wakabyの物見遊山

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(哺乳類進化研究アップデートはしばらくお休み中)

僕の読書ノート「横浜・川崎・鎌倉凸凹地図」

2024-04-13 07:51:28 | 書評(その他)

 

もともと、その土地を散歩して気晴らしするのが好きだったが、近年は土地の高低や、川の流れを意識して歩いている。土地の高低が気になるようになったのは、中沢新一氏による「アースダイバー」の影響であり、川の流れが気になるようになったのは、岸由二氏や柳瀬博一氏による「流域思考」の影響である。土地がどのような形をしているか、そのまとまり方によって、生物の生態系や、人の社会・文化や精神性が形づくられるということである。そして、人の手によって開発された後でも、その痕跡や影響は残り続けるのである。

本書は、土地の高低が緑色から黄色へと色分けされており、傾斜のきついところは黒い影のように塗られている。また、川については支流や暗渠も含めて詳細に書かれている。城跡・古墳などの旧蹟や寺社もしっかり書かれている。一方、現在の建築物などはその名称の記載がかなり省かれていて、地形や歴史的遺物を見せることに特化している。したがって、本書をガイドとすることで、今までよくわからなかった川筋(暗渠)をたどることができたし、これからの散歩がとても楽しくなりそうである。

一点、難点をあげるとしたら、文字のフォントが小さいことである。おそらく本書を利用するような読者層は、シニアの方が多いと思われ、そうした人たちは老眼が進んでいる場合が(私も含めて)多いだろう。もう少し文字が大きかったら見やすかったのに、というのが一つ残念な点である。



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2 コメント

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Unknown (おちゃ)
2024-04-14 06:29:10
おもしろい地図ですね。平面的に
普段は地理を理解しますが、そこに
地勢というか高低を加えると、面白さ
が増えます。

それにしても新横浜って変な場所にあり
ますね。新幹線はあとから無理やり
作った感が強いです。東京、名古屋、
京都、広島など、たいてい同じ駅の中でも
もっとも裏側というかさびれた側に
ホームがあります。それも作れなかった
ら新横浜や新大阪みたいに別途つくる(笑)

静岡市内は平らですが、海側に日本平
があるので市内の平らな部分を川が
南から北に向かって流れるところが
多くあります。

静岡市は北が山で南が太平洋であり
北から南へ下がると勝手に思い込んで
いた私は、仕事で市内を歩いていた時
川が北を向いて流れていて、一瞬
方向を180度間違えたかと焦ったこと
がありました。

https://www.web-gis.jp/GM1000/GM_Red1/GM_Red1-141.html

この最後の空撮画像が分かりやすいかな。
とても面白い地形です。
Unknown (wakaby)
2024-04-14 12:37:39
おちゃ様、
本書は鎌倉方面も網羅されていますので、ぜひ書店でチェックしてみてください。
新横浜駅は、西側ばかり開発されて、東側が昔のままで手付かずなのは謎で、単なる地権者の反対のせいだとばかり思っていたのですが、この地図を見ると別の理由が見えてきました。このあたりは暴れ川の鶴見川の氾濫がよく起きていた沖積地帯なので、新横浜駅はできるだけ氾濫の影響を受けにくい丘側にギリギリまで寄せて作ったのだろうと。そのため、西側には広大な平地が広がっていて開発が進んだが、東側は傾斜のきつい丘陵地になっているため簡単には開発できない地形になっている。そんな想像をしてみました。
太平洋側なのに、川が南から北に流れていると、とても違和感を感じますよね。静岡市がそういうところなのですね。

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