トウチャンと片男波行ったんだ

トウチャンはボクにこう言うんだ...

「７歳の誕生日の記念にファルト行こうぜ！」

「ハ？ナニノキネン？」って聞き返したけどトウチャン　右から左

ま、ゲージを車に運んでるのを見ると「ドコカ　イケル！」ってちょっと嬉しかったけどね



トウチャン　準備が早くなったな


「ドコマデ　イクノ？」
「風の吹くまま　気の向くままだ...」


「トウチャン　アレ　ナニ？」
「ん？あれか？ビニール袋だ。クラゲに見えるけどな。ゴミは持ち帰りだ。わかったな。」




「スキトオッテルネ　トウチャン？オヨギタイナ...」
「そうだな。でもまだ水は冷たいぞ。上陸するか...」


「トウチャーーン　オナカスイタァ...」
「へへへぇ^^」

がさごそ...

じゃじゃーーん！！


「ジブンダケズルイ　トウチャン...」
「仕方あるめい...」


「食べるか　柿の種？辛いぞ」
「....オイシイナ　コレ。イツモノ　ドッグフード　アジナイモン...」


「ピーナッツモ　チョーダーイ！」
「もうだめ！お腹壊したらカアチャンに怒られるからな」


「トウチャンノケチ！」
「ははは　すねるな。さあ行くか...」



「ン？トイプーノアノコ　カワイイナ　トウチャン...」
「カワイコチャンには眼が無いな　お前は...」



「おい！何する気だ！！落っこちるぞ！」



次の瞬間　


ザッブーーン！！


「何やってんだぁ！（怒）」

ヤツは自分から海へダイブし　岸めざして泳ぎだした
オヤジはややパニクって急いで艇を旋回し追いつきＰＦＤの背中部分を一気に引き上げた　ふぅ...^^;


ここでちょっと後悔した


春の海を必死で泳いでいるヤツの写真を撮り忘れたことを...(笑）


艇内はヤツが持ってきた海水でビチャビチャである


意気消沈したのか　座り込んでしまった...なぜか笑えてきた...

オヤジが感じている以上に彼は逞しいのかも知れない
ＰＦＤを着ているとはいえ上手に犬搔きで泳いでいたのだ
初めて見る光景に　ただただ感心してしまった



未練がましくまだ岸を見つめている...


「諦めが肝心だ。女々しいぞ...」
「グスン...」


そんなこんなでトウチャンのパドルが海に浸かる音を前で聞きながら戻ってきたんだ

トウチャンが片付けてる間　紐に繋がれたので　噛んでやったんだ


「ハナシテェ！」って

「あんまり遠くへ行くなよ！」ってトウチャンが放してくれたんだ　言ってみるもんだな...

だから思いっきり走ってやったんだ







ぼくが縦横無尽に浜を走るのを見て　トウチャンも笑っていたな


帰ってからはカアチャンがぼくを洗ってくれたんだ

よく走った　よく泳いだ　　あーー眠いぞ...



「トイプー　ノ　アノコ...zzz」