ゲーム開発職について語る

ゲームプランナーとしての考えなどを語っていきます。

ゲームデザインとレベルデザインについて

2022-11-04 16:57:21 | ゲーム開発

ゲームデザインとレベルデザインは、ざっくりいうと以下のようなものです。

ゲームデザイン:そのゲームを通して、最終的にどういった体験(遊び)をさせたいかを定義付けしたもの
レベルデザイン:ユーザーにさせたい遊びを理解させる為、誘導や教育を行う事

※ソシャゲだとマネタイズポイントなどもゲームデザインに含まれます。

カプコンのモンスターハンターを例にすると


ゲームデザイン:仲間と手を組んで、モンスターを何度も繰り返し狩るハクスラゲー。かつデッキ遊び要素も入れる。
レベルデザイン:まずは、基本的な操作からモンスターを狩る を繰り返し、敵の特性や危険技などを増やし慣らしていく。徐々にスキルを考えて戦闘しないと勝てなくなるようにする。

ゲーム開発を行う上では、まずゲームデザインを考え、その後レベルデザインを通してゲームを作り上げていく というのが一連の流れになります。


また、企業としてゲーム開発を行う場合、基本的にゲームデザインはディレクター以上の役職が決め、それに必要な機能やレベルデザインを考案していくのがプランナーやゲームデザイナーの仕事です。

もちろん、会社にもよりますがゲームデザインの定義は以下のような雰囲気で決められる事も多いです。

三国無双のような爽快感を担保しつつ、SEKIROのようなコアゲーマーがハマるような難易度設計

意外と上記のような他タイトルのゲームを例に出す事は多いです。


これはゲームデザインだけでなく、実装する機能の仕様やレベルデザインを考える時、他のゲームを参考に不要な部分を削ったり、欲しい機能を追加したりといった事がほとんどです。

個人的に優れたゲームデザインと感じる事の条件は、今までにない体験ができるもの です。


SIE作品に多いので、以下のゲームを例に挙げます。

サルゲッチュ:サルを虫網で捕まえる
サルを虫網で捕まえるという分かりやすい斬新な企画

サイレン:敵の視界をジャックできる機能
バイオハザードやサイレントヒルがヒットしている中、敵の視界を使ってゲームを進めるという完全なる差別化ができた。すごい。

ワンダと巨像:戦闘はボスだけ、ストーリーは雰囲気で感じろ、アクションゲームなのにストレスの時間の方が長い
この時代に、雑魚敵のいないアクションゲームなどあったのだろうか。また、ほとんど会話もなく文字なしでストーリーを理解できる作り。

こういった斬新かつ、新しい体験を生み出せるゲームは素晴らしいなと感じますね。

レベルデザインについては他記事で紹介します。

最後に

ゲーム業界のこんなことが知りたい!などあれば、記事にしますのでコメントを頂けるとありがたいです!


ゲームの定義について

2022-11-02 13:24:50 | ゲーム業界

~ゲームとは~

そもそもゲームって何?といった定義付けのようなものについて語ります。
ゲーム会社 面接 内容 等で調べると「あなたにとってゲームとは?」という質問内容をよく目にします。


私自身は質問を受けたことがないので、中途ではなく新卒でよく聞かれる内容かもしれませんがせっかくなのでまとめてみました。

※正解が存在するものではないと思うので、一意見として捉えてください。


結論から言うと、ゲームとは

 

遊びを通して課題解決の疑似体験ができるもの

 

だと考えています。

 

仕事や勉強でもそうだと思いますが、人はなにかしらの課題を解決した時に快感や達成感を得る事ができます。


大きな仕事を任せてもらい、成功した体験やたくさん勉強して試験に受かったなど、あの時に感じた達成感は記憶に残ってはないでしょうか。


そういった感情を遊びで得るというのがゲームという事です。

 

ゲーム(モンスターハンター)で例えるならば
特定のモンスターを狩猟する といった課題が課されます。
そのモンスターをどうすれば倒せるのかを考え、対策を取り、クエストに出発すると思います。

 

初見でクシャルダオラと対峙した際、暴風により、狩猟がかなり困難になります。
そこで、防風のスキルを用意し、挑むことで解決に向かうわけです。

 

つまり、PDCAサイクルを回し、ゲーム開発者から提示された課題を解決する という点に辿り着きます。


ゲーム開発者側として重要な課題解決に向けた教育や誘導については、レベルデザインについての記事にて公開します。

 


人生では、いくつもの問題や課題に直面すると思います。


その時に、どうすれば解決できるのかを考える という 思考力 を学ぶ事ができるのがゲームでもあると思います。


そういった点からも、ボードゲームは教育に良いと言われています。


しかし、ビデオゲームになると 考える事 より 操作する事 に意識が割かれ、考えはしているものの現実世界で活かせていない事が多いのが現状です。

 

