青色日誌

還暦を超え、子育てもひと段落。さて!

香港演奏ツアー2日目(その1)

2011年07月26日 | 本番記録
本日の予定は、当然メインのライブ演奏にあるわけだが、そのほかの予定はと言えば、本番直前のサウンドチェックと、デビット珍氏の案内による昼食程度と余裕がある。まぁ昨日が濃厚なスケジュールであったので、朝は余裕が無ければ流石に持たない。



私の部屋がある7階から、9時過ぎ、朝食会場へと向かおうとエレベーターを待つ。ホテル内には静かにジャズが流れており、なかなか洗練されたよいホテルである。するとどこからと無く聞こえるサックスの音。音階練習の様なものが始まる。丁度そこに現れたデビル氏と顔を見合わせ「何だ!?」

ジャズのBGMに被さるように流れるそのサックスの音色。流石仲間の音質って分かるものですね!デビル氏と思わず「I本だ!」。直後本日本番2曲目でまるまる彼をフューチャーする曲のフレーズが!思わず苦笑しながらも、丸聞こえなので止めなくては!と音の鳴る部屋を探す二人。勤勉な仲間が居ることが誇りでもあるレアサウンズのワンシーンでしたね。

遅めの朝食を頂くが、これが又おいしい。中国人がものすごくよく食べた後に烏龍茶を飲んでいるテレビコマーシャルがあるが、まさにあんな勢いで朝から食が進むのは、料理がおいしいからと言うことと、後々思ったのだが、やはり宣伝ではないが、油を分解するという中国のお茶の成分がそうさせているのかもしれない。

本当は集合時間の12時まで、ホテルでごろごろしてようとも思ったが、折角の香港!暑いこと承知で、隣の部屋のジャイアン君、その隣の部屋のデビル氏を誘い出かける事としたのだが、これが大正解であった。



ホテルの情報は以前に有る程度確認済みで有ったのだが、その立地の良さが抜群であったのだ。写真の香港島を臨むこのロケーションは、暑さもしばし忘れる程。実はこの夜景が本日のエンディングとなるわけだけれども、香港ならではのこの景色、今でも目にしっかり焼き付いています!





海辺に延びる散策道は流石に一等地の観光地だけ有ってこれだけ暑くても観光客が多い。映画に全く興味のない私だが、ここは数々のロケーションが有った地でも有名との事で、ジャッキー・チェン氏の手形などが飾ってあったのは印象的でした。



小一時間の散策を終えると汗びっしょり!やはり暑さは「本物」である。昨日あれだけ飲んでも、汗と大騒ぎして発散したおかげか、全く二日酔いもなくさわやか。そしてデビット珍氏のお誘いを受け、昼食と観光のために先ほどの写真の対岸、香港島へと船で渡る事となった。



今では高速道路や地下鉄が海底を走り巡る香港だが、昔の移動は当然船。そして現代であっても観光は勿論、現実的な移動手段としても使われているという。しかし15分ほどの乗船であったろうか3香港ドル(50円程度か)とは何とも安いのだ!



この辺りは言葉よりも写真をごらん頂いた方が香港の良さが分かると思うのだが、隣の船(上の写真)がトゥインクリングスターズという船であったのが、なんとも学生時代活躍していたバンド名と同名のf-d君には懐かしいちょっとした笑い話。だったらブルースターズという船は無いのだろうか等と盛り上がるのであった。



対岸に見える白い建物で丸い窓のビルの地下一階が今日のライブハウスと聞かされ、なんちゅう一等地!と感慨深い!!香港の代表的な写真にも入るような立地とは、ただただ改めてそんな準備をしてくださったデビット珍氏に感謝感謝なのである。



↑の大きなタワー横の白い円い窓の建物↓がライブハウス



昼食の前に、一度そのライブハウスを見てみますか?とのお誘いで「事前見学」。これが又素晴らしいお店なのである!ステージを見下ろすように2階席が有るのは、ボトムラインのようだが、1階も2階も勿論テーブル席で、全部で200席以上。加えて我々プレーヤー合計30数名が控える部屋まで持ち合わせているのだ!デビル氏と、名古屋にもしあったら絶対毎春利用するだろうね!と言っていたが、これは本当に最高のお店でありました。このお店の模様は又夜に。





