健康チェック、ワクチン、ウイルス検査を済ませ
譲渡会に出せる子から順番に参加しています。
*桜餅*♀1歳くらい
1番最初にトライアルが決まった桜餅
ご家族がたくさんいるおうちへお届けしました。
当然怯える姿はあったんですが
ケージ内で隠れることなく姿を見せていました。
次の日里親さんから送られてくる写メ。
お届け後1日2日ご飯を食べない子がいる中
こんなに前に出て来てご飯を完食するのは凄いことです。
桜餅は家庭内野良だった子。
おばあさんの家に通う中
1度も触れたことがなかった子です。
オモチャやちゅーるにも
反応しなかった子でした。
おもちゃでたくさん遊ぶようになりました。
それでも何かを察知すると
こうやって高い場所に逃げ込んでしまう子でした。
この子はちゃんと関わってあげなくてはいけない子。
ケージの中でゆっくり慣らし
ご飯をくれる人
遊んでくれる人を覚え
たくさん撫で
触れるようになってから
焦らずゆっくりケージから開放するよう
譲渡する時
里親さんにはお伝えしました。
しかし・・・
「楽しそうに遊ぶ姿があるのに
いざ触ろうと思うと、逃げて触れません」と里親さんから。
里親さんと連絡を取り合いながら
しばらく様子を見ていました。
里親さんから送られてきた写真
そこには「家庭内野良」の姿がありました。
やはり待ちきれずケージから
出されてしまったようです。
確かにケージは可哀想。
早く自由にしてあげたい。
早く慣れて欲しい。
そんな里親さんのお気持ちもよく分かります。
しかし、ケージから出す時期が早すぎました。
里親さんと話をします。
ゆっくり時間をかければ馴れていくかもしれませんが
今の状態のままでは
ずっと家庭内野良として過ごす可能性があります。
里親さんはそこをどう思っているのか。。
やっぱり馴れなかった。
「かわいくない」では桜餅がかわいそうです。
触れるようにする為
もう1度ケージに戻してもらう事になりました。
ところが
里親さんが戻そうと桜餅を触った時
ガブ!
桜餅に噛まれてしまいました。
それで・・・
里親さんは完全に心が折れてしまいました。
里親さん「桜餅はお返しします」
結局桜餅は、譲渡キャンセルになり
また元の預かりさんのおうちへ戻ることになりました。
預かりAさん
「完全に最初の状態に戻ってしまっています。
また1からです。」
桜、ごめんね。
自我があり、あまり人馴れしてない
ある程度大きくなった猫を家族に迎えると言う事は
里親さんにもある程度の覚悟が必要です。
その子に対する想いはもちろんですが
1番大切なのは
人と猫との相性のように思います。
もう一度預かりAさんの元で家猫修行が始まりました。
簡単にはいきませんが
こんなに愛らしい姿でいられるおうちを
あなたの家族を
また探そうね。
次にトライアルが決まった*柏餅*
岐阜県へお届けです。
それでも当然怯えます。
みんなは?
不安で心細くてたまらない姿。
家族を覚えていきます。
子供さんが2人いる里親さんのお宅。
子供さんは言っても注意をすることができないので
ご夫婦が注意をして下さい。
子供さんと一緒に外に出てしまうことのないよう
脱走は本当に気をつけてもらうようお伝えしました。
トライアル開始から2週間
4月23日AM7:50
里親さんから着信がありました。
こんな時間、嫌な予感。。
嫌な予感は的中しました!
里親さん「獅子丸が外に出てしまいました。
完全に私の不注意です。申し訳ありません。」
話を聞くと外に出たのはほんの30分前
洗濯物を干す時窓を開けた瞬間外に出たようです。
大きな窓がたくさんあるおうち
洗濯物を干す時はこちらの部屋を閉め切り
猫をそこに入れて干すようお願いしてありました。
私は、もしも里親さんの不注意で何かあっても
絶対に里親さんを責めてはいけない。
ずっとそう思ってやってきました。
責めても起こったことは変わらない。
次から連絡すらしてもらえない結果になるからです。
事故はどこのおうちもあり得ることです。
だけど。。
口から出てしまいました。。
私「洗濯物を干す時はこちらの部屋に入れるよう
お願いしたじゃないですか!!」
里親さん「申し訳ありません。。」
頭の中が真っ白です。。
蘇るのは獅子丸の姿のみ。
初めておばあさんのおうちに行ったあの日
あなたの寂し気な姿に胸が撃ち抜かれた。
馴れない子が多い中
1番最初に私に懐いてくれた獅子丸。
1番最初に私に懐いてくれた獅子丸。
あなたは私の中で特別な子だった。
そんな獅子丸が知らない場所で外へ。
脱走は時間との勝負です!!
保護器3台持ち
私は高速を飛ばし、岐阜の里親さんの家へ。
獅子丸はこの場所を知らない為
遠くに行かず近くでじっとしているはず!!
