Recording Studio Akima~♪

大好きなギターと大好きなカメラを使って、オリジナルやカバー曲の音楽動画をおもむくままに投稿しています。

なんてこった!!!!!            (このストーリーは№順に展開していません)

2023-01-14 | 妄想ドキュメント

{このシリーズは、ストーリーが番号順に展開していません}

 

私と同じ方向を向いて、ずっと黙っていた彼女が口を開いた。

「ねえ。    わたしと、ギターと  どっちが大切なの?」

突然の質問で私はおどろいたが、私の口は即座に反応していた。

「お前に決まってるだろ!」

彼女の笑顔を期待して、すでに彼女へ向き直っていた私の見たものは、

彼女の落胆の表情とため息一つ。

その理由は後で知ることになる。

 

一週間後、私は彼女に呼び出された。

私はいつものデート気分で、

池袋東武・地下一階の沢山連なるテレビ・モニターの前で待つ彼女を想像しながら、地下街をあるく。

いつもは待ち合わせ場所に余裕をもって先に着いて待っている私だが、

その日は約束の時間が迫り、いつもより心がせいで

行きかう人々を縫うように、私は地下街に歩みを進めていた。

そして、いつもと何かが違う、胸騒ぎのようなものを感じていた。

 

テレビ・モニターの連立する向かい側に彼女はいた。

その隣には、私と同年代の細身の若い男が寄り添うようにして立っている。

 

なんだ、あいつ?

と思いながら、私は彼女へ一直線に向かって行った。

 

「早く着いたんだね」

と、声をかけると、彼女はうなずいて、

「・・・・・・・わたしの彼、紹介するわ。」と言いながら、隣の細身の若者の腕にすがった。

 

私はとっさに状況判断がつかず、口ごもった。

 

「・・・・・・OO大学3年のYuujiといいます」

何?

私の後輩?

 

「なに・・・ 解らないんだけど。」と、私はやっと口にした。

 

彼女は思念をはらいのけるようにして、言葉を口にした。

 

「あなたとは、もう終わりって云う事・・・・・・この人を好きになったの・・・・・それを伝えたくて、呼んだの。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「それだけ!」    「じゃあね!」

 

と言って、彼女は男の腕にしがみついたまま去ろうとする。

「まてよ!!」

新しい彼氏とやらに私が言った

「おまえは、こいつと付き合うんなら、幸せにする自身はあるんだろうな!」

なんで私はそんなことを言ったのだろうか・・

 

そして、私は男の胸ぐらをつかんだ。

「おまえな! 男らしく自分で言えよ! 『俺が彼氏だって』 

と低い声ですごむ自分がいた。

 

その時、小柄な彼女からは想像もできないほどの勢いで、

「やめて!!」

と言って、私の前に割って入り、彼女は男の腕を取り、即座に地下街の雑踏に紛れて行った。

 

 

ボー然と立ち尽くす私。

 

どこかで、  こんなことが、  あったような・・・   

 

遠い記憶がよみがえってきた。

 

連続する小ぶりで多数のブラウン管モニターは、今はもうない。

 

 

 

本当の理由を知ったのは数年後になるが、

あれは、彼女の芝居だったそうだ。

ドラムのSAKAEから聞かされた話は、こうだった。

 

バンドがメジャーデビューへのみちを一歩踏み出したころの私は、

彼女に夢中だった。

彼女は、自分が私の夢の妨げになると思い込み

思案の挙句にあの行動に出たそうだ。

 

SAKAEは、それを知りながら様子を見ていた。

彼女に相談されていたと云う。

 

なんてこった!!!

 

 

 

 

 

これで短編ドラマは終了です。

ありがとうございました。

 

 

過去に投稿したものに加筆変更しました。

書き加えている時に

「なんて日だ!!!」

を思い浮かべて気になりましたが、

お笑い芸人さんの「なんて日だ!!!」を真似したのではありません。

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なんてこった !!! !          (このストーリーは№順に展開していません)

2023-01-13 | 妄想ドキュメント

立ちすくむ青年がいた。

 

渋谷駅南口、

多くの人々の行きかう流れを阻むように、

青年の周りを、流行りのスーツを身に着けた二十代前半と思しき男たちが、

半円に取り囲んでいる。

 

青年の傍らには、小柄の少女がすがるように立っていた。

 

ひときわ長身のスーツの男が、

青年の胸ぐらをつかむような体制で一歩足を踏み出した。

だが、おびえているように見えていた少女は、

両腕を大きく広げて

 

「やめて!」

 

と叫びながら長身の男の前に立ちふさがった。

その瞬間少女は踵を返し、青年の手を取り走りだした。

 

雑踏の中へ走りゆく二人に、スーツの男たちは

「待てよ このやろう!!」

と大声をだし、二人を追って行った。

 

 

 

 

