
ビクトリア朝時代の文化を垣間見ることができます。
1871年、大富豪であり政治家でもあったウィリアム・ラーナックは、愛する妻エルザと住むための城を建てることにしました。建築には200人の工夫を動員して3年かかり、さらにその後12年間、ヨーロッパから迎えた熟練工の手で内装が施されました。
当主は夢の住まいのために金銭を惜しむことなく、世界中から最高の資材を集め、ニュージーランド原産種の優れた木材もふんだんに使いました。
彼は3度の結婚で6人の子どもの父となりましたが、実際にはあまり満たされた日々を過ごすことはなかったようで、1898年に国会議事堂で自ら命を絶ってしまいました。
ラーナック城があるのは、南島の南東部オタゴ半島にあるダニーデン。
ニュージーランドのエジンバラなどとも呼ばれ、その昔、スコットランドからの移民が開拓し、多く暮らした町です。
ダニーデンにはヴィクトリア朝様式やエドワード朝様式の歴史的な建物が多く残されています。
とりわけ、その周囲の自然美に調和した城館と庭園の美しい佇まいを見せるのがラーナック城(1871年建造)です。
ラーナック城の敷地内には瀟洒な「キャンプ・エステート」、ユニークな「ラーナック・ロッジ」、低予算向けの「キャッスル・ステイブル・ステイ」の3種の宿泊施設があります。
ラーナック城内の美しいガーデンは、近年国の重要庭園に認定されています。
ラーナック城内の美しいガーデンは、近年国の重要庭園に認定されています。
ラーナック城は現在、ベーカー家の私邸となっています。1967年から同家で大規模な修復工事を進めてきた甲斐あって、城館はかつての堂々とした姿によみがえりました。
内部は一般に公開されており、卓越した職人技やニュージーランドでも有数のアンティークのコレクションを見ることができます。
塔を上ると、オタゴ半島の360度のパノラマ風景が広がります。

花々が咲くラーナック城の庭園
14haに及ぶ敷地には、固有種の植物の解説(日本語表記あり)を読みながら歩くトレイルや岩石を配した庭、フォーマルガーデン、季節の花壇など美しい庭園がいくつもあり、世界の重要ガーデンのひとつにも選ばれています。春は宝石のような花があちこちに咲き、シャクナゲやツツジも開花します。花壇は夏じゅう賑やかで、秋に入るとヒースが見頃になります。
城内に宿泊できる施設も
キャンプ・エステート
キャンプ・エステートは城館から500mのところにある豪華なカントリーハウスです。5つの客室はいずれも暖炉付きで、ハーバーか田園地帯の風景が楽しめます。
現在トリップアドバイザーで1位になっている、5ッ星クラスの宿泊施設です。
ラーナック・ロッジ
全12室と小規模ですが、お部屋ごとに異なるテーマに基づいた優雅なインテリアで調えられています。どのお部屋からもハーバーのすばらしい眺めが楽しめます。全12室と小規模ですが、お部屋ごとに異なるテーマに基づいた優雅なインテリアで調えられています。 どのお部屋からもハーバーのすばらしい眺めが楽しめます。ダブルにもツインにも対応、全室専用バスルーム(一部シャワーのみ)付きです。料金には、朝食と城館への入場料が含まれています。
ボールルーム・カフェ
伝統あるボールルームのカフェは毎日9時30分から午後4時までオープン。
地元産のワインとビール、そして幅広いメニューを用意し、城内のキッチンからできたてのお料理が食べられます。
開館時間
年中無休、午前9時より、最終入場は午後5時。
10月1日から3月31日までの間は、ガーデンのみであれば午後7時までご覧いただけます。
インターネット
城内と宿泊施設で無料Wi-Fiに接続できます。
アクセス
ダニーデンへは、オークランドやウェリントン、クライストチャーチから航空路線で結ばれているほか、クライストチャーチ、クイーンズタウン、ワナカなどからは長距離バスが運行されています。
ダニーデン空港から市街地中心部までは約30㎞の距離がありますが、シャトル(乗り合いタクシー)、あるいはタクシーを利用するのが便利。
ラーナック城は、ダニーデン中心部から東へ約12km、車に乗って約20分。
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