朝食を食べて3時間程度しか経っていなかったのだが、ここでも中国の料理の特徴というのか、良さというのか、言い方が妥当ではないが、しゃべりながらだらだらとこれが又食べれてしまうのである。我々レアサウンズは、演奏前禁酒令が出ているのだが、今回ばかりは演奏開始まで6時間以上有ったので、ステージまでに酔いが覚める自信がある人に限り異例の飲酒を許可。5人ほどが飲んだかと記憶していますが、流石にこの時、あのような素晴らしいライブハウスが、チケット完売と聞くと、飲む勇気が無い私なのでありました。



そして香港の国会議事堂とされる建物の前で全員で記念写真。そろそろ始まる香港公演を前に緊張しているのか、はたまた暑くてうんざりしているのか、それとも食べ過ぎて悶々としているのか、結構全員さえない顔をしています!?



そして今一度ホテルに戻るため、今度は地下鉄を利用して戻ります。昨日大混雑だった地下鉄も、時間が違うからか、ご覧の様にがらがら。偶然上海近くで大きな列車事故があったようですが、全く安全に運行されていましたよ。香港でいろいろお世話になったからと言うわけではないですが、日本の中国に対する報道の偏りがやや気になりました。



ほんの1時間ほど、ホテルでリラックスタイム。昨日少し触れましたが、香港のライブハウスは、18時や19時に開店をしてもお客様は入ってきません。通常はなんでも21時ぐらいじゃないと集まらないとか。それは、仕事が忙しいからなのか、はたまた食事の時間がずれているのかまで聞きませんでしたが、今回のステージも、目安として第1部が20時、第2部が21時30分、第3部が23時開始という何とも深夜型のスケジュールなのです。だからこの辺りの時間でのリラックスタイムは有効。楽器の点検をして、ホテルの窓から見える2階建てバスをバックにこんな写真如何でしょ?!




とうとう本当の目的であるライブハウスへ演奏者として出かけます。16時、相変わらず暑い街だけれども、随分慣れてきたような気がしますし、少なくとも地下鉄は我々だけで迷わず乗る事が出来る程に慣れました。そしてサウンドチェックへと臨みます。

今回は、お店のPAでは無く、いわゆる音響会社が外部から雇われ入っています。だから本格的なサウンドチェックを進めます。お店が広い分、やはり食事をしながらザワザワすると、しっかりマイクで拾う必要があるとは、ちょっと偉そう?!な音響業者の責任者氏。まぁ、こういう仕事をする人達の気質なんでしょうかね?最後まで結構偉そうでしたね・・。



アイランドエキスプレスの皆さんも続々到着され、昨日お会いできなかった混成バンドに出演されないメンバーの人達とも初顔合わせ。彼らのサウンドをここで初めて聴く事になったのですが・・・・うまい!これはうまいぞ!このツアーで初めての緊張感が走ったのを未だに覚えています。



今日は日中男だけで移動。しほ嬢は、昨日いろいろお世話になったT子さんと行動を共に。そりゃおっさん14人と、香港の街を歩いても仕方ないわね!てなことでしほ合流で全員勢揃い。さて本番前の腹ごしらえ!



なんか食べてばかりの今日みたいですが、ここからが長いわけですので、しっかりと食事をします。時間は19時。ここの食事代は我々は無料でしたので、思わず今日の出演料を先払いして頂いたようなものなのでしっかり演奏するぞ!と。

ご覧のように、パスタにピザの数々。中華料理ばかりじゃないのが又これもナイスなタイミング。もともとこのお店は後に大手高級レストランの傘下と聞いて味にも納得のイタリアン。思わず赤ワインが飲みたいですが、同じ色のコーラで我慢我慢!そしてここで働いておられた寡黙な女性従業員の方が、全ての演奏終了後、あんなになる!とは誰も予測はしなかった事が後に起きるのである!!

お客様の出足が鈍い。実に鈍い。20時開始予定で19時30分でさえ、今日も色々お手伝い下さったキャセイCAのT子さんとご子息君、昨晩二次会のライブハウスでお目にかかったデビット珍氏のお知り合いの女性と、後ほんの数名程度しか客席にいない。本当に満席になるのか??

