田中正明がいう「二十一日」というものは、「第九号文書(Z 15)」といわれるものであり、ここには次のようにある。
「中国、南京 一九三七年十二月二十一日 南京日本帝国大使館 御中
拝啓
私たちは人道の名のもとに、南京二〇万市民の福祉のため以下の措置がとられるよう嘆願致します。
拝啓
私たちは人道の名のもとに、南京二〇万市民の福祉のため以下の措置がとられるよう嘆願致します。
1 市の大部分にたいする放火をやめ、残りの部分を、気まぐれからおこなわれたり、組織的におこなわれたりする放火から救うこと。
2 市内にある日本軍の暴行は、ここ一週間以来、市民に非常な苦痛をひきおこしているが、それを直ちに止めること。
3 略奪と放火によって、市の経済活動が停止するにいたり、その結果、全市が一つの広大な難民収容所とかしたという事実を考え、また、国際委員会が二〇万市民に配給する食糧はあとわずか一週間分しかないという事実を考えれば、市民生活の正常な状態を回復する諸措置を直ちに取って頂き、市内の食糧と燃料の配給が再び十分に行き渡るようにすることを心から希望致します。
2 市内にある日本軍の暴行は、ここ一週間以来、市民に非常な苦痛をひきおこしているが、それを直ちに止めること。
3 略奪と放火によって、市の経済活動が停止するにいたり、その結果、全市が一つの広大な難民収容所とかしたという事実を考え、また、国際委員会が二〇万市民に配給する食糧はあとわずか一週間分しかないという事実を考えれば、市民生活の正常な状態を回復する諸措置を直ちに取って頂き、市内の食糧と燃料の配給が再び十分に行き渡るようにすることを心から希望致します。
このままで行けば、また急速に自動的に深刻な飢餓状態をひきおこすことでしょう。私たちはただ正常な生活の最低条件、つまり住宅・安全・食糧だけを要望します。 敬具 南京在住外国人一同(二二名の外国人による署名)」(注1)
(注1)洞富雄編『日中戦争 南京大虐殺事件資料 第2巻 英文資料編』(青木書店 1985年10月20日)134頁