五十八備忘録

間もなくお盆

昨日1日は父の月命日。
父が他界し4年になる。
毎年この時期になると思い出す事がある。

老人ホームに入所してからは、五月の連休・お盆・実家の秋の冬支度で実家に集まることをたいそう楽しみにしており、秋口になると「紅葉を見に行くのが楽しみです」と最後の年まで葉書をくれたものだった。
ある年のお盆に父・兄・哲哉・隣の隆男と私で昭和初期の発動機を40数年ぶりに復活させた事があった。
炎天下の中、家の前で父が総監督として椅子に座りあれこれと指示を出し、兄貴を中心に皆、汗だくになりながら半日程かかりようやく再始動する事が出来た!
修理中に父が「小屋のあそこに先の曲がったスパナがあるからもってこい」というので私が小屋に見に行ったのだが、40年も前の事だからないだろうな・・思いつつ探していると父の言う通りのスパナがそこにあった!
どうやらそのスパナは発動機の隠れた部分にあるネジを回す為父が加工して作ったものだったらしい。
90歳にしてその記憶力に脱帽したものだった。

発動機が再始動した時の父の満足げな顔、母や姉も皆出てきて感激していた事を思い出す。

その翌年もやったのだが部品の破損により始動することはなかった。この年は甥の雄一も来ており、レトロ大好きな彼は丁寧に磨いてくれた!雄一にも是非この鼓動を聞かせてやりたいと思った。

父はその翌年も「発動機は起こさないのか?」と言っていたのだが結局やれず仕舞だった・・・

その発動機も父が他界した年のお盆に兄貴の友人が修理してくれる名目で持って行ったままだ・・・

帰ってくるのか・・・・

快適に回ることが目的ではなかったのだ、父を囲み皆で真剣に再始動という一つの目的に向かい取り組んだ時間が最高だったように思う。

父がいない今、また皆で父を偲びあの発動機の音を聞いてみたいものだ。

2012年8月12日PM4:30
兄貴の友人が運んでゆく・・・









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