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三菱一号館美術館 『プラド美術館展』

三連休初日!
1964年の東京オリンピックの開会式の日に選ばれたほど、
晴れの特異日の10月10日ですが、今日は曇り。
雨ではないですけど、晴れでも無いですね。
そんな今日ですが、今日から三菱一号館美術館で開会の
『プラド美術館展』に行ってきました。

いつもなら、開場直後頃に到着するように行くんですが、
前に行った時、入場待ちの行列に巻き込まれてしまったので、
入場待ちの行列がはけた頃を見計らって、10:30a.m.頃の到着。
目論見通り、入場待ちの行列はありませんでした。
って言うか、最初から無かったのかもしれませんが。

この展覧会は、2013年にプラド美術館で開催されたものを
ベースにしていて、三菱一号館美術館向けにアレンジした
特別バージョンになっているそうです。
中でも、小さいサイズの作品に焦点を当てて作品を選んだそうで、
確かに、いつものこの手の展覧会よりは小さい作品が
多かったですね。
こう言う小さい作品は、貴族たちが旅などをするときに持ち歩いた
と言う事もあるそうです。
だから小さいと言う事らしいです。

で、元々プラド美術館で開催されたと言う事もあり、
今回は世界で20点しか真筆が確認されていない
ヒエロニムス・ボスの作品が初来日したのが
ウリの一つになっています。
今回初来日の作品は《愚者の石の除去》。
中世のネーデルラントでは、
頭の小石が成長すると愚かになるので、
それを除去する手術というものがあったそうで(?)、
その様子を皮肉たっぷりに描いた作品です。
って言うか、今の世の中でも、頭のなかの小石を除去したほうが
良いような人が居るような気がするのは・・・(以下自粛)

個人的に興味を引いたのは、ヤン・ブリューゲル(2世)の《豊穣》。
そのタイトルの通り、実り豊かな光景を描いた作品のはずなんですが、
なんかちょっと変。
農作物から、海産物まで一同に介しているんですけど・・・?

ヤン・ファン・ケッセル(1世)の《アジア》と言う作品も不思議。
あれのどこがアジア?
17世紀のスペインにおけるアジアのイメージは、
猛獣や動物が跋扈する野蛮な土地と言う感じなんですかね?

三菱一号館美術館館長の高橋さんが選ぶ
今回の展覧会出展作中での傑作は、
ディエゴ・ベラスケスの《ローマ、ヴィラ・メディチの庭園》。
何の事はない、庭仕事の風景なんですが、
《豊穣》とか《アジア》よりわかりやすくて、良いです(笑)。

あと面白かったのは、
フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテスの
《酔った石》と《傷を負った石工》かなぁ。
これは元々、エル・パルド宮に飾るタペストリーを作るための
原寸大原画の下絵(《酔った石》)と
原寸大原画(《傷を負った石工》)なんですが、
構図は同じなのに描かれている石工達の表情が全然違います。
《酔った石》の方は、怪我した石工の衣類は血で汚れていて、
それを担いで介抱している石工の表情は、
怪我した石工を揶揄するようなニヤニヤした表情なんですが、
《傷を負った石工》になると、
怪我した石工の衣類の血の汚れは無くなり、
介抱している石工達もけが人を心配するような
神妙な表情になっています。
いやぁ、受ける印象が全然違って面白いです。
確かに、あの血で服が汚れたけが人が、
大きなタペストリーになったらちょっと引くと思うんで、
《傷を負った石工》で正解かも。

混んでいるかと思いましたが、それほど混んでいませんでした。
日本人は、印象派とか言うと殺到しますが、
バロックとかの辺だと、あんまり興味を示さないんですね。

そうそう。
今回も、音声ガイドをレンタルしましたが、
ナレーターが、メーテルこと池田昌子さんでした。
さすがベテラン。
上手なナレーションでした。








名称プラド美術館展 -スペイン宮廷 美への情熱
http://mimt.jp/prado/
会期2015年10月10日(土)~2016年1月31日(日)
会場三菱一号館美術館
当日観覧料一般1700円、大学・高校生1000円、中・小学生無料
開館時間10:00~18:00(金曜、会期最終週平日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日月曜日(但し、12月28日、1月25日開館)
※年末年始休館:12月31日、1月1日
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