50歳になり、これほど音楽で楽しい思いが出来るとはとても思ってもいなかった。レアサウンズを続けていて、音楽を続けていて、本当に良かった。つくづくそう思うことの出来た演奏旅行となった香港。素晴らしい街、素晴らしい文化、そして、素晴らしい人で溢れる素敵な街でありました。
バンド平均年齢50歳記念企画として銘打った今回のレアサウンズジャズオーケストラ香港演奏ツアー。今回もそのツアーを一つ一つ記録にとどめてみたいと思います。
7月22日、我が街から出る6時台の電車に、小さめのスーツケース、リュック、そして楽器を手に私服で乗り込んむ。周りの通勤客から、「今日はまだ金曜日だぞ!」と言っているような視線を感じながら中部国際空港へと向かう。途中金山駅で初めて遭遇したメンバーが、斉藤ドラマーであったことに、このツアーは成功するのだろうか?とやや不安に陥るも、満席立ち客の空港特急の室内に、香港でのライブハウスもこうあって欲しいなぁと期待する私。空港駅では、電車利用のほとんどのメンバーと合流し、集合場所へ向かうのであった。
団体デスクに書かれた「レアサウンズご一行様」の文字に、改めて演奏に行く旅行なんだという妙な結束感を覚える。今後何度となく思うのだが、この仲間たちとの旅行は、移動さえも楽しい、そんな仲間であるのだ。
第1回目のトラブルが早くも勃発する。(何回勃発するのか!?)なんと、手荷物検査で、バルブオイル程度の可燃性の液体や、グリスまでもさえ、持ち込み禁止の通告!私は偶然通過できたものの、金管セクションに加え、ベースf-d君等が持つスプレーの類なども持ち込みが出来ず、結局それら指摘物はまとめてコインロッカーで我々の帰宅を待つ事となってしまったのだ。
出国を出獄などとくだらないギャグを飛ばしながら進む所で2回目のトラブル。トラブルというかこれは笑い話のようだが、次々無事に通過する中、我が同期ピアノのTなぜか検査員の前でベルトを外している。高価なベルトだったのか、はたまた引火性の体!だったのではないかなどと笑い飛ばしながら、こんな事までさえ楽しく進むのは、きっと海の向こうで素晴らしいことが待ち受けていると思えばこそ。この辺りから体内にアルコールが途切れなくなり始める。
このツアーは、キャセイパシフィック航空にお世話になり移動をしたのだが、この航空会社の印象がこの旅でこんなに良くなるとは、この時は思いもせず、ただただワインのおかわりを続ける我々。3時間半のフライトは、確かに居心地が良く、揺れも少なく、そもそも飛行機嫌いの私が極めてリラックスして乗ることが出来たのも、案外画期的なこと。これもやはり音楽仲間と共に移動しているからなのであろう。
無事香港国際空港に到着。このでかい空港は、セントレアの比ではなく、空港内の移動に専用の地下鉄が走る程!名古屋市交通局職員の興味深い視線が印象的であった。そう言えば、このツアーを通して思うのだが、メンバー全員が社会人であると言うことは、それぞれがそれぞれの仕事を持っているわけであって、その仕事に関係する事に皆がツアー中興味を持っていたのが非常に印象的。
交通局職員を始め、トヨタ自動車勤務のS君の車に対する見方や、建設会社社長のf-d君の工事現場の写真を撮る姿など。勿論私も印刷物を始め、私もお客様に建設関係者が多いので、工事現場事務所などの写真を撮ってみたりするのは、やはり仕事有っての趣味活動なんですよね!
そもそも今回のツアー、我がレアサウンズのコンサートマスターデビル氏の大学時代の後輩さんに、今回お世話になった香港のビッグバンド、アイランドエクスプレスジャズオーケストラの代表であるdavid珍さんがいらっしゃったことに端を発する。デビルの後輩がデビットと言うのはその辺りから関係濃厚な香りがするが、ひところは流石に連絡が途絶えていた時期もあったようだが、ある時からネットのつながりか何かで「復縁」。そして彼ら二人の師弟関係というつながりが、今回とてつもなく大きなつながりになったのです。
人というのはいつの時代でも大切にしないといけないと思うし、その「縁」も又、大切にしていかないといけないと痛感させられる今回のツアー。こんな所で恐縮ですが、このお二人には心から感謝をしています!