 

最後に

ゲーム業界のこんなことが知りたい!などあれば、記事にしますのでコメントを頂けるとありがたいです。


未経験でゲーム開発会社に就職するには

2022-11-01 15:56:30 | ゲーム業界

~未経験でゲーム開発会社に就職するには~

高卒(元)プロゲーマーの私がゲームプランナーになった経験を元に未経験で ゲームクリエイターになる にはどうすればよいかを綴ります。

大きく分けて以下の3種が存在します。

①突出した技術や知識を持っている
②アルバイトや派遣での入社を目指す
③ゲームクリエイター専門学校を卒業する

まず、ゲーム開発には基本的に以下の職種が存在します。
※企業によっては、呼び方や種別が違う事もあります。

・プロデューサー/ディレクター
・企画/ゲームプランナー/ゲームデザイナー
・デザイナー/グラフィッカー
・エンジニア/プログラマ
・運営/CS
・デバッガー

比較的未経験でも従事できる可能性が高いのは

・企画/ゲームプランナー/ゲームデザイナー
・運営/CS
・デバッガー

の3種で、上から順に難易度が高くなります。

さらに、ゲーム開発でも大きく2種類に分けられます。

・コンシューマ(家庭用ゲーム機)開発
・ソーシャルゲーム開発

未経験でも入社しやすいのは、ソーシャルゲーム開発になります。


①突出した技術や知識を持っている

当たり前といえば当たり前ですが、プログラミング技術やデザイン技術(3DモデルやVFX制作技術)を持っている方は比較的異業種からの転職が可能です。
ただ、しっかりと狙っている企業にマッチしたポートフォリオの作成は必須なのでエンジニアは簡単なゲームを作ってみる、デザイナーは企業色に合わせたデータの制作など事前準備は行いましょう。

問題は、上記の技術もなくゲームが好きで開発に携わりたいと考えている人です。
その場合は以下の3種以外での入社は、なかなか厳しいと考えてください。

・企画/ゲームプランナー/ゲームデザイナー
・運営/CS
・デバッガー

デバッガーの職に就く事は、さほど難易度は高くありません。
しかし、いずれゲーム開発に携わりたい場合は注意が必要で、デバッグを専門とした企業ではなく開発会社が自社でデバッガーを雇っている企業に応募する必要があります。

運営/CSに関しては、ある程度ビジネス知識や対人能力に長けている人であれば転職する事は可能かもしれません。
その中でもやはり、ゲームに対する熱い思い、特に狙っている企業が運営しているゲームに対する強い思いは必要になってきます。

企画に関しては、難易度は高めです。
未経験でも必要とされるには、ゲームに対する理解度が高い事

例えば、何が面白くて、何が面白くないのか、どうすれば面白くできるのか などをしっかりと言語化できる人が求められます。
また、言語化できた上で相手に伝わりやすいような資料を作成できる というのは必須の技術となります。
未経験であるなら、ゲーム企画書だけではなく、「ゲームとは」 「レベルデザインとは」といったゲームを作る といった部分での考え方をまとめた資料を作成しましょう。

また、プランナー志望だと一人でゲームを作ってリリースするといった経験は重宝されますのでUnityやUnrealEngineを使ってゲームを制作してみる のも近道になります。

ゲームを開発するという意味では、やはり企画/デザイン/プログラムの3種が一番わかりやすく、皆興味を持っていると思います。
デバッガーや運営/CSから、ゲーム開発の花形である企画にステップアップする為に必要な事 については別記事にて紹介したいと思います。


②アルバイトや派遣での入社を目指す

①で説明した内容に多少付け加える程度になりますが、未経験でゲーム業界に入社するのはなかなか難しいです。
ですので、いきなり社員を目指すのではなく、アルバイトや派遣を通して社員登用制度を活用するといった視野があってもいいかもしれません。
かくいう私もアルバイト→CS→プランナーといったキャリアを積んでいます。
企業にもよると思いますが、ゲーム業界は意外とステップアップさせてくれます。


③ゲームクリエイター専門学校を卒業する

この方法が一番簡単だと思います。
私は専門卒ではないので詳しくはないですが、知識をつける事で①を満たせますし、新卒というアドバンテージを得る事ができます。
また、専門学校の一番のメリットは人脈が広がる事です。
企業とのコミュニケーションも存在しますし、友人からの紹介で入社もよく耳にします。
お金と時間に余裕がある人にはおススメです。


最後に

ゲーム業界のこんなことが知りたい!などあれば、記事にしますのでコメントを頂けるとありがたいです。