あぽまに@らんだむ

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<ファンタシースターオンライン2外伝 -出会い->

2020年02月20日 | 日記

 

 

 

昔書いた「ファンタシースターオンライン2」のギルドメンバーとの話です。

カップリングではありません。

プレイした事のある方は誰もが知るステージ1のシーンです。

興味のある方のみ自己責任で(笑)御覧下さい。読んでからの苦情は一切受け付けかねます。

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<ファンタシースターオンライン2外伝 -出会い->


夕刻の森の木々は全て赤く染まっている。
以前、死者達の血のようだと誰かが言っていた。
赤い夕陽の中、森を縫うように伸びる白いコンクリートで舗装された道は、
この森が自然の森では無い事を物語っている。
道を囲うように聳え立つ塀や地面の所々に、黒く変色した染みが残っている。
血のようだ…では無い。紛れも無い。それは血の痕だった。

 

黒衣の娘は色黒の肌に真紅の目をしていた。
南国の海のようなエメラルドグリーンの髪は襟元で短く整えられている。
細身の体躯は小柄ながら限界まで鍛えられていて、密林の獣のように隙が無くしなやかだ。
彼女はギルドのハンターだった。
職業はフォース。
テクニックと呼ばれる魔法を駆使する冒険者だ。
攻撃や回復、仲間の補助など、パーティには必須の職業である。
娘は小さな頭を大きなお椀型の帽子で包み、
大きく横に跳ね上がったミニスカートを履いている。
その下にスパッツと膝まで来るニーソックスを履いている。
森歩きには不似合いな上げ底のブーツをブラブラと伸ばし、
大きな枝の上に座って横に振っている。
娘はニューマンの特徴である長い耳を横に振り、聞き耳を立てている。

 

「父上」

その娘、リュカは機敏に枝から飛び降り、その場に立ち上がった。
傍らに寛いでいたヒューマーは、穏やかに微笑むと力強く肯く。

「マキだね。リュカ、支度はいいかい?」

リュカは無表情のまま頷いた。ルビーのような真紅の瞳は少しも揺らいでいない。
それを確認するとヒューマーは複雑な表情で目を僅かに細めた。
ヒューマーの名前はケインと言う。
ヒューマーは人間で剣を主に扱う冒険者の事だ。
色素の無い銀の髪を、戦闘時は煩わしいのか、後ろで一つに束ねている。
長身ですらりとバランスの良い体躯と美しい顔には蒼い翡翠のような瞳が輝いている。
涼しげな美形なのだが、リュカと同じく漆黒のアーマーを身に着けている。
ケインのアーマーは紫など色んな色の装飾が所々入っているリュカのアーマーとは異なり、
戦闘時に闇に紛れる事を目的としてか全くの黒だった。
ケインの優しげな風貌の中に鬼気とした闘志が秘められている事は、
一見しただけでは、分からない。
一部の彼を知り尽くした者と屠られた屍以外は。


「みんなぁ~~お待たせぇ~~」

のんびりとした口調が空から降って来た。
塀を軽々と飛び越え、目の前に現れたのはケインとは対照的な真っ白な美女だった。
癖のある栗色のショートカットを綺麗に靡かせた背の高いハニュエールだ。
ハニュエールはニューマンの女性剣士を意味する。
リュカと同じニューマンの証である長い耳は、
戦闘の邪魔にならないように上にピンと立っている。
高貴な雰囲気さえ思わせる真っ白な肌に合わせた様に、
真っ白な身体にフィットしたコスチュームを身に着けている。

彼女は2人の仲間なのか、ケインとリュカも緊張せず悠然と構えている。

「マキ、ご苦労様」

甘いケインのバリトンがこの不思議な森を更に幻に思わせる。
マキと呼ばれたハニュエールはにっこりと微笑む。
マキの姿を認めリュカは無言だが、少しだけ目許を綻ばせる。

「良いにゃりよ。運動不足だし、良いウォーミングアップになったにゃりよ」

マキはニューマンにしては大柄だが、一見レイピアの様な鋭利な刃物を想像させる。
しかし、その言動はそのイメージを一掃させるのに充分なのだ。

「この先にセンターがある筈にゃ。敵が急に多くなったにゃりよ」
「じゃぁ、行きましょうか」

ケインが軽やかに二人に声を掛ける。
まるでピクニックに誘うような言い方だ。
しかし、三人の手には武器が握られている。
それがこの森の危険性の全てを物語っていた。

 

