみた。

スーパーにいけば、豊水や、幸水、新高など、いろんな品種の梨があるが、
なんていったら良いんだろう、小さいころから食べ慣れていた、故郷の二十世紀梨は、
口の中に満たされる、果肉のみずみずしさと、シャリシャリ感が堪んないし、
甘いはずなのに、スッキリ感じる酸味が効いた果汁が、いまでも脳みそにインプットされていて、
食った瞬間から、これ、これ、これって感じになるんだから・・・ ホントに美味い。

婆さん、ありがとう。
明日にでも、息子のところに持って行くので・・・ 電話するよう言っとくよ。


二段重ねの箱に詰められ、故郷の二十世紀梨が送られてきた。

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8 コメント

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おはようございます。 (アリス)
2022-09-18 06:26:34
朝から拝読、いいお話ですね。
私の母は102歳で没です。どうも渋沢栄一と同年?
10年前の事でちょっと思い出しました。
明治女は丈夫です。鍛え方が違う気がします。
Unknown (多摩爺)
2022-09-18 06:46:33
アリスさん、おはようございます。

私の母はお嬢さん育ちでしたが、祖父の死後、同居した姑との折り合いが悪く、苦労していたのを見てきました。
その分、嫁を大事にしようとの思いが強いようです。
ありがたいことだと思っていますが、如何せん気が強くて、私の言うことを聞いてくれないのが難点です。
Unknown (1948219suisen)
2022-09-18 07:26:19
年をとると気が短くなりますね。待つということができなくなるのは自分の残された余命が少なくなっているからかもしれませんね。

それにしても、お元気なお母様ですね。
Unknown (多摩爺)
2022-09-18 07:36:27
水仙さん、おはようございます。

元気すぎるというか、駐車場に枯れ葉が落ちてても気になる婆さんです。
今週末は台風で、妹も実家に行けないので、ちょくちょく電話してみようと思います。
Unknown (kazukomtng)
2022-09-18 09:05:30
二十世紀梨、感慨は同じです。
そして、地元であっても、既に新種?に押され気味、店頭でも、シェアは、減る一方。
木が既に古いのかも?
昔は、梨は、この一種類だったのに。
東京でも、あまり見ないらしく、
何故か大阪生まれの婿が好きなので、毎年送っていますよ。
良い奥様ですね。
そして、良いお母様。
お幸せなご夫婦だなと思います。
Unknown (多摩爺)
2022-09-18 09:38:46
くちこさん、おはようございます。

二十世紀ファンが多くて嬉しいですね。
甘さのなかにある、絶妙なすっきり感がなんともいえないですね。
因みに母が送ってくれたのは下関市と美祢市の境にある豊田の梨です。
いまは下関市ですが、私の学生時代は豊浦郡豊田町でした。
Unknown (力丸ママ)
2022-09-18 18:16:44
故郷の味があるっておいいですね
20世紀みずみずしくて大好きです。
お母さまがおげんきで幸せな事です。
奥様がお母さまを大切にしてくれるって嬉しい事ですね。
Unknown (多摩爺)
2022-09-18 21:12:51
力丸ママさん、こんばんは

母と女房の仲が良いのはホントに助かっています。
先ほども台風を心配して、長電話してました。
高台の団地なので、雨は大丈夫だと思いますが、風が心配で気になっています。

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