りかのひとりごと

日々のひとりごとを書いています。       

あかな りか

これから

2024年07月24日 14時34分59秒 | 日記
母が亡くなって 一か月がたった

わたしはひとりぽっちになってしまった

母の好きだった煎茶をお供えして 写真の母に話しかける

これからどうやって生きていけばいいのか わからなかった

この頃ようやくがんばる力がわいてきた

よりそって下さる人たちがいたのだ

わたしはひとりではなかった




お母さん

2024年04月03日 20時49分54秒 | 日記
今日は雨ふりだったけど
病院に検査に行くことができて よかったね
検査室のベットに横になった時
小声で「たすけて」と言って こわかったんだね
検査が長くかかって たいへんだった
疲れたね
よくがんばった
ゆっくり休んでね

母は三年前から寝たきりの状態になった
私の介護歴も三年になった
一年一年と 母は日常生活のいろいろなことができなくなった
ゆるやかに体は弱って
子供の時の思い出の中に よく母はいるようになった
食事もほしくないと言い
食べてはむせて さらに体は小さくなった
「もう寝たい」と「はやく死にたい」が母の口癖だ
あるとき母は「早く死ななくてごめんね」と言った
その言葉は唐突で 思わず介護の手を止めて母の顔を見た
母はいつもとかわらない顔をしていた

私は母を追いつめているのか
やさしくないのか
母にとって何が一番幸せなんだろう

答えはでないけれど
今 母が生きていることが私は嬉しい
どんなに手がかかっても
一日でも長く生きてほしい
そう思う



心配していたのに

2023年05月02日 22時15分30秒 | 日記
ひとまわりやせて 心配していたのに
あなたに もっと早く声をかければよかった
大きな手術をうけることになって
がっくりと肩をおとしたあなたをみると
涙がこぼれないようにするのが せいいっぱい

手術までにごはんをしっかり食べて 体力をつけて

ただそれだけを やっと伝えた



うしろ姿

2023年04月29日 13時23分32秒 | 日記
あの人は 「悪いものだったの」とわたしに告げて うつむきました
あの人の前には おおきな壁がいくつもあって
たくさんのつらい治療も まちうけていて
あの人は耐えられるだろうか
いつまで歩けるだろうか
いつまで生きられるだろうか

どうか がんばってほしい
うしろ姿を見送りながら そう思いました



手術をうけるあなたへ

2023年04月15日 16時44分21秒 | 日記
手術をうけることになって 
ドキドキして おちつかない日々をお過ごしでしょう
わたしも今から11年前 乳がんの手術をうけました
手術の直前になって こわくなって ベットに座ってひとり泣きました
どうして 手術をうけるんだろう
どうして 乳がんなんかなったんだろう
どうして 全摘するんだろう
そう思ったら 逃げだしたくなりました
刻々と手術室に入る時間はせまってきます
情けない心をふるいたたせてくれたのは
当時小学5年生だった息子の存在でした
私はまだ息子の成長を見届けなくてはいけない
息子のために 手術をうける
そう思って覚悟を決めました
あなたが元気でいることを願っている人がいっぱいいます
だから がんばって
こわくて 泣いてもいいからね
きっとだいじょうぶ
安心して 手術をうけてね
応援しています




初給料は2か月先?

2023年04月08日 16時57分45秒 | 日記
四月から息子は新社会人になった
毎日会社で がんばってるようす
なんでも 今月は給料がもらえないらしい
理由を聞くと
「しらん」
初給料は五月末になるらしい
ということは
ということはだ
わたくしは四月分と五月分の2か月分を  息子に仕送りしなくてはならない
ということになる
社会人になってやれやれと思っていたのになぁ
会社って みんなそうなのかしらん