さて入国。私自身久しぶりの渡航であったため、要領を得ずただただ海外赴任経験者であるS君や、語学堪能者に寄り添うように歩く。まーなんと情けないこと!とはいえ、たいして話をすることもなく、無事香港への入国が許され、トラブった楽器もそれぞれ無事手にすることが出来、今回お願いしてあるツアー会社の添乗員氏と合流。さて、暑いぞ!!
出迎えてくれた黄氏。実に流ちょうな日本語を話す。そして空港で待ちかまえるは、「レアサウンズご一行様」の大型バス!それもぴかぴかの結構かっこいい奴。案外古びた車も散見される中、マイクロバスではなく、新しい大型バスの出迎えは、何となく嬉しい!なにかと15年ほど前のアメリカツアーを思い出すが、全くこのシーンもあの時とダブる。タクシーでも列車でもなく、専用バスでの移動は、実に楽であるし、ここでも又バンドの一体感を感じることが出来るのである。
高層ビル!!いきなり目に飛び込んでくるのは、細長く高いビル群。ご承知の方も多いであろうが、香港は地盤が石なので地震の無い国。従って、高い建物であっても揺れるわけではないので、それは安心。もっとも高くなくても地震がないというのは、地震国日本人からしてみると有りがたいことなのではある。
黄氏のガイドは、きっと大勢の観光客でも鍛えられているのであろう。極めて流ちょう。そして、日本語と絡めたギャグを連発するのは、きっとご婦人団体にうけているのであろうが、そこはたった15名の音楽団体。苦笑いを浮かべながら、窓の外を見ていたメンバーが大半であったのでは無かろうか?!
それでも目に見るもの、耳に聞くことほとんどが始めてのことなので、その黄氏の親父ギャグもかみ砕きつつ聞き入る我々。完全に観光旅行ツアーになっているのであった。当初の予定では、到着後、ホテル直行し、先方のバンドの皆さんの都合が付く時間にリハーサルをして、懇親会をすると言うだけの予定であったが、昼過ぎに到着すると言うことで、折角ならば観光を!とのメンバーリクエストに応え企画いただいたのだが・・・・暑い!
その観光、一つ目に訪れたのは、なぜか海水浴場!勿論水着なんて持ってきていないし、泳ぐつもりは全くないのに、なぜ海水浴場なの?と思っていたところ、そこには暑すぎて詳しく言われなどは聞いていなかったが、寺院が建っており、そこが一つの名所になっているから訪れた。と。そして、写真のような黄色い口を上に向けて開けたさかなの口にコインが投げ込められたら大金持ちになれる。とか・・・・・暑い!
実は本当に暑くて仕方が無く、そんなことやるつもりではなかったのだけれども、一人そのさかなの口にコインが入ることが成功すると、なにやらむやみやたらムキになり、全員で挑戦開始。まるで、炎天下での運動会で、玉入れをやっている様な錯覚に陥ったが、幸い私の投げたコインは、20投程の後、見事カップインならぬ口イン。この頃、パンツまで汗まみれの状態に、着替えが足りなくなる?!といきなり不安。とはいえ、黄さんの指示に従い、歩く歩く暑い暑い!!
基本的に最近の名古屋と温度は変わりないというか、むしろ香港の方が低いときもあるのだが、なんと言っても湿度が高い!だから汗が噴き出てくるのだ!また夜景に代表されるように、まるでここでは節電という言葉は無関係。ビルやホテルの冷房は20度の設定と言うからこのギャップが又すごいのである。
バスに戻りこれまたアイドリングばりばりなのでエアコンも全開。生き返った気持になり次に目指すはマーケット。買い物もしても良いが、黄さんの解説を聞いていると、ここで買うと、安物ばかりだから壊れるだの、色落ちするだの。ではいったい何しに来たのか!?と思ってしまうが、これはこれで、香港!という空気を感じるには絶好の場所であった。
百何軒という小さな店がモールを作り、ついつい私が思い出したのは、大昔の大曽根商店街のそれ。道幅は大曽根のそれより狭いのだが、有る意味活気という面では、子供の頃に体感したそれに似ている様に思えてならなかったのだ。
先の海水浴場でも、これから以後いろいろ出くわす商売人も皆同じだが、我々を日本人と認識するや、結構セールスを仕掛ける。扇子をもったおっちゃんが、我々につきまとったり、見事に大きな声で「偽物ロレックス如何?」と偽物を宣伝材料にしているのも滑稽だったりするのだ。又、私は直接会わなかったが、これも日本人と認識すると、「中曽根さん!」「田中さん!!」と、昔の首相の名前を持ちだし、それこそ誰見ても「しゃちょさん!」ではないけれど、総理大臣の名前で呼んで迫ってくるという話も笑えた。彼らにしてみると、今の総理大臣の名前など、とても覚えられない程に変わっていく日本はどう映っているのでしょうかね。
ここでの時間が夕方4時。当然のようにアルコールを補給して、ファーストフードで軽く食事をしたのが、この後の展開でこの食事は非常に有効であった。そもそも観光旅行、さしずめ日本の温泉旅行で夕方4時5時といえば、温泉に浸かり、ゆっくり食事を待つ、そんな一時であろうし、海外旅行とて、メインのディナーを楽しみにする頃なのだが、ここがレアサウンズツアーは全く違う!
