2017年 3月 6日 10:50 AM JST
Tim Weiner
[2日 ロイター] - 「ロシアと連絡を取らなかった」という発言は、「その女性と性的関係を持たなかった」という言葉と並び、大きな虚言として米国政治史に記録されることになるだろう。
ジェフ・セッションズ米司法長官は、クリントン元大統領と同じく、弁護士である。ロースクールで授業をさぼっていたのでなければ、右手を挙げて真実を話すと誓いながら、真実とは全く違うことを語るのは悪しき慣習だと知っているはずだ。
クリントン氏は偽証について「『ある』という言葉の意味が何であるかによる」というフレーズを用いて説明した。セッションズ氏は「ない」という言葉の意味を精査することによって、それを超えなくてはならないだろう。
昨晩、眠ってしまった人のために、何が起こったかを説明しよう。決定的な証拠の匂いが米議会の廊下にかすかに漂っている。
1月10日の指名承認公聴会で、昨年の大統領選の期間中にトランプ陣営に関わる誰かがロシア当局者と接触していたという証拠を知ったらどうするかと聞かれ、セッションズ氏は、その当時「ロシアと連絡を取らなかった」と答えている。
しかし複数の司法省関係者と米ワシントン・ポスト紙の報道によると、セッションズ氏は昨年2回、駐米ロシア大使と面会している。
これは記憶の衰えなどではない。不正行為である。しかも米国の司法長官によるものだ。
大統領選でトランプ陣営の選挙活動に加わった当時、セッションズ氏は上院議員だった。国家安全保障担当の大統領補佐官に就任後たった24日で辞任に追い込まれたマイケル・フリン氏と同様、セッションズ氏は選挙期間中、トランプ氏の信頼厚いアドバイザーを務めた。フリン氏はロシア大使との接触をめぐり、ペンス副大統領にうそをついていた。同氏がうそをついた理由は依然として謎である
(中略)
記憶力の良い議員ならウオーターゲート事件を思い出すだろうが、それも無理もない。民主党議員は次々に公聴会を開いて、一人ずつ辞任に追い込むことでトランプ政権を倒そうという構えだ。
「議会で真実を話すと宣誓したにもかかわらず、ロシアとの接触についてうそをついていた司法長官は辞任しなければならない」と民主党のペロシ下院院内総務は1日、そうコメント。「セッションズ氏はわれわれの国の司法長官に適任ではない。辞めるべきだ」と批判した。
共和党のリンゼー・グラハム上院議員はCNNに対し、「FBIが本質的に犯罪と考えることがあるなら、特別検察官が必要となるのは明らかだ。もしそのような日が来るのであれば、それはジェフ以外の誰かでなくてはならないと私は真っ先に声を上げるだろう」と語っている。
なぜなら、セッションズ氏は自身やトランプ大統領を調査することはできない。そのため本件は、トランプ陣営の幹部に対し、宣誓のもとで行われる尋問や大陪審証言、起訴、あるいはそれ以上に悪い事態へと発展する可能性があるからだ。
民主党のロン・ワイデン上院議員は、トランプ政権とロシアの関係を調査する特別検察官の必要性についてグラハム議員に賛同している。両議員とも、まもなくそれを現実のものとするかもしれない主要な委員会の一員である。
上院のしきたりを考えると、情報、外交、軍事の各委員会による非公開の公聴会を開催して、手始めにコミー連邦捜査局(FBI)長官を含む情報当局幹部の話を聞く可能性が高い。
セッションズ氏はコミー氏の上司にあたる。司法長官はFBIの捜査を許可したり却下したりする権限をもっており、FBI長官は司法長官にリポートしなければならない。
今では誰もが知っているように、FBIはロシア政府とトランプ陣営の接触について、その範囲と実体を捜査している。これは敵国の活発なスパイ活動を明らかにすることを目的とした捜査である。
秘密工作、サイバー攻撃、プロパガンダ(別名:偽ニュース)、ウィキリークスやツイッターボットの兵器化など多方面から仕掛けてくるハイブリッド戦争によって、西側の民主主義を妨害しようとする世界的作戦の一環として、プーチン大統領がトランプ氏を大統領にする手助けをしたかったことはよく知られている。
任務は完了した。これはロシアに対する「冷戦2.0」の1回戦だ。
将来を占う水晶玉の持ち合わせはないが、法の支配はいかなる政治家や大統領よりも力があると筆者は考える。もしほころびが次から次へと出てくるなら、セッションズ氏は司法長官を長く務めることはないかもしれない。長期間にわたり、同氏がこの件を調査することはほぼないだろう。
FBIがその任務にあたる。また、下院ではないにせよ上院がこれら国家の重大問題を詳しく調べることになるだろう。メディアは今後も事実を明らかにしようとするだろう。そして最終的に法廷に行き着くのであれば、裁きが下されることになる。
(転載終了)
*FBI>司法省に盗聴否定要請 米新旧政権、対立激化
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20170307k0000m030078000c.html
【ワシントン山本太一】トランプ米大統領が昨年の大統領選中に当時のオバマ大統領に「盗聴された」と主張している問題で、米メディアは5日、連邦捜査局(FBI)のコミー長官が司法省に対し、トランプ氏の主張を公式に否定するよう求めたと報じた。オバマ氏も完全に否定しているが、スパイサー大統領報道官は、前政権が選挙に不当介入しなかったか議会に調査を求めるとしており、新旧政権間の対立は激化する一方だ。
オバマ前政権時に就任したコミー氏は、トランプ氏が根拠を示さないまま4日にツイッターで「盗聴された」とオバマ氏を非難した後に司法省に要請。大統領が米国市民を対象にこうした盗聴を命令するのは違法だとして、正しい説明をするよう求めたとみられる。
また、前政権の国家情報長官だったクラッパー氏もテレビインタビューで「大統領候補や当選した大統領、選挙に対する盗聴活動は一切ない」と述べた。
スパイサー氏は5日、前政権が「行政府の調査権限を乱用しなかったか議会に調査を求めている」と発表した。下院情報特別委員会のニューネス委員長は「政府が、選挙陣営に対する監視活動をしていたかどうかを調査する」との声明を出した。
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ジェフ・セッションズ米司法長官のウソを棚に上げ司法長官を続投させるトランプ大統領。
そのウソを消すかのようにトランプ大統領は、今度はオバマ前大統領に盗聴疑惑を主張し始めた。
提起された問題の核心から視点を逸らす手法、これは責任転嫁の常習犯たちの常套手段ですね。
そしてジェフ・セッションズ米司法長官、今回の自分がついたウソだけでなく、もう一つ窮地に立たされることになった。
コミィFBI長官は、司法省にオバマ前大統領にかけられた盗聴疑惑について、大統領が米国市民を対象にこうした盗聴を命令するのは違法だとして、正しい説明をするよう求めたと報じられています。
司法省の最高責任者は渦中のセッションズ司法長官ですね。
セッションズ司法長官は、政権発足前にロシアとの接触したのにも関わらず、接触していなかったと議会で嘘をついていたことは全国民に周知されている中で、この局面において、例えば司法長官が世間一般の常識や社会的信用を得ているオバマ大統領本人の主張を覆す説得力は無に等しいでしょう。
社会的信用を失ったウソつきが、国民に真実を伝えることは不可能です。
ここでセッションズ司法長官がどのような判断をしても混乱しか生み出さない。混乱や分断をこれ以上生み出してはならない、という世論も動員され司法長官は続けることはできない…という流れ。
この局面、コミィ長官側の頭脳勝ちになるのではないかと思います。コミィ長官が言うように、確かに司法長官は国民に正しい道を示さなければならない。そういった意味において、セッションズ司法長官は米国の司法長官としては不適切ということになるのです。
【裁かれる嘘と裁かれない嘘】
この世界では全ての嘘が裁かれるわけではありません。この宇宙文明において、実は裁かれる嘘と裁かれない嘘があるのです。
裁かれる嘘とは自分の利益を優先し、保身で自分に物事を有利に進める過程において犯した罪、低い波動エネルギーのことです。その学びを通して魂は神の愛を知ります。
そしてスピリチュアルな生活の中から気づいた裁かれない嘘とは…
それは神性なる愛の行為のことです。自分の利益よりも他や全体の利益を優先してついた嘘。これは高次元宇宙においても裁かれることはなく、むしろ自己犠牲愛として徳を積む行為になるのです。
トランプ大統領の部下であるセッションズ司法長官がついた嘘は、米国全体や世界の利益を優先した嘘ではなく、明らかに保身による嘘ですね。
民主党は、トランプ大統領が速やかな政権運営を妨げる作戦でトランプ政権を追い詰めています。これまでのところ民主党の作戦はかなり上手くいっている様子です。
これでセッションズ司法長官が辞任となると、トランプ大統領は一段と厳しい立場になるでしょう。
トランプ流がどこまで通用するか、ここは見どころですね。
あるがままで