タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 新聞の論説委員の品格 ≫

P1000069 昨今、「○○の品格」なる言葉をよく見聞きする。私に「男としての品格」などあるわけがないし、また、品格を身につけようと努力する気もない。普通の人間であればよいと思っているが、ちっぽけなブログでも、文章を書くとなれば、なにがしかの文献が必要であり、右の写真のようなくだらない書籍(川北義則『男の品格』(PHP研究所)を購入することもある。真に品格のある男なら、こんな著作をものしない。
 さて、話が脇道にそれた。今日の主題は、7月21日付『北海道新聞』第5面〈オピニオン〉の、<論説委員室から≪風≫>「温暖化懐疑論の『品格』」である。
 のっけから喧嘩腰に堀野氏にイチャモンをつけるつもりはないが、論説委員室からこんな生ぬるい≪風≫が吹いてくるのには我慢がならない。
 まず冒頭のニュートンだが、ニュートンが「リンゴが落ちるのを見て万有引力を着想した」という歴史的事実は存在しない。後世の子供向け伝記作家の作り話である。『プリンキピア』を読んだこともないのに、「不動の地位を得た」もなかろう。P1000068
 次に締めくくりの部分。「なにが確かで、どうすればいいか。あたり前だが一つ一つ吟味するしかない」とあるが、ほんとに吟味できると思っているとしたら、よほどのアホである。宇宙の森羅万象を科学ですべて検証できるとは、今どき、当の科学者でさえ信じてはいない。吟味できないから皆悩んでいるのだ。普遍の真理などもはや存在しない。
 堀野氏にとって、人為による温暖化説に90%の確かさがあると証明可能らしいが、真理は、主張する学者の数で決まるのではない。それが分からない者には、一朝目が覚めて、これまでの真理が真理でなくなっていることを体験してもらうしかない。ま、無理な話だな。
 ついでだが、微積分の発見に関連して、ニュートンが、ロンドン王立協会総裁として、ライプニッツに対していかに悪辣な手段を弄したかご存じか? 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「学芸文化」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事