正直この頃よい緊張感に包まれ始めました。アマチュアとしてなんか一言も紹介されていない今夜のステージ、お客様は200人と満席。海外(日本)からやってきたのならばそれなりの事はしなくては、と、だんだん気持の高ぶりを感じます。そう、血圧の薬も飲んだから大丈夫!?

それでも開始時間目指して、一気にお客様が入り始めました。ありがちな話ですが、メインテーブルを確保されている人達は、ゆっくりと来られるのでしょう。ステージの目の前あたりが最後に残っていました。そのため、開始を15分押し。なんとしても少しでも沢山の人に聴いて頂きたいという、デビット珍氏のはからいにここでも感謝です!



さてオンステージ!本当にテナーサックスの目の前の席以外がほとんど埋まった状況となり、1ステージの始まりです。時間にはルーズだとは聞いていましたが、日本で予定の15分押したら、苦情の一つも上がるところ、お客様も慣れたもので、そろそろかな?といった感じで迎え入れてくださいました。

■1st Stage(RARESOUNDS)

LAURA
A SOUNDSKETCH
SOON
FRECKLE FACE
A TIME FOR LOVE
THE RAT FROM IPANEMA
APRIL IN PARIS
THE REFREGERATOR

第一声は納得いく音が出ました。メンバーの心境までは分かりませんでしたが、香港まで来て、このメンバーで演奏が出来るうれしさをかみ締めながら私は吹ききると、お客様から大きな拍手。無事一曲目を終える事が出来、ひとまずは安堵!

ところが、瞬く間に2曲目が始まる。そう。いくらH君のMCがうまいからと言ってもここは外国、香港。多少の解説と、曲目紹介で終わってしまい、次の曲へと続々進むのです。この時、目の前の席も埋まりまさにフルハウス状態。ものすごく有りがたい限りです!

今回我々は、この夏に新調した「健康ランドユニフォーム」で臨みました。ところが私がお手伝い頂くトロンボーン氏のユニフォームの事まで気が回らず、どうしようかとしていた時思いついたのが、ドラマーの席が客席から非常に見えにくいので、ドラマー氏の服は私服にして、それをトロンボーンのLWL氏に着てもらおうかと。ところが、ドラマー氏はSサイズ、LWL氏は、どう見てもLサイズ。ならばと、中間サイズのMサイズの服を着るテナーサックスのI君にドラマー氏のSサイズを着てもらい、Lサイズの服を着るトランペットのM氏に、I君のMサイズを着てもらい、そして、トランペットM氏のLサイズをトロンボーンのLWL氏着てもらうという順繰り。



おかげで写真のように全員フロントがそろいのユニフォームとなり、トロンボーンのLWL氏も我がバンドのメンバーの様。あまりにもそのとけ込み方と技術の高さに、今週末名古屋で開催されるグルービンサマーにこれを着て来てもらおうなどと盛り上がったぐらいなのでした。

相変わらず、曲間が狭く流石にSOS。デビット珍さんに通訳をお願いし、ほんの少し助けていただきました。ちなみにお客様の反応は日本とは違います。頂く拍手のタイミングも違うのです。再三の記載で恐縮ですが、アメリカツアーの時もこれでとまどったことがありました。あのときは複数の場所で演奏したため、その都度曲を変えて対応したほどだったのですが、ここでも日本の受け方との違いを感じると同時に、上手いプレーへの賞賛の大きさと、逆にたいしたプレーではないものに対して、お世辞のような賞賛の拍手が一切無い所にもその違いを感じたのでした。



メンバー紹介も行いました。異国の地でもMC君は冷静でした。普通に名前を呼ぶだけでもビッグバンド分の人数だと結構大変だと思うのですが、ちゃんと名字と名前を逆にテンポ良く紹介。バンドリーダーとしていつも紹介いただきますが、やはり歓声を大きく頂けるのが大変有りがたいと同時に、責任の重さも感じるときでもあります。

ここでもう一つトピックス。今回一曲べーシーの曲を持ち込むと春先コンマスより指示がありました。案外粗が出るので私個人的には少々引き気味でしたが、選ばれた曲は「フレックル・フェイス」。そう、3年前、53歳の若さで亡くなってしまった我がレアサウンズの生みの親、西川氏が愛した一曲。メンバーはどういう気持でこの曲を取り組んだか分かりませんが、私は彼と一緒に香港に来た気持になりました。



アメリカツアーの時は、ずっと同部屋だった西川さん。生きておられたら又同部屋であったのかなぁと思いめぐらせながら吹きました。最後の音を吹ききった時、大きな歓声を頂きましたが、後にデビット珍氏から頂いたメールに、あの時、先方のトランペットのジングル君と、マイケル氏がのけぞっていましたよ!とは嬉しい話。きっと西川さんが成功へと導いてくれたのでしょう!

