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パイプ主材料 ブライヤー 【Brier,Briar】 根瘤 (こんかい)

2009-12-11 | 素材の話
職人ブログ ご覧いただきありがとうございます。
製品の紹介、職人の居る風景、昭和の雰囲気が漂う年代モノの機械・道具の風景、輝く時を待ち続けて眠る素材など…
不定期となりますが、徐々に記事を綴っていきたいと思います。
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本日の1枚ですが… 『パイプ主材料 ブライヤー 【Brier,Briar】の根瘤 (こんかい)』です。


▲ブライヤーの根瘤 (こんかい)

ブライヤー【Brier,Briar】はホワイト・ヒース【White Heath】と呼ばれるツツジ科の灌木の根瘤(こぶ)で,学名をエリカ・アルボレア【Erica Arborea】とい言います。  (フランス語でブリュイエール【Bruy'ere】)

日本では,なぜか…『ブライヤー・パイプはバラの根…』と良く言われますが,もともとブライヤーという英語が,茨(イバラ),特に野生のバラの茂みを指す意味があることから,パイプ流通とともに英単語の意味合がひとり歩きをし,バラの根と勘違いされ伝わったという説が有力です。

パイプ原木となるブライヤー材は,地中海沿岸のやせた厳しい条件の土地で,長い年月をかけて生育したものが採掘されます。山から掘り出された根瘤(コブの部分)は,小石や砂を噛んでいるもの・虫食い・ひび割れ等を選別し,各形状のパイプにしやすい木片(エボーション)に裁断され,釜で煮立て樹脂や樹液を取り除き乾燥後に出荷されます。また,この中で特に木理【grain】が良好な材料は,表皮のコブを付けたまま木取りされ,プラトー材(ラフトップ材)と称され高級素材として取り扱われます。

ブライヤー材の特徴は,生育環境による繊細緻密な木理で,非常に美しく,また,耐熱性・多孔性の特色を兼ね備えていることから,世界各国のスモーキング・パイプの主材料として使用されています。

掲載した写真は,樹齢180年を超える根瘤(コブの部分)で,古い昔にスペインの材料屋さんの店頭にディスプレイしてあったものです。当時,社長(深代勉)が見学で訪れた際,頼み込んで譲り受けたそうです。

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