透明人間たちのひとりごと

密告(タレこみ)の恐怖

 新聞ほか、あらゆるマスコミが繰り返し猛反対を伝えた
だけではなく、「原発再稼動」 や 「消費税率アップ」 の際
にも見せなかった一般国民の反対の意思表示におもわず
石破自民党幹事長は 「デモは一種のテロ」 であると自身
のブログで口走ってしまうくらいの猛烈な反対の嵐のなか
で、「特定秘密保護法」 は強行採決されて成立
となったわけですが …

 もとより、この法案は強行に採決されなければならない
種類の法律ではなかったたはずなのにどうしてこうなって
しまったのか

 何故に全会一致とはならなかったのでしょうか

 問題は、誰が、どうして、何を、どこまで
秘密とするのか … という点が定かではなかったからだと
思われるのですが …

 一部、大手マスコミによる昔の「治安維持法」
ようになるというヒステリックなデマゴーグまで飛び出して
杞憂 がいかにも起こりそうな不安 として大いに喧伝
された経緯も見逃せない事実なわけです。

 なるほど、戦前の時代には、軍事機密・国家機密を保護
するためのいくつもの法律があったのは確かなことです。

 軍用資源秘密保護法(昭和14年3月公布)、国防保安法
(昭和16年3月公布)、そして、なによりも厳しかったものが
明治32年に公布され、昭和12年8月に改正公布されるまで
は比較的に緩いものであった軍機保護法でした。

 この法律が猛威をふるいだしたのは改正後のことで国民
は権力者のそばだてる耳や眼差しに対して、早くも怯えなく
てはならなかったのです。

 英国の作家 ジョージ・オーウェル「1984年」 は、
すさまじいばかりの監視社会の恐怖を描いた作品ですが、
この小説を地でいくような出来事が21世紀の現代社会に
おいて、起こっているのです。

 秘密保護法が成立した日本のことではありません

 言わずと知れた世界を震撼させる彼の国での話です。

 北朝鮮のNo.2張成沢(チャンソンテク)氏の粛清後に
早々にもおこなわれた見せしめとしての処刑(機関銃に
よる銃殺後に火炎放射器で焼いた …)が物語るような、
こうした「血の粛清劇」 がこれからも延々と続くと
予想される朝鮮民主主義人民共和国のことです

 しかし、かつて似たようなことが日本にもありました。

 すべての国民を対象にした言論の統制と政府への批判
を弾圧するための「治安維持法」です。

 それは恐怖政治が支配する密告社会の始まり
でもありました。

 もちろん、

 アナログ時代の監視社会と小説に描かれているような
神格化された指導者「ビッグ・ブラザー」が君臨
するデジタル時代の全体主義国家では、その質において
も、量のうえでもかなりの違いがあるにせよ、国民が常に
当局の監視下に置かれることに変わりはありません。

 政敵を次々に粛清したスターリン体制化の旧ソ連を想起
させる小説として冷戦の真っ只中にあった米国を中心に
ベストセラーとなった作品ですが、刊行されたのは1949年
で64年も前の作品なのに …

 物語の中のビッグ・ブラザー VS エマニュエル・ゴールド
スタイン
は、そっくりそのままにスターリン VS トロッキー
モデルとなっているようだし、否が応でもなく現代の金正恩
(キムジョンウン) VS 張成沢(チャンソンテク)を彷彿・連想
させるというわけです。

 事実は小説よりも奇なり怪なり酷なり

 張氏につながる在外公館の関係者は強制帰国の命令を
受けて調査され、国内に留まる一派は根こそぎ収監される
か、徹底した監視下のもとで不要になるまで働かされ処分
される運命にあるわけで、市民はあらぬ疑いをかけられぬ
よう戦々恐々として口を噤(つぐ)んでいるのです。

 ほんのわずかでも疑われるようなことがあれば、捕まって
殺されてしまうと全員が恐怖の渦に巻かれ、怯えきっている
わけで、身近な友人や親戚縁者、果ては家族でさえも信用
できないほどに誰もが疑心暗鬼となる right まさに密告社会
の恐ろしさがそこにあるわけです。