暑さと慣れぬ地での楽器を持っての移動でくたくたの我々がホテルのロビーに付いたのは、夕方の5時。ここで思わぬ出会いがあった。紅一点我がメンバーのしほ嬢が、なにやら見たこともない美女とハグをしているのだ。偶然目の前で。何のことかさっぱり分からなかったのだが、何でも彼女は、しほ嬢の親友の親友だそうで、香港在住者。まだ知り合って間もないというのだが、いかにも随分前からの知り合いの様な親しみを持って接していたのだ。実はこの方、このツアーでどれだけお世話になったか分からないほど、今回のツアーキーワードの人物となった方!ちなみに藤原紀香さんに激似なので、ここでは藤原紀子さんとでもしておこうか。・・・・なんのこっちゃ。
とりあえずホテルチェックイン。「1時間後の6時に楽器を持って集合!練習場に出発しますので!」というデビル氏の激しい!指示で、それぞれ部屋へ。急いでシャワーを浴び、全く体を休めるまもなくあっという間に1時間と言う時が過ぎ去っていったのであった。ここら辺りの記載、先ほども書いたが、全くアメリカツアーの時と似ていて、我々は、演奏旅行という名の体力ツアーなのである。
ロビーに現れたのは今回最大にお世話になった、デビル氏の後輩氏であるデビット珍氏。人なつっこそうなその体型(失礼!)と、どことなくデビル氏と似ている声のトーンは実にほほえましい。高笑いも似ている?様な気がしたのは私だけ??ひょっとして大学で高笑いも学んでおられたのであろうか?彼の明るいくアクティブな、デビル氏の言葉を借りるならば、学生時代と変わらないその持ち前のバイタリティーが、この直後発揮される!
全く分からない香港の街。それも週末の夕刻。人はめちゃめちゃ行き交いそこを我々はなななんと、地下鉄に乗って「アイランドエキスプレスジャズオーケストラ」さんの練習場に向かうこととなった。バリトンサックスのH君や、ベースのf-dくんには、実に過酷な試練が待ちかまえていた!
だいたい地下鉄の切符の買い方一つ分からない我々が15人、楽器を抱えて満員電車に乗り込むそれは、たとえば、名古屋・栄間のラッシュ時のそれに外人が大きな荷物を抱えうろうろするのに全く等しいばかりか、交通局職員であるH君いわく、これは名古屋の比ではない。と。
そこで大活躍下さったのが藤原紀子さん・・もとい、しほ嬢の親友の親友、T子さんなのだ!!デビット珍氏が先導し、T子さんが後ろを歩いてくださる。切符の買い方も、全く違うのでそれをもお教え下さり、本当に助かったのだ。そして人の流れは速く、なんともエスカレーターまで早いこと早いこと!そして地下鉄は時間が来ると容赦なく扉が閉まるので危うく乗り切れなくなりそうだったりする中、T子さんにしんがりを務めていただき、本当に助けて頂きました!
何もかもが新鮮で、くたびれている暇はなく、全く平均年齢50歳の記念ツアーとはとても思えない楽団移動は香港の街中から、絶対観光では来ないであろう裏道をすり抜け、練習場が有るとされるビルに到着。するとなんとビル管理の人が、我々の人の多さに、普通のエレベーターでは乗れないからと、荷物用のエレベーターに乗せてくださったの。だ。が。。。これが又、すごい!びっくり!!
