ひとりで、夜のスキー場の
ゴンドラに乗ってるなんて
わたしくらいだろ。
眼下には、斜面を流れるように
イルミネーションが光輝いている。
夜の闇を切るように
ゴンドラは山頂を目指す。
さながら夜間飛行をしているかのよう。
光に型どられた花が
飛ぶように 後方に流れていった
他のゴンドラ達は
何を考えているんだろうと 考えてみる。
やめた。
なんとなく、
Lizz Wright の歌を口ずさむ。
ゴンドラが支柱の上に差し掛かった
ガタガタと、尋常じゃない音がする
風が びゅう と吹く。
歌が大きくなる。
終点はもう少し
この、高速の闇も
もう少し。
あただらイルミネーション
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