 さて、先般成立した特定秘密保護法が各方面から批判を
受ける根底にあるのは、誰が何をどのようにしてどこまでを
定め、決定するのかが曖昧であり、結局は捜査機関である
権力側の恣意的な判断でいかようにも拡大解釈ができると
いう点に尽きます。

 現在の日本にとって必要な法律として国民からの支持も
得られるはずのものだったのですが、如何せん拙速であり
説明不足が反対の意思表示として噴出したわけで、成立
した後は国民の理解を深めるうえにおいても、特定機密の
対象基準やそれを判定する第三者の監視機関をどのよう
に整備していくかが課題となります。

 かつての「治安維持法」 は、言論の統制と弾圧を
意図して、すべての国民を対象として策定した法律でした
が、「特定秘密保護法」 は一種のスパイ防止法
(他に、防衛、外交、テロ防止に関する機密)であって一般
の国民は対象外であるということをこれから丁寧に説明して
いくしかないでしょうね

 世の中には 「石橋を叩いても渡らない」
いう人たちがいます

 「国民の知る権利の封殺」 や 「言論の自由の弾圧」 や
罪の範囲の拡大解釈」 などは、そんな 「石橋を叩いても
渡らない」 という人たちにとっての格好の言い訳や理由と
なるはずで …

 「昭和改元から20年8月までの昭和史の20年間を検する
と、言論と出版の自由がいかに巧妙に、そして強引に圧殺
されてきたことか。 権力を掌握するものがその権力を安固
にし、強固にするために拡大解釈がいくらでも可能な条項
を織り込んだ法律をつくり、それによって民草からさまざま
な自由を奪いとったことが、イヤになるほど分かる。権力者
はいつの時代にも同じ手口を使うものである」

 12月20日付 静岡新聞 『現論』半藤一利氏より抜粋

 こうした意見を 「杞憂」 として一蹴してしまうのは問題
であり、これまで以上に法律の内容や監視体制の厳格化に
留意して誰もが納得できる第三者機関をつくることです。

 世間には、「心配」「不安」 を商売にする輩が
多数いて 「安心」「安全」 は、どこまで行っても、
いつまで経っても保障 されないようになっているのす。


 1号 「悪かったなタイムリーな記事をボツにさせて …」

 2号 「えっase2


 輪番制で順番が決まっているブログへの投稿の記事が、
前回の 1号 さんの大幅な遅延によって時宜に適わずに
オシャカにしたことをボソっと呟いた記憶はあるけど

 「まっ、まさか 」

 これぞ

 密告(タレこみ)の恐怖 dokurodokurodokuro

 … の始まりだったのです

コメント一覧

スズメの学校53
密告(タレこみ)の恐怖・・・の始まりということは、何度か、その後にもあったということか!?

事実は小説よりも、奇なり、怪なり、酷なり・・・!
ルート1/2
出る杭は打たれ、足は引っ張られるって感じ…
STAP論文の疑義問題の小保方さんのことですが、
タレこみとは直接関係ないけど、何か裏がありそうだよな!
透明人間2号
わざわざご丁寧に …
新しい年を迎えましたが、こちらこそよろしくお願いします。
皮肉のアッコちゃん
「おいらさん、お久しぶりです」って言うか、
「明けましておめでとうございます」ですネ。
おいら
お世話になりました。たくさんコメントをもらってるのに、こちらからのコメントが少なくて申し訳ないです。来年もよろしくお願いします。

書くところなかったので、ここに書かせていただきました。
おいら
好事魔多し・・・

アッコちゃんと初めて意見が一致した気がするわ。
皮肉のアッコちゃん
特定秘密保護法を成立させ、、靖国神社への参拝も済ませ、辺野古の埋め立ても承認となったあとは集団的自衛権の行使容認と憲法改正へと向かってまっしぐらって感じの安倍首相ですが、日本はどうなるのだろう?
円安で株価も好調だし、何かが動き始めている予感がするけど、好事魔多しってこともあるしね!
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