子供の頃ママは言った。お前はうちの青空。パパとママの愛の結晶。
でもその言葉は正しくない。
私は偶然の産物ではない
遺伝子操作で創られたのだ
両親二人の遺伝子を特別に組み合わせた。
姉を救うために。
ケイト(姉)が健康だったら私は生まれていた?肉体を求める魂として今も天国にいたかも
ケイトの妹のアナは有名な弁護士を訪ねた。
「両親を訴え体を守りたいの」
「臓器提供を辞めたらどうなるか・・・わかる?」
宗弁護士は返すも、わずか11歳の躊躇なき強い目に圧倒された。
「姉は死ぬ」
家族は平和な日常を送っていた。だが、自然に逆らった。
見えない亀裂が日常をむしばんでいった。
自然に逆らったのは・・・誰?
長女ケイトの白血病を直す骨髄移植にはHLAという数値が一致するのが条件であった。弁護士である母のサラと消防士である父のブライアンは一致していなかった。そこで生まれたのが次女のアナだったのだ。
サラはケイトのためにと、その一心で穴の臓器提供はいとわない考えだった。
だが、訴えるアナの叫びは家中に響いた。
「私なんてどうでもいいの?
一生無理はできない体になるって言われたのよ!」
ケイトの病状は深刻だった。
ある日、ケイトはアナに言った。
「覚悟はできた。その時は来たの。
詩を感じてもそう怖くない。
私は病気に負けたけど、家族も病気に負けている。」
ケイトはサラと2人きりになり静かに話し出した。
「サマーキャンプに行った時のこと覚えてる?ホームシックになるかと思ったわ。バスに乗るとき、ママは左の窓側の席に座りなさい。振り向くとママが見えるからって。」
「覚えているわ・・・」
「今度も、その席に座るわ。」
ケイトはその夜死んだ。
アナに裁判を起こさせたのも、臓器提供を辞めさせようとしたのも、跡が長くないことを悟ったケイトによるものだった。
裁判は勝訴した。
アナはケイトを救ったのかもしれない。
奇跡は起きなかったが、ケイトはただいなくなって青空になった。
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