ちなみに明日の本番は、第1部がレアサウンズ単体。第2部がアイランドエキスプレスさん単体。そして第3部が混成メンバーでのステージと、3度おいしい構成となっている。従って、その第3部のリハーサルを一つの大きな目標としているのに加え、今回残念ながら、我がバンドのトロンボーンの一人が家庭の都合で参加が出来ず、アイランドエクスプレスのトロンボーン氏に我々のバンドに入っていただくこととしたため(なので彼は全ステージ演奏!)彼を交えての第1部の練習が目的であった。
そのトロンボーンのLWL氏、実にスマートで実力の高いなんとプロプレーヤー。言葉が通じなくても音で性格はよく分かるもの。本当に素晴らしい青年でありました。全く難なく第1部リハーサル終了。そして第3部のリハーサルへと。この時既に8時近く。8時間ほど前に食べた機内食だけだったらば、きっとこの辺りでエネルギーが無くなっていたであろうが、ファーストフードの軽食がこんな所で生きていたのは助かった!
先方のリードトランペッター、ジングル氏は30歳。これまた好青年。2番トランペッターのマイケル氏は、私より少々年長で、アナリストと聞いたが、どう考えてもプロでやっていけるほどの実力のトランペッター!この両氏、本当に素晴らしい出会いを頂きました!誠に僭越ながら、私がリード。ジングル氏2番、マイケル氏3番で、我がレアのできすぎ君が4番。さて、音だしです!
私も気合いが入りましたね!やはりちゃんと吹きたい、良いところを見せたい。正直そう思うものであります。混成バンドに参加した我々レア側のメンバーみんな気合い十分でしたね!一曲ごと、互いのプレーを賞賛しながら進みます。寸法の違い、演奏の方法も、言葉が通じなくても、口で演じれば通じるというのは、ボビーシューや、ウェインバージェロン氏など、一流プレーヤーから私も学んだ事。今回も、お互い全く言葉は通じなくとも、譜面上で通じるのが音楽のすばらしさですね!!!
こちらも無事にリハーサル終了。時既に9時30分。完全に全員エネルギー限界。声も出ないといった感じの面々を連れ出してくださったのが、デビット珍氏始めリハーサルを共にしたメンバー。そしてビデオを撮ってくださったり、通訳をしてくださったり、何かとお世話になったT子さんもお付き合い下さいました。やはり、日本語が通じるって本当に嬉しい。食事をする所などでは、特に有りがたいのです。冒頭、キャセイパシフィック航空会社の印象が良くなったツアーと書きましたが、彼女、なんとキャセイのCAさん。読者諸氏、香港のみならず、海外へはキャセイで!
食べる食べる食べる食べる呑む呑む呑む呑む呑む呑む呑む!この料理は地元の人と一緒じゃなければ食べれませんね。鍋です。暑いのに鍋!肉野菜何から何までといった感じですが、スープの入った鍋にどんどん入ります。青島ビールもどんどん無くなり、気が付けば12時を過ぎている。ライブ開催時間のことで後にも触れますが、なんとも香港の人はバイタリティーがあり夜に強い!このお店は我々が帰ってもまだまだ満席が続いていました!
まだ打ち上げじゃないですからね!とデビット珍さんに言われても、こちらは完全旅行者ですので、とりあえずリハーサルの打ち上げ状態。呑みましたねぇー。ほんと。そして更に元気の有るものだけで二次会へゴー!勿論香港のジャズライブを聴くことの出来るお店ですがここで何ともおもしろいシーン発見!
丼君!そこにいるのは我が後輩のプロサックス奏者丼君じゃないの!でも何でラッパ吹いているの!!??そうなんです。なんとも丼君そっくりな人がトランペットを吹いているんです。写真でも分かりますかねぇ!?近くで見ても似てるんですよ!思わず丼君を知る一部の人と大盛り上がり。人間って世界に一人や二人そっくりな人がいると言いますが、彼のそっくりさん、香港で発見!
ということで長い長い1日目終了!この調子で3日間続くのであります。
・・・丼君、ネタにしてごめん!
