こんな茶番、慈悲深いオバマ氏だからできる仕事。
素人がどう考えても、米国は孤立せざる終えないプロセスを自ら選んでいる。それを選択しているオバマ氏からは全体愛を感じる。それは極めて孤独な使命。
ソフトな全体主義者は、自我を通さず流れを創る。
あるがままで
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*オバマの「欧州週間」、対ロ制裁ついに引き出せず
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_30/270440189/
米国のオバマ大統領とサウジのアブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ国王がリヤドで会談し、「両国は、特定の国際問題について戦術的な齟齬はあるものの、戦略的には同盟国である」と確認しあった。
米国と欧州の現在の関係もこれに相似している。反対に言えば、米国と欧州は声を一つに同盟関係の強化を叫ぶけれども、特定問題について国益の齟齬は甚だ明瞭である。
オバマ大統領は一週間を丸まる、欧州で過ごした。クリミア住民投票についてロシアを厳しく罰するようにと、欧州を説得することに躍起となっていたのだ。幾度も幾度も、「欧州と米国は立場を一つにしている」との宣言はなされたが、ついに米国は、対ロ経済制裁に漕ぎ着けることが出来なかった。欧州はうまく立ち回った。口では米国を支持しながら、行動において一線を越えることはついに肯んじなかった。
オバマ大統領は「欧州週間」の締めくくりに、ローマ教皇と会い、イタリア首脳と会談した。欧州で最も印象に残ったものとして、オバマ大統領はローマのコロッセオを挙げている。個人的に観光したのだ。ついでに言えば、彼が見学に当てた時間は、ブリュッセルでのEU-米国サミットに使った時間とほぼ同じであった。ともかく、オバマ氏はいたくコロッセオに胸を打たれたらしく、「今の野球場より大きいじゃないか」との台詞を残している。
欧州の対ロ制裁に話を戻すと、EUはオバマに耳を貸した、分かる分かるとうなづいた、それでも制裁の導入は拒否した。欧州の主要諸国は納得できなかったのだ。どうしてEU域外で最大の貿易相手であるロシアと関係を損ねなければならないか。それも、ただ、米国政府が力を用いてキエフに植えつけた内閣を支えるためだけに。実に、ドイツ一国をとっても、ロシアとの経済関係が断たれれば、30万もの雇用が損なわれるというのだ。
ロシアの有識者の大勢は、米国が制裁制裁と言うのは情報戦争の中のひとつの作戦であり、本当に制裁に踏み込むことは、欧州はもちろん、米国も望んではいない、との見方だ。ここに「新生諸国国際研究所」所長アレクセイ・マルトゥイノフ氏のコメントを引こう。
「もはや対ロ制裁に踏み込むのも容易ではない。西側諸国はここ20年、ロシアを国際経済に組み込むために、途方も無い努力をはらった。そしてそれは実現した。ところがそうなってみると、いざロシアに制裁を加えようとすると、返す刀で西側自身も傷つくことになってしまった」
EUにロシアへ貿易戦争を仕掛ける気がないことはとうに明らかであった。「欧州週間」を終えたオバマ大統領は、そのままサウジアラビアに向かった。報道によれば、訪問の主な狙いは、国際市場の石油価格を下げるよう、サウジ政府を説得することにあった。石油価格を下げることでロシアを処罰しようとの考えだそうであるが、専門家たちの見るところでは、本当の狙いは、資本の流れを石油部門から銀行部門に向け変えることにある。欧米、特に米国の銀行システムが困難に喘いでいるという事実はつとに知られている。この下手な芝居にサウジが乗るかどうか。報告を待とう。ただし、期待は禁物だ。
(転載終了)