旅立ちの春

2023年03月21日 18時03分00秒 | 日記
四月からいよいよ息子は社会人
遠くで新しい一歩をふみだすことになった
どうか がんばってほしい

うれしい春なのに
なんか ちょっとさみしいな
いつのまにか 息子はひとりで歩きだしている

小さな声で言います
お母さんのこと 忘れないでね



卒業おめでとう

2023年03月17日 21時30分49秒 | 日記
大学卒業おめでとう
いろいろあったけど 四年間よくがんばったね
本当によくがんばった
えらいなぁ
あなたの卒論を読んだけど お母さんにはさっぱりわからなかったよ
いつのまにかこんなにむずかしいことを 勉強していたんだね
すごいなぁ
さっさと就職先も決めて 新しいおうちも決めて
たくさんの手続きもして
なんでも一人でできるようになったんだ
頼もしいな
大学で学んでよかったね

四月からはいよいよ社会人
わくわく ドキドキしてるかな
不安でいっぱいかな
おちつかないかな
大丈夫だよ
はじめから仕事のできる人はいないからね
うまくいかなくても
わからなくても いいよ
ひとつずつ がんばっていったらいい
がんばりすぎて つらくなったら いつでも帰っておいで
お母さんはいつもあなたのことを 応援しているよ




息子への手紙

2023年01月17日 22時08分09秒 | 日記
おたんじょう日 おめでとう
元気で やさしいいい子に育ってくれて 
ありがとう



ひとつひとつ

2022年11月11日 22時29分21秒 | 日記
まいにち いろんなことがあるね
うまくいく時も 
いかない時も
ひとつひとつ がんばってるね
今年はサンタさんから プレゼントもらおうかな




病院の待合室

2022年11月04日 21時04分14秒 | 日記
不安をいっぱい いっぱい
ひとりでかかえて
どんなにつらいでしょう
彼女はうつむいていました

そんなこともあったなぁって
笑って話せる日が きっとくるよ
大丈夫

そう話すと
彼女の瞳は涙でいっぱいになりました

あなたはひとりじゃないよ
いつでも会いにきてね



お母さん

2022年10月24日 22時09分32秒 | 日記
「もうがんばれない」とテーブルにつっぷして
しばらくして 顔をあげて 
またつっぷして
ご飯を食べなくなって 徐々に母は弱ってきた
(遠方の)娘を見送った後 「もう思い残すことはない」とぽつりと言った
そうして母は入院をした

どうか ご飯が食べられますように
元気になって またおうちに帰ろうね





これからも

2022年05月28日 22時53分23秒 | 日記
大学生になった時
筆記用具や提出物を忘れ
どうなることかと思ったが
今や息子は就活の真っただ中
はじめてのリモート面接や会社訪問
慣れない就活は たいへんなストレスだと言う
就活のため帰省した息子は 少しけわしい顔をして
言葉少なく 不機嫌だった

おいしいものをいっぱい食べて
内定祝いのケーキも食べて
ゆっくり眠って
ゆっくり休んで

あなたが元気でいること
それが一番
元気でがんばっていてくれたら
お母さんはそれでいい
これからも ずっと応援しているよ





お花見

2021年03月27日 15時23分57秒 | 日記
桜が満開になった
車椅子に母をのせて お花見にでかけた
樹齢何年になるんだろう
大きな大きな桜の木
ゆらゆら風でゆれていた
満開の桜をみあげて
「きれいねぇ」と母は言った
車椅子から下りて 花びらの上を 杖をついて 休みながらゆっくり歩く
10メートルも歩いただろうか
息切れがして 再び車椅子にのった
帰り道 「桜がみれてよかった」と母は言った
どうか来年も桜がみれますように










痛み

2021年03月25日 17時07分42秒 | 日記
母の部屋の前で そっと耳をすます
声が聞こえてこない
どうやら眠ったらしい
先ほどまで痛みに耐えかねて叫んでいた
痛み止めが効いたのか
疲れ果てて眠ったのか
折り曲げた体をのばすこともできず
ひたすら痛みが遠のくのを待っている

「早く楽になりたい どうしたら痛みが楽になるの」

強い痛みが襲ってくると 母はいつもそう言う
ゆるやかに そして 確実に弱ってきている
もうまもなく満開になる桜を 母はみることができるだろうか