バンド平均年齢50歳記念企画として銘打った今回のレアサウンズジャズオーケストラ香港演奏ツアー。今回もそのツアーを一つ一つ記録にとどめてみたいと思います。
7月22日、我が街から出る6時台の電車に、小さめのスーツケース、リュック、そして楽器を手に私服で乗り込んむ。周りの通勤客から、「今日はまだ金曜日だぞ!」と言っているような視線を感じながら中部国際空港へと向かう。途中金山駅で初めて遭遇したメンバーが、斉藤ドラマーであったことに、このツアーは成功するのだろうか?とやや不安に陥るも、満席立ち客の空港特急の室内に、香港でのライブハウスもこうあって欲しいなぁと期待する私。空港駅では、電車利用のほとんどのメンバーと合流し、集合場所へ向かうのであった。
団体デスクに書かれた「レアサウンズご一行様」の文字に、改めて演奏に行く旅行なんだという妙な結束感を覚える。今後何度となく思うのだが、この仲間たちとの旅行は、移動さえも楽しい、そんな仲間であるのだ。
第1回目のトラブルが早くも勃発する。(何回勃発するのか!?)なんと、手荷物検査で、バルブオイル程度の可燃性の液体や、グリスまでもさえ、持ち込み禁止の通告!私は偶然通過できたものの、金管セクションに加え、ベースf-d君等が持つスプレーの類なども持ち込みが出来ず、結局それら指摘物はまとめてコインロッカーで我々の帰宅を待つ事となってしまったのだ。
出国を出獄などとくだらないギャグを飛ばしながら進む所で2回目のトラブル。トラブルというかこれは笑い話のようだが、次々無事に通過する中、我が同期ピアノのTなぜか検査員の前でベルトを外している。高価なベルトだったのか、はたまた引火性の体!だったのではないかなどと笑い飛ばしながら、こんな事までさえ楽しく進むのは、きっと海の向こうで素晴らしいことが待ち受けていると思えばこそ。この辺りから体内にアルコールが途切れなくなり始める。
このツアーは、キャセイパシフィック航空にお世話になり移動をしたのだが、この航空会社の印象がこの旅でこんなに良くなるとは、この時は思いもせず、ただただワインのおかわりを続ける我々。3時間半のフライトは、確かに居心地が良く、揺れも少なく、そもそも飛行機嫌いの私が極めてリラックスして乗ることが出来たのも、案外画期的なこと。これもやはり音楽仲間と共に移動しているからなのであろう。
無事香港国際空港に到着。このでかい空港は、セントレアの比ではなく、空港内の移動に専用の地下鉄が走る程!名古屋市交通局職員の興味深い視線が印象的であった。そう言えば、このツアーを通して思うのだが、メンバー全員が社会人であると言うことは、それぞれがそれぞれの仕事を持っているわけであって、その仕事に関係する事に皆がツアー中興味を持っていたのが非常に印象的。
交通局職員を始め、トヨタ自動車勤務のS君の車に対する見方や、建設会社社長のf-d君の工事現場の写真を撮る姿など。勿論私も印刷物を始め、私もお客様に建設関係者が多いので、工事現場事務所などの写真を撮ってみたりするのは、やはり仕事有っての趣味活動なんですよね!
そもそも今回のツアー、我がレアサウンズのコンサートマスターデビル氏の大学時代の後輩さんに、今回お世話になった香港のビッグバンド、アイランドエクスプレスジャズオーケストラの代表であるdavid珍さんがいらっしゃったことに端を発する。デビルの後輩がデビットと言うのはその辺りから関係濃厚な香りがするが、ひところは流石に連絡が途絶えていた時期もあったようだが、ある時からネットのつながりか何かで「復縁」。そして彼ら二人の師弟関係というつながりが、今回とてつもなく大きなつながりになったのです。
人というのはいつの時代でも大切にしないといけないと思うし、その「縁」も又、大切にしていかないといけないと痛感させられる今回のツアー。こんな所で恐縮ですが、このお二人には心から感謝をしています!
さて入国。私自身久しぶりの渡航であったため、要領を得ずただただ海外赴任経験者であるS君や、語学堪能者に寄り添うように歩く。まーなんと情けないこと!とはいえ、たいして話をすることもなく、無事香港への入国が許され、トラブった楽器もそれぞれ無事手にすることが出来、今回お願いしてあるツアー会社の添乗員氏と合流。さて、暑いぞ!!