此処はラグオル。
人類が移住可能な星を探索の上、発見した惑星だ。
移住の為の探査がされ、環境は整えられ、後は残りの人類を呼び寄せる。
そんな計画だった。
地上との交信が途絶える迄は。
ラグオルとの交信を司っていたセンターが謎の爆発を起こしたのだ。
原因不明で混乱した移住母船パイオニア2は、同船したギルドに調査を任せた。
それがリュカ達ハンターなのだ。
まずはセンターの調査を依頼され、ラグオルに降り立ったケイン達一行が見たのは、
この豊かな森だったのだ。

 

「ねぇ、君達もギルドの人達だね」

道化師のような格好のニューマンの男が木陰からひょっこり顔を出した。
その背後からもぞろぞろとハンターらしい男女が出て来る。
声を掛けて来たニューマンの男は緑色の服を着込み、
杖を持っている事からフォニュームのようだ。
年齢はケインよりも大分上で寧ろリュカ位の娘でも居る位にも見える。
男は「ビル」と名乗った。
ビルのパーティは4人で、ハニュエールのキリイ、レイキャストのジム、
ヒューマーのリオンが同行していた。
キリイは幼い容姿の娘で、水色の綺麗な髪を耳の横で二つに束ね、青色が好きなのか、
コスチュームを全て青で統一していた。
銃を主に使うスナイパー、レイキャストのジムも2M半近い巨躯のアンドロイドの為、
一見無骨そうな印象だが、何故か幼い物言いが目立つ。
リオンも真っ赤な髪を短く清潔に整えた美丈夫で、灰色と赤が入り混じったアーマーに身を包んでいる。
腕は立つ様だが、少し変わっているようで、にこにこ笑って冗談を連発している。
一行は、まるでビルが若いハンター三人を引率している印象を受けた。

 

「この先少し敵が多くなってる様なんで、腕の立つ一行が来る迄様子を見て居たんだよ。
先に進んだパーティの断末魔がさっきから続いているんでね」

悪びれもせず、ビルが明るい口調で話す。
ケインは困った様にマキを見るが、彼女は同じハニュエールのキリイと気が合った様で、
雑談で盛り上がってしまっている。
只、リュカだけが4人を推し量るかのように無言で頭上の遣り取りに聴き入っていた。
リュカはケインを大きな眼で見上げる。ケインは軽くウィンクした。

「じゃぁ、頼んだよリュカ」

リュカは無言で深く頷く。それが合図となり、パーティは7人になった。

 

ケインの指示で隊列は、前衛がケイン、マキ、中衛がビル、ジム、リュカ、
後衛がキリイ、リオンとなった。
まず、ケインとマキが飛び込み、敵を分散させ、ジムが援護射撃、
続いてビルとリュカが補助テクニックを使い、
最期に残った敵をキリイとリオンが片付けていった。
7人は驚く位に上手く立ち回った。
もう何年も連れ合って居るかのように助け合い、華麗にフォーメーションを組んだ。
リュカも誰が傷付こうがレスタを連発し、お互いの絆はより深くなっていった。

 

「此処がセンターの入口みたいだけど…。何故か壊されてるじょ?」

キリイがヒルデブルーの頭を踏み付けながら皆に話し掛ける。

「そうにゃりね。向こうにリューカーが出来てるんだけど、もしかしてあれが代わりなんじゃないかにゃ」

マキがドラゴンの爪を振って血を拭って皆を振り返る。皆深く頷く。
7人共、調査目的のセンターの中に入るので、念入りに用意をした。
ケインとリオンは大剣の手入れをし、マキとキリイはいざと言う時の為にテクニックを覚え直した。
ジムは弾丸を確認し、ビルとリュカは精神力を回復させた。
そう、7人共知らなかったのだ。最大の恐怖がこのリューカーの先に待っている事を…。


<了>

 

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キャラ名は皆変更してます。あの頃のギルドメンバーとは本当に滅茶遊びました。

楽しかったです。忘れない為にSSを書いた思い出の作品です。序章で終わってますけど(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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