あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

桜と鬼の監視者(歌仙&鬼丸)

2020年04月13日 | 刀剣乱舞関係

 

 

 

 

歌仙と鬼丸の言葉遊び的な超短いSSSです。

宜しければ下へスクロールしてご覧下さい。↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<桜と鬼の監視者>


降りしきる雪のように、桜の花弁が夜の帷を堕ちて逝く。
それは、まるでほんの束の間を生きる蜻蛉のように、潔ささえ感じた。
鬼丸国綱は本丸の外廊下、縁側と池の間に彫像かと思われる程、微動だにせず立っていた。
「何のようだ。歌仙」
名を呼ばれた刀剣男士、歌仙兼定は、すっかり背後を取ったと思っていたが、
天下五剣の一振りで名高い鬼丸には流石に無理なようだった。
悪戯がバレた童子のように分が悪い顔をして苦笑して立ち尽くした。
「済まないね、驚かせる気は無かったのだが、僕も悪戯心があるんだと実感していた処さ」
鬼丸は憮然とした顔で振り返るかと思いきや、極になって戻って来た近侍の格好に目を丸くした。
「何故内番の格好をしている。お前は近侍だろう」
そう、歌仙は現在レベル上げの為に第一部隊の部隊長、詰まり近侍を務めている。
それが、前髪を結い上げ、白い着物に鶯茶の袴の格好で両手に籠を抱いて立っていたのだ。
鬼丸は不審に思い首を傾げる。
調度その頃、本丸の屋敷内の方で盛大に乾杯の祝杯を挙げる声が聴こえた。
これで何度目の乾杯なのだろうか。
本丸の屋敷内と屋外の庭で花見を楽しむ刀剣男士達は、現在遠征に出ている部隊以外花見を楽しんでいた。
審神者からのお達しで花見をするようにとの事なので、初めは遠慮していた刀剣達だったが、
酒が入ると一気に楽しみ始め、食事を作るのが好きな燭台切や歌仙は台所に入り浸りになっていた。
「花見しないって言っても、人の身に顕現すれば腹も空く。ほら、差し入れだよ」
「いや、俺は監視し…」
「鬼を斬るにも、体力は必要だよ。ほら、立って居ても食べ易い物、作って来たから」
食い気味に言葉を掛けて来た歌仙が籠を開けると、其処には三個のお握りが入っていた。
燭台切が付けた野沢菜や大根の香物も一緒に入っている。
添えられた竹筒には麦茶が入っているようだった。細かい心配りだった。
「さぁ、君の好きな昆布とおかかのお握りだよ。もう一つの具は内緒」
「何だ。それは」
憮然としながらも、鬼を見張ると皆が騒いでいる中、ずっと本丸の外を警護していた鬼丸に、
歌仙はずっと申し訳無いと思っていたので、遠慮なく手を伸ばしてくるのに安堵した。
鬼丸は短刀達のお陰で既にレベルはカンストしており、自主的に本丸を警護している。
「鬼を斬る以外、興味は無い」
そう言いつつも、短刀や自分の為に気配りしてくれた男士達に恩義を感じているらしい鬼丸に、
歌仙はずっと好感を抱いていたし、近侍として礼をしたいと思っていたのだ。
幼子のようにモリモリとお握りを頬張る鬼丸を微笑ましく見守りながら、
歌仙はこんな平和な本丸でずっといて欲しいと改めて思うのだった。


「…で、この最後のお握りは何という具なんだ。明太子は分かるが…」
「後藤くんが作った『明太子チーズマヨネーズ』らしいよ」
「………マヨネーズ………まぁ、悪くなかった」
「そう?」
「あぁ」

その様子を覗いていた短刀達は、次に鬼丸を吃驚させるお握りを作るのは誰にするか、
じゃんけんで決めていたとかいないとか。
鬼丸が桜と鬼を監視する本丸は本日も平和に夜が更けていきました。


<了>

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鬼丸さんの好物がお握りなのは、俺設定です!
短くてすみません!

 

 

 

 


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