出迎えてくれた黄氏。実に流ちょうな日本語を話す。そして空港で待ちかまえるは、「レアサウンズご一行様」の大型バス!それもぴかぴかの結構かっこいい奴。案外古びた車も散見される中、マイクロバスではなく、新しい大型バスの出迎えは、何となく嬉しい!なにかと15年ほど前のアメリカツアーを思い出すが、全くこのシーンもあの時とダブる。タクシーでも列車でもなく、専用バスでの移動は、実に楽であるし、ここでも又バンドの一体感を感じることが出来るのである。
高層ビル!!いきなり目に飛び込んでくるのは、細長く高いビル群。ご承知の方も多いであろうが、香港は地盤が石なので地震の無い国。従って、高い建物であっても揺れるわけではないので、それは安心。もっとも高くなくても地震がないというのは、地震国日本人からしてみると有りがたいことなのではある。
黄氏のガイドは、きっと大勢の観光客でも鍛えられているのであろう。極めて流ちょう。そして、日本語と絡めたギャグを連発するのは、きっとご婦人団体にうけているのであろうが、そこはたった15名の音楽団体。苦笑いを浮かべながら、窓の外を見ていたメンバーが大半であったのでは無かろうか?!
それでも目に見るもの、耳に聞くことほとんどが始めてのことなので、その黄氏の親父ギャグもかみ砕きつつ聞き入る我々。完全に観光旅行ツアーになっているのであった。当初の予定では、到着後、ホテル直行し、先方のバンドの皆さんの都合が付く時間にリハーサルをして、懇親会をすると言うだけの予定であったが、昼過ぎに到着すると言うことで、折角ならば観光を!とのメンバーリクエストに応え企画いただいたのだが・・・・暑い!
その観光、一つ目に訪れたのは、なぜか海水浴場!勿論水着なんて持ってきていないし、泳ぐつもりは全くないのに、なぜ海水浴場なの?と思っていたところ、そこには暑すぎて詳しく言われなどは聞いていなかったが、寺院が建っており、そこが一つの名所になっているから訪れた。と。そして、写真のような黄色い口を上に向けて開けたさかなの口にコインが投げ込められたら大金持ちになれる。とか・・・・・暑い!
実は本当に暑くて仕方が無く、そんなことやるつもりではなかったのだけれども、一人そのさかなの口にコインが入ることが成功すると、なにやらむやみやたらムキになり、全員で挑戦開始。まるで、炎天下での運動会で、玉入れをやっている様な錯覚に陥ったが、幸い私の投げたコインは、20投程の後、見事カップインならぬ口イン。この頃、パンツまで汗まみれの状態に、着替えが足りなくなる?!といきなり不安。とはいえ、黄さんの指示に従い、歩く歩く暑い暑い!!
基本的に最近の名古屋と温度は変わりないというか、むしろ香港の方が低いときもあるのだが、なんと言っても湿度が高い!だから汗が噴き出てくるのだ!また夜景に代表されるように、まるでここでは節電という言葉は無関係。ビルやホテルの冷房は20度の設定と言うからこのギャップが又すごいのである。
バスに戻りこれまたアイドリングばりばりなのでエアコンも全開。生き返った気持になり次に目指すはマーケット。買い物もしても良いが、黄さんの解説を聞いていると、ここで買うと、安物ばかりだから壊れるだの、色落ちするだの。ではいったい何しに来たのか!?と思ってしまうが、これはこれで、香港!という空気を感じるには絶好の場所であった。
百何軒という小さな店がモールを作り、ついつい私が思い出したのは、大昔の大曽根商店街のそれ。道幅は大曽根のそれより狭いのだが、有る意味活気という面では、子供の頃に体感したそれに似ている様に思えてならなかったのだ。
先の海水浴場でも、これから以後いろいろ出くわす商売人も皆同じだが、我々を日本人と認識するや、結構セールスを仕掛ける。扇子をもったおっちゃんが、我々につきまとったり、見事に大きな声で「偽物ロレックス如何?」と偽物を宣伝材料にしているのも滑稽だったりするのだ。又、私は直接会わなかったが、これも日本人と認識すると、「中曽根さん!」「田中さん!!」と、昔の首相の名前を持ちだし、それこそ誰見ても「しゃちょさん!」ではないけれど、総理大臣の名前で呼んで迫ってくるという話も笑えた。彼らにしてみると、今の総理大臣の名前など、とても覚えられない程に変わっていく日本はどう映っているのでしょうかね。
ここでの時間が夕方4時。当然のようにアルコールを補給して、ファーストフードで軽く食事をしたのが、この後の展開でこの食事は非常に有効であった。そもそも観光旅行、さしずめ日本の温泉旅行で夕方4時5時といえば、温泉に浸かり、ゆっくり食事を待つ、そんな一時であろうし、海外旅行とて、メインのディナーを楽しみにする頃なのだが、ここがレアサウンズツアーは全く違う!