保護器で仕掛ける缶詰は
すぐに匂いが悪くなるので取り換えが必要です。
そしてもしも他の猫が掛かった場合
出してあげなくてはいけないので
こまめに見ていないといけません。
奥様に保護器の使い方を教え私は帰りました。
獅子丸は私を覚えていません。
私がここにいては戻ってくることができません。
でも、獅子丸はまだここに来て2週間しか経っていないのに
本当に戻ってくるのか?
この家を覚えているのか??
すると
里親さんの話しでは
脱走して30分後に
獅子丸は1度ここに戻ったんだそうです。
しかし
また逃げていったと・・・
それを聞いて
獅子丸は確実にこの場所を覚えている!!
そう確信しました。
あっという間に1日が経ちました。
何度か他の猫が保護器に掛かり
その度に奥様と肩を落としました。
チラシをあちこちに貼ったのに
1日経っても誰からも連絡はありません。
それが何を意味するのか?
何度か野良猫が保護器に掛かったので
野良猫がこの辺りをうろうろしている。
もしもその子達に追われていれば
獅子丸は遠くに行って戻れなくなる。
私の中に焦りが出始めました。
雨が降っていたこの日。
お腹が空いた獅子丸が近くにいるとすれば
雨上がりに動く気がしていました。
雨があたらない場所に保護器を仕掛けてもらいます。
奥様とこまめに連絡を取りますが
奥様「また他の猫が保護器に掛かりました。」
本当に近くにいるのだろうか。。
4月24日PM18:49
奥様から着信
奥様「獅子丸が今目の前にいます。」
私「戻ったんですか?」
奥様「うちと隣のうちの境目にいて
今、缶詰を手であげていますが触ろうとすると逃げます。
どうしたらいいですか?」
震える声で今にも泣き出しそうな奥様。
私「そのまま缶詰でおうちの中に誘導できませんか?」
奥様「やってみます。」
しばらくして奥様から電話がありました。
奥様「逃げてしまいました。。。」
私「でも近くにいます!大丈夫!!
いつもご飯の時ご飯の袋の音やお皿に反応しますか?」
奥様「エサの袋とお皿を出して
ご飯だよ~ってやると寄って来ます。」
私「窓を大きく開けてそれをやってみて下さい。」
奥様「獅子丸がおうちに入りました!!」
それを聞いた時、号泣でした。
奥様「本当に申し訳ありませんでした。
迷惑かけて泣かせてしまって
ほんとうにごめんなさい。」
奥様「今缶詰とちゅーる食べました。」
その後疲れた顔をした獅子丸の写メが送られてきました。
この子の表情が物語ること。。
私「やはり全く濡れていませんね。」
獅子丸は隣のおうちの軒下で小さくなっていたと思われます。
缶詰のいい匂いもわかっていて
お腹も空いて何度も家に戻ろうと思ったんでしょう。
しかし
そこで目にしたのは保護器で暴れる他の猫の姿。
それを見て帰りたいのに帰れなくなったんだと思います。
次の日、私が今回
感じたことを里親さんに伝えます。
「今回早急に連絡して下さり
本当にありがとうございます。
獅子丸が動かず近くにいたこと
奥様が呼んで、鳴いて自分でおうちに入ったこと
そこはもう獅子丸の居場所であり
家族をわかっているんだと思いました。
昨日の写真の獅子丸の表情。
疲れてはいたけど安心した表情でした。
みなさんが愛情を持って可愛がってくれていることが
改めてわかった瞬間でした。
今回のことは奥様もとても苦しい想いをされたと思いますが
更に獅子丸が愛しく思えたのではないでしょうか?
そう思うと結果として悪くはなかった出来事だと思いました。
ありがとうございます。
それを伝えたかった。」
奥様「この度は私の不注意から
大変なご迷惑をかけてしまいすみませんでした。
そしてありがとうございました。
私の気配を感じニャーと鳴いてくれた時は
ほんとに信じられない気持ちで感激でした。
2週間というわずかな時間しか接していない中で
鳴いてくれたことはほんとに奇跡的です。
あれから獅子丸は家でたくさん鳴いていました。
ごめんね。と何度も言いながらスキンシップを取りました。
今回を通していろいろ学びました。
そして獅子丸への愛情がより深くなりました。
朝なかなか眠れなかったのでブログを読んでました。
獅子丸の保護の経緯ずっと読んでいましたが
メンバーKさんの猫達への想い、愛情の深さに
ほんとに頭が下がります。
獅子丸を大事に育てていこうと改めて感じました。
想いを伝えて下さってありがとうございます。
とても嬉しいです。」
いろんな環境や苦しい想いの中で
やっと保護をした私と
最近出会った里親さんと
その猫に対する想いの温度差があるのは当然です。
それでも
里親さんになって下さったご家族の方々は
これから先、家族に迎え入れた猫達と
いろんなことを重ねていって
私よりも強い想いで
その子のことを愛していくんです。
この子が身を持って伝えたこと。。。
獅子丸、ありがとう。
そして今週獅子丸は正式譲渡となりました。