第1部、結局終わりがけには続々とお客様が詰めかけていただき、奥の方では立ち見の方も。これは、9時頃から続々詰めかけてくるょ、と事前に聞かされていた情報の通り。異国の地でこの盛り上がりを頂けるのは本当に光栄なことであります。



ラストナンバーは50歳のバトンをつないだ曲。何のことかと言えば、我がバンド今回平均年齢が50歳となったが、私を始め、コンマスのデビル氏、ベースのf-d君、ピアノのT君が今年50歳を迎えた(る)。ならば最後はこの4人でソロを回させてくれないかとメンバーにお願いをして実現させた曲なのであります。従って私も2番手で吹かさせてい頂きました。

異国の地で吹くアドリブ。私のような者でもそんな経験が出来、本当に夢のような瞬間でした。エンディングの音も何とか決まり、大きな拍手に包まれ第1部完了。まずは半分、お疲れ様でした!!


客席を横切り控え室の方へと歩むと、あちこちから私に向かって拍手を頂く。こんなに有りがたいことはない。そのうちの一つの席から「素晴らしかったです!!!」と女性に声をかけられ、即座に「ありがとうございます!」と返答をし、通り過ぎようとして・・・・あれ、日本語!!

「今の日本語でしたよね!」と、訳の分からない言葉をかけにその席へ戻ると、笑顔で彼女は「日本人ですよ~!」と。T子さんに続き、日本人の暖かさを感じたその瞬間。この後もこのお店の中にいる日本人の方の暖かい心に幾度となく触れるが、この瞬間も私にとっては忘れられないものとなりました。

メンバーの半分はここで飲酒解禁となる。混成バンドに参加しない者がやや羨ましかったが、彼らも我々に少々気を遣わせてしまった様子。ただ、ビールを飲み干す仲間の表情は実に明るい!


本当に来て良かった!
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4 コメント

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おやっさん、燃え尽きちまったぜ。。。 (ごうだ@レアってやっぱり最高)
2011-07-27 08:43:08
今回、実に大変でした。

日本での本番は2番を練習しつつ、香港バージョンではリードも練習、しかも4パートを3人で吹くのでどうしても必要な音を編曲し譜面に書き入れ、カットや進行などを片言の英語と中国語で賛助のワン君に伝えていく・・

全てが終わった瞬間、頭が真っ白になりました。記憶が飛んでテーブルにダウン。まさに「あしたのジョー」状態でした(笑)

あおやき隊長が声をかけてくれたおかげで、不思議と復活しビールをビンごとイッキできる程、たらふく飲みましたが(笑)本当にうまかったです!

こんなにやりきった感で充実した本番は初めての経験で、自分でも感無量です。
ワン君はもう俺の中で身内です。体型もそっくりだと評判でしたし(笑)また何年か先にジョイントしたいと思いました。デビット珍さんとデビル隊長にも感謝です!

3日目の日記も引き続き期待してます。
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ごうだくん (あおやき)
2011-07-27 08:54:53
いろいろいろいろお疲れ様でした!!

完全に燃え尽きていましたね!
とても良いことだと思いますよ!

だれかが今回のMVPはごうだ君だと言ってましたが、
確かに普段と一番違ったのはトロンボーンだったね。

でも本当に楽しかった。

またこういう思いが出来るよう、
お互い仕事に練習に頑張りましょう。

誰も読んでくれそうもない日記を読んでくれてありがとう!
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読んでますって! (しほ)
2011-07-27 12:04:31
楽しみに読んでますってば!
コメントしてないけど!!
夢のように幸せな日々でしたね~~
返信する
しほどの (あおやき)
2011-07-27 18:30:20
先ずはお疲れ様でした。
次にお世話になりました。
最後に、読んでいただき感謝です。


でも、こんな長ったらしい文章、
多分そんなに読んでくれてないですよ。。
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