私は、先ほどので出来事を思い浮かべながら

東横線の、ひしめき合うほどの混雑した車内で、電車の揺れに任せ

他人に全体重を委ねていた。

目的の駅で電車を降りた大勢の人々が、出口方向の階段へ流れて行く。

私も自然に流れにのっていた。

 

そして前方に先ほどのあの二人の男女を見つけたのだ。

私の住まいと近いのかもしれないな。

そんな事を思いながら階段へ足を運ぶ。

 

人々の流れの後方から、けたたましいほどバタバタと靴音を立て、こちらに向かってくる集団が居た。

振り向いた私は、はたと立ち止まった。

「 息をのむ 」

とは、此の事のようだ。

渋谷で見かけたスーツの一団だったのだ。

 

上りかけの階段の中ほどにいたあの男女二人も、立ち止まって振り向いている。

あっと云う間に二人の傍らを電車を降りた人々の流れは行き過ぎる。

 

気が付くと、ホームの階段付近に残っているのは、

その男女と、男たち。

 

そして、この私。

「 なんてこった!! 」

と、心の中で叫んでいた。

 

・・・・・・TUZUKU・・・・・・?

 

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なんてこった!! ! (その三)    (このストーリーは№順に展開していません)

2023-01-13 | 妄想ドキュメント

私は、大学生。

とっくに就職が決まっていなければならない時期なのに、

バイトにバンドに彼女にと、忙しい毎日を過ごしていた。

 

彼女との出会いは、バイト先。

当時、渋谷の東急文化会館の一階にガラス張りのユーハイムと云うのがあった。

ケーキ屋さん直営の喫茶店だ。

そこで、ウエイターのバイトをして一年が経つ。

 

ユーハイムの北海道支店から社員研修の為に、

東京工場やら東京各所の店舗に何人もの新人が上京していた。

彼女は、その内のひとりだった。

長い黒髪がよく似合う小柄で静かな印象の子だった。

研修三か月目だそうだ。

あと三ヶ月で北海道支店にもどると云う。

 

しまったー。

彼女に、ひと目惚れをしている自分に気が付いた時には、

もう、私の頭の中は彼女との妄想でごったがえしていた。

又始まった悪い癖。

 

幸か不幸か、私が彼女に仕事の手順を教える係になった。

何でも積極的に私に尋ねる、彼女。

私は楽しくて、有頂天になって彼女に教えた。

飲み込みの早い彼女は、あっというまに私から自立し、

傍にいてもに、会話する機会はめっきりと減った。

 

彼女と並んでホールに立っていた時、彼女が私にだけ聞こえる小さな声で、言った。

「相談があるんですけど、仕事の後 時間ありますか。」

 

思いもよらぬ言葉だった

 

高鳴る鼓動を抑え

「いいよ・・・」 

 

と精一杯の返事をした私に

彼女は付け加えた。

 

「じゃ、終わったら二階の映画館の入り口で・・・」

 

・・・私は、周囲に気づかれぬよう小さくうなづいた。

 

 

これが、

「なんてこった!!」

の序章だったとは、

私は、知る由もなかった。

 

  

 

 

 

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なんてこった!!  (その二)

2023-01-11 | 妄想ドキュメント

このストーリーは№順に展開していません)

 

私は、バンドの活動に夢中になっている大学生だ。

音合わせには、いつもついてくる和子。

私の、彼女だ。

練習の合間に、彼女はメンバーに飲み物を配ったり、

音合わせの進み具合によっては、スタジオ延長使用の連絡をしくれたりと、

気が利く彼女として、

彼女を連れて来た私の面目は、一応保たれていた。

彼女は二歳年下だが、すでに社会人。

私はと云えば、遊びほうける大学生。

親のすねをかじり、大した金も持っていない。

自然と彼女の尻に敷かれる形になっていた。

 

そんな折、私たちバンドの人前デビューが決まった。

渋谷駅からほど近い小さな神社がある。

そこが町会の、お祭りのメイン会場だった。

神殿の脇にステージが用意されてあり、そこでは、プロによる様々な芸が披露されていた。

漫談、手品、落語等、寄席ではよく見かける風景だと思う。

ステージにはすでに、私たちがセットしたドラムやらアンプやらが並んでいる。

繰り広げられる芸に観客は満足そうに拍手をしたり笑ったりしている。

 

その時私たちはバックステージで、貧乏ゆすりをしていた。

「なんで俺たちがトリなんだよ」

「トチッタら、どおしよう」

「あ~~緊張する~~」

「トイレどこだっけ~!

