タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ オンコの樹形変化 (1) ≫

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 昭和62年に自宅を新築し、翌年、両親と同居を始めたとき、田舎家の敷地から移植した庭木は、すべて母の選択にまかせた。私には私なりの好みがあったが、母の選択を最優先し、一切口を差し挟まなかった。
 母は、平成元年秋(72歳)から平成14年秋(85歳)まで、14年間にわたって一人で剪定を行い、他人に手を触れさせなかったが、さすがに86歳の秋は脚立に上がるのを諦め、剪定を私に任せる決心をした。写真のオンコは、移植した十五本のうちで最も大物で、80歳を過ぎて上部を剪定するのは、かなり危険な作業だったので、私は内心ほっとしたが、同時に、まだ現職で勤務が多忙だったので、精神的にも肉体的にも重圧がかかった。
 左は、平成元年秋の剪定後、右は、平成19年秋の剪定後の樹形である。基本的な木姿に変化はないが、十九年の年月を経て、重厚さが増した。母と私とでは、やはり剪定の方針が異なり、単なる経年変化だけでなく、枝葉の造りに変化が生じている。
 母の剪定の特徴は、枝葉の先端が丸くふっくらとし、柔らかみがあることである。平成16年に剪定を引き受けて丸四年、私は自分の好みで、枝葉の先を緩やかに先細りになるように努めてきた。加えて、年を経て全体的に枝葉にやや厚みが増しているので、この秋には深剪定で少し薄くしようと想を練っている。
 右上段・中段の葉の重なりも気になるので、矯正しなければならないだろう。オンコの左手のエゾシャクナゲは、放置しておくと先が伸びて手に負えなくなるので、芽摘みで、生長を抑制するのに苦労している。

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