あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

大きくなる社の源(鬼丸&前田)

2020年04月20日 | 刀剣乱舞関係

 

 

小さそうな本丸が、大所帯になった時、どうするのかなと想像して書きました。

その為、俺設定(私の想像の設定)なので、ご注意下さい。

大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<大きくなる社の源>


それは、刀剣男士達が増え、小さかった本丸での事。
ゴチンという鴨居に頭をぶつける音がして本丸の審神者、東雲千尋は机から顔を上げた。
最近多いような気がする。
大柄な大太刀や、背の高い薙刀が増えて来たのもあるが、大所帯になったと言うのもある。
一部屋に何振りもの刀剣男士が身を小さくして共同生活をしているのが現状だった。
千尋はどうにかしてやりたいとこんのすけを呼んで相談する事にした。


そして現在。
刀剣男士達は、近侍に全て呼び出され、中庭に私物を持って集合する指示を受けた。
これから大きな術式が展開されるとの事で、本丸自体が危険なのだ。
私物を全て持ちださないといけないと聴き、刀剣男士達は風呂敷や行李や長持に私物を入れ、
中庭に集合してそれぞれ「久し振りだな」とか「審神者も張り切ってるよな」とか、
各々好き好きに喋っている。どうやら最近顕現したばかりの鬼丸以外、慣れた様子だ。
やがて、現在の近侍、歌仙兼定が極の武装をして本丸から出て来ると、大声で報じた。
「これより第4回本丸の改修術式を展開する。
この術式は審神者が数日分の体力と集中力を発揮して行う大変危険な術式である。
皆は失敗した時の事を考慮して私物を桜の樹の丘に避難させ、武装して待機せよ!」
(改修術式!?)
鬼丸は声に出さず驚き、近くに居た短刀達に尋ねた。
「本丸がどうにかなるのか?」
「あ、鬼丸さん。鬼丸さんは初めてですよね。格好いいですから、是非楽しんで下さい。
ほら、あの桜の樹の丘に私物を置いて武装して戻りましょう。楽しいですから!」
「武装する程危険なのに、楽しいのか。意味が分からん」
前田藤四郎と平野藤四郎の二人が鬼丸を促す。どうやら短刀達は慣れているらしい。
他の刀剣男士達も慣れたもので、近侍の歌仙の指示のもと、せっせと移動を始める。
武装を完了した刀剣男士達は自分の依り代である刀剣を手に、中庭に戻って来た。
「皆、準備はいいか。こんのすけ、主の処へ準備が出来たと伝えてきてくれ」
「はい、分かりました」
こんのすけは本丸の審神者、東雲千尋の居室の奥へ消えていく。
あんな処にまだ部屋があったのかと鬼丸は不審に思いつつも皆と同様、形を構える。
何がどうなるのか分からないが、緊急事態である事は理解したようである。


「主さま、刀剣男士達の準備が出来ました。いつでも可能です」
「分かりました。さて、久し振りだから緊張するけど、頑張ってくれよ。虹玉(こうぎょく)」
千尋の目の前には虹のように七色に光る人の頭くらいの大きさの水晶玉が、
生き物かようにふわふわと浮いて、右や左へ自転していた。
そして「虹玉」自体が千尋の言葉に応じるかのように数回、蒼や黄色に瞬く。
「うん、僕も今後の本丸のイメージは出来てるよ。じゃあ、念じるから、応じてね」
「主さま、ご武運を」
「有難う、こんのすけ。危ないから下がっておいで」
「はい。主さま」
こんのすけは「虹玉」のある暗い部屋から出て千尋の自室に戻って来た。
それをすぐに近侍である歌仙に伝わる。
「皆始まるぞ。気を引き締めろ」
「「「おおおおおお!!!!」」」
その合図と共に本丸だけが地震が起きたかのように、どんと一瞬震えた。
そして地響きと轟音が本丸を覆っていく。
「敵襲か!?」
鬼丸は太刀を構え抜刀しようとしたが、それを素早く前田が遮る。
「敵では有りません。その点は大丈夫です。これから起きる事を良く観