私の中に治らない病気が見つかって
より死を身近に感じるようになった。
それ故に、
テレビっ子でザッピング魔の旦那の手が
死を扱う番組で止まる事が多くなった。
そんな旦那の横で
スマホをいじる私の手も止まる。
息が詰まる思いで画面を見ながら
必然的にふたりの将来をも想像させる─。
懸命に生きる平凡の先にある死。
この世での無。
なにも、残らない....。
死が怖いのはきっと
その先を知らないから....。
それより、最も怖いのは....
この世にひとり残されること。
いたたまれなくなって
重い沈黙を破った。
「もしも私が先に逝ったらね....」
そう切り出した私を旦那が
「なに先に逝こうとしてんの。
ふたりで一緒に逝くんだから
そんな話必要な~い....」
泣き笑いにも似た表情で遮った。
(そっちこそ何言ってんの~)
なんて、
冗談でも言えるはずもなく....
「まぁ~ねぇ~♪」
なんて....不安隠し....。
一緒に静かに眠りたい。
それが....
それだけが理想のカタチ。