密やかに雨が空から落ちてきて・・・
静かに静かに降りそそぐ・・・
大きな樫の木や小さな花達も・・・
音も立てずに濡れている
森や野原もしっとりと濡れている
きらり輝いて消えていく・・・
いくすじもの銀の糸・・・
天空と地上をつなぐ
細い細い銀の糸・・・
息をひそめてそっと
雲さんがおりてきた
森や野原も樫の木も・・・
みんなミルク色の雲の中・・・
地上に天空の静けさをはこび
ひと時の安らぎをもたらし
優しく全てを包みこみ 癒して
また青空へと還っていく・・・
ほら、大きな大きな虹が・・・
地上に降りてきた雲さんからの
素敵な素敵な贈り物・・・
川面にゆれる 朝靄が よりそうように
静かに 森の木々の間を 抜け
夜明け間近の 空へ すいこまれて行く
生まれたての 雲達は
初めて会った お日様に恥ずかしそうに
頬をそめて
少しだけ明るくなった空に うかぶ
やさしい 風に手を引かれ
広い大空を自由に流れはじめる
姿をかえ 色をかえ 友と出会い
大きく育ち 別れに涙し・・・
そして 静かに消えていく
風だけが知っている 雲の行く先・・・
そして いつも見守っている太陽・・・
月の光の中で ゆっくりおやすみ・・・
また ・・・明日が来るよ・・・
雲間から こぼれる 光のカーテンをゆらして
金色に輝く 街並みを通り・・・
山々の峰をぬけ・・・
人々の 祈りの声をとどける
悲しみの 人々には 安らぎを・・・
苦しみの 人々には 希望を・・・
笑顔を 広げ 笑い声を 送り続け
光の 風になる・・・・。