「いまごろ、そんなこと言ってんじゃねーよ」

「あ~!!もお時間だってさ」

私たちは、大勢の人前で演奏するのは初めてなので、

今夜が人前デビューだ~!と

つい一時間前までは、張り切っていたのに今は究極の緊張状態。

 

・・・私たちは、ステージにいた。

ドラムのSAKAEだけは違っていた。

普通にいつものようにドラムの調子をみている。

一瞬、バスドラやスネア―の音が響いた。

ベースのSimanjiは、ものすごいでかい音でベースアンプをうならせた。

 

すると、芸人さんたちの演目が終わり境内へ散り始めていた人々が

ざわめきながら再びステージの前に集まり始めたのだ。

私たちを観ようと近くの木に登る人たちも出るほどに、再び人が集まってきた。

私がギターにシールドをつなげると、

バチッと云う音とともに、キーンと云うギター・アンプ特有のハウリング音が響いた。

 

緊張のあまり接続順を間違えたのだ。

ボーカルのTUBURAKUが私に向かってうなずいた、

OKサインである。

 

即座に私のギターは、ジョニー・ビー・グッドのイントロ、

それをベースとドラムが追いかける。

 

「すげー、ちょうしいい!!」

 

と私は思った。

大勢の観客が瞬時に歓声でこたえる。

単なる観客が、私たちのサポーターに転じるのを感じた。

つかみはOKだと思った。

 

が・・・・・・その事件は、二曲目でおきてしまった。

 

私のリードギターの二弦が切れたのだ。

 

頭の中が真っ白になるのを感じた。

その時私の記憶も共に途切れている。

どのように解決したのか、しなかったのか・・・

 

無我夢中で演奏を続けたが

たぶん、対処できていなかったのだと思う。

5曲すべての演奏がおわった時、

 

まばらな拍手の音で我に返った私が目にしたのは・・・

 

身内数人だけが

ステージの私たちに向かって拍手している姿だった。

あふれる観衆は

 

消えていた。

 

いや・・その中にひとりだけ

見知らぬ中年の男性が居た。

 

「よかったよ、今度やるときは、ドーンのノックは三回]もやってね」

と言い残して去っていった・・・

 

 

なんてこった

 

・・・つづく・・・?

 

(因みに、ギャラは二万円だったので、三十分足らずの演奏で一人五千円の収入)

あはは・・

あんなにもらっちゃって良かったのかなぁ・・                       

 

 

 

 

 

 

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なんてこった!! (その四)

2016-01-24 | 妄想ドキュメント

{このシリーズは、ストーリーが番号順に展開していません}

 

 

 

私と同じ方向を向いて、ずっと黙っていた彼女が口を開いた。

「ねえ。    わたしと、ギターと  どっちが大切なの?」

突然の質問で私はおどろいたが、私の口は即座に反応していた。

「和子に決まってるだろ!」

彼女の笑顔を期待して、すでに彼女へ向き直っていた私の見たものは、

彼女の落胆の表情とため息ひとつ。

その時は「なんで?」と私は思ったが、理由は後で知ることになる。

 

一週間後、私は彼女に呼び出された。

私はいつものデート気分で、

池袋東武・地下一階の沢山連なるテレビ・モニターの前で待つ彼女を想像しながら、地下街をあるく。

いつも、待ち合わせは先について待っている私だが、

しかしその日は、いつもよりもっと早く着きそうな勢いで、

行きかう人々を縫うように、私は地下街に歩みを進めていた。

いつもと何かが、違うように感じていたからだ。

 

テレビ・モニターの連立する向かい側に彼女はいた。

その隣には、私と同年代の細身の若い男が接近して立っている。

なんだ、あいつ?

と思いながら、私は彼女へ一直線に向かって行った。

「早く着いたんだね」

と、声をかけると、彼女はうなずいて、

「・・・・・・・わたしの彼、紹介するわ。」と言いながら、隣の細身の若者の腕にすがった。

私はとっさに状況判断がつかず、口ごもった。

「・・・・・・OO大学3年のYuujiといいます」

何?

私の後輩?

「なに・・・ 解らないんだけど。」と、やっと口にした。

彼女は思念をはらいのけるようにして、話し出した。

「あなたとは、もう終わりって云う事・・・・・・この人を好きになったの・・・・・それを伝えたくて、よんだの。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「それだけ!」    「じゃあね!」

と言って、彼女は男の腕にしがみついたまま去ろうとする。

「まてよ!!」

「おまえは、こいつと付き合うんなら、幸せにする自身はあるんだろうな!」

なんで私はそんなことを言ったのか、わからないが、このまま終わらせたくなかったのかもしれない。

私は男の胸ぐらをつかんで、

「おまえな! 男らしく自分で言え! そんなことくらい言えないのかこのやろう!」と大きな声を出していた。

 

その時、小柄な彼女からは想像もできないほどの勢いで、

やめて!!」と言って、私の前に割って入り、彼女は男の腕を取り、即座に地下街の雑踏に紛れて行った。

 

ボー然と立ち尽くす私。

どこかで、  こんなことが、  あったような、   気がした。

 

 

 

 

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