暑さと慣れぬ地での楽器を持っての移動でくたくたの我々がホテルのロビーに付いたのは、夕方の5時。ここで思わぬ出会いがあった。紅一点我がメンバーのしほ嬢が、なにやら見たこともない美女とハグをしているのだ。偶然目の前で。何のことかさっぱり分からなかったのだが、何でも彼女は、しほ嬢の親友の親友だそうで、香港在住者。まだ知り合って間もないというのだが、いかにも随分前からの知り合いの様な親しみを持って接していたのだ。実はこの方、このツアーでどれだけお世話になったか分からないほど、今回のツアーキーワードの人物となった方!ちなみに藤原紀香さんに激似なので、ここでは藤原紀子さんとでもしておこうか。・・・・なんのこっちゃ。
とりあえずホテルチェックイン。「1時間後の6時に楽器を持って集合!練習場に出発しますので!」というデビル氏の激しい!指示で、それぞれ部屋へ。急いでシャワーを浴び、全く体を休めるまもなくあっという間に1時間と言う時が過ぎ去っていったのであった。ここら辺りの記載、先ほども書いたが、全くアメリカツアーの時と似ていて、我々は、演奏旅行という名の体力ツアーなのである。
ロビーに現れたのは今回最大にお世話になった、デビル氏の後輩氏であるデビット珍氏。人なつっこそうなその体型(失礼!)と、どことなくデビル氏と似ている声のトーンは実にほほえましい。高笑いも似ている?様な気がしたのは私だけ??ひょっとして大学で高笑いも学んでおられたのであろうか?彼の明るいくアクティブな、デビル氏の言葉を借りるならば、学生時代と変わらないその持ち前のバイタリティーが、この直後発揮される!
全く分からない香港の街。それも週末の夕刻。人はめちゃめちゃ行き交いそこを我々はなななんと、地下鉄に乗って「アイランドエキスプレスジャズオーケストラ」さんの練習場に向かうこととなった。バリトンサックスのH君や、ベースのf-dくんには、実に過酷な試練が待ちかまえていた!
だいたい地下鉄の切符の買い方一つ分からない我々が15人、楽器を抱えて満員電車に乗り込むそれは、たとえば、名古屋・栄間のラッシュ時のそれに外人が大きな荷物を抱えうろうろするのに全く等しいばかりか、交通局職員であるH君いわく、これは名古屋の比ではない。と。
そこで大活躍下さったのが藤原紀子さん・・もとい、しほ嬢の親友の親友、T子さんなのだ!!デビット珍氏が先導し、T子さんが後ろを歩いてくださる。切符の買い方も、全く違うのでそれをもお教え下さり、本当に助かったのだ。そして人の流れは速く、なんともエスカレーターまで早いこと早いこと!そして地下鉄は時間が来ると容赦なく扉が閉まるので危うく乗り切れなくなりそうだったりする中、T子さんにしんがりを務めていただき、本当に助けて頂きました!
何もかもが新鮮で、くたびれている暇はなく、全く平均年齢50歳の記念ツアーとはとても思えない楽団移動は香港の街中から、絶対観光では来ないであろう裏道をすり抜け、練習場が有るとされるビルに到着。するとなんとビル管理の人が、我々の人の多さに、普通のエレベーターでは乗れないからと、荷物用のエレベーターに乗せてくださったの。だ。が。。。これが又、すごい!びっくり!!
ちなみに明日の本番は、第1部がレアサウンズ単体。第2部がアイランドエキスプレスさん単体。そして第3部が混成メンバーでのステージと、3度おいしい構成となっている。従って、その第3部のリハーサルを一つの大きな目標としているのに加え、今回残念ながら、我がバンドのトロンボーンの一人が家庭の都合で参加が出来ず、アイランドエクスプレスのトロンボーン氏に我々のバンドに入っていただくこととしたため(なので彼は全ステージ演奏!)彼を交えての第1部の練習が目的であった。
そのトロンボーンのLWL氏、実にスマートで実力の高いなんとプロプレーヤー。言葉が通じなくても音で性格はよく分かるもの。本当に素晴らしい青年でありました。全く難なく第1部リハーサル終了。そして第3部のリハーサルへと。この時既に8時近く。8時間ほど前に食べた機内食だけだったらば、きっとこの辺りでエネルギーが無くなっていたであろうが、ファーストフードの軽食がこんな所で生きていたのは助かった!
先方のリードトランペッター、ジングル氏は30歳。これまた好青年。2番トランペッターのマイケル氏は、私より少々年長で、アナリストと聞いたが、どう考えてもプロでやっていけるほどの実力のトランペッター!この両氏、本当に素晴らしい出会いを頂きました!誠に僭越ながら、私がリード。ジングル氏2番、マイケル氏3番で、我がレアのできすぎ君が4番。さて、音だしです!
私も気合いが入りましたね!やはりちゃんと吹きたい、良いところを見せたい。正直そう思うものであります。混成バンドに参加した我々レア側のメンバーみんな気合い十分でしたね!一曲ごと、互いのプレーを賞賛しながら進みます。寸法の違い、演奏の方法も、言葉が通じなくても、口で演じれば通じるというのは、ボビーシューや、ウェインバージェロン氏など、一流プレーヤーから私も学んだ事。今回も、お互い全く言葉は通じなくとも、譜面上で通じるのが音楽のすばらしさですね!!!
こちらも無事にリハーサル終了。時既に9時30分。完全に全員エネルギー限界。声も出ないといった感じの面々を連れ出してくださったのが、デビット珍氏始めリハーサルを共にしたメンバー。そしてビデオを撮ってくださったり、通訳をしてくださったり、何かとお世話になったT子さんもお付き合い下さいました。やはり、日本語が通じるって本当に嬉しい。食事をする所などでは、特に有りがたいのです。冒頭、キャセイパシフィック航空会社の印象が良くなったツアーと書きましたが、彼女、なんとキャセイのCAさん。読者諸氏、香港のみならず、海外へはキャセイで!
食べる食べる食べる食べる呑む呑む呑む呑む呑む呑む呑む!この料理は地元の人と一緒じゃなければ食べれませんね。鍋です。暑いのに鍋!肉野菜何から何までといった感じですが、スープの入った鍋にどんどん入ります。青島ビールもどんどん無くなり、気が付けば12時を過ぎている。ライブ開催時間のことで後にも触れますが、なんとも香港の人はバイタリティーがあり夜に強い!このお店は我々が帰ってもまだまだ満席が続いていました!
まだ打ち上げじゃないですからね!とデビット珍さんに言われても、こちらは完全旅行者ですので、とりあえずリハーサルの打ち上げ状態。呑みましたねぇー。ほんと。そして更に元気の有るものだけで二次会へゴー!勿論香港のジャズライブを聴くことの出来るお店ですがここで何ともおもしろいシーン発見!
丼君!そこにいるのは我が後輩のプロサックス奏者丼君じゃないの!でも何でラッパ吹いているの!!??そうなんです。なんとも丼君そっくりな人がトランペットを吹いているんです。写真でも分かりますかねぇ!?近くで見ても似てるんですよ!思わず丼君を知る一部の人と大盛り上がり。人間って世界に一人や二人そっくりな人がいると言いますが、彼のそっくりさん、香港で発見!
ということで長い長い1日目終了!この調子で3日間続くのであります。
・・・丼君、ネタにしてごめん!
すごい盛り上がりですね。
うらやましい限りです。
今週末、そのテンションについていけるかどうか、とても心配です。
それはともかく、第二段日記、楽しみにしています。
本当に楽しかったです。
こんな日記読んでくれるのは
君ぐらいしかいないよ。
週末宜しく!
嘘です。
日本語(?)の歌を歌うトランペットのおじいちゃんがなんともかわいくて。。。
香港在住の日本人を褒めていただくと私までうれしくなります。
日本人万歳です!
青いタオルでも頭に巻いて!
素敵なお店ですよね!
このトランペットの方、
現地の人に70歳だとか聞きましたが、
とてもそうは見えない素晴らしいプレーでした。
本当に香港の日本人の方にはお世話になりました!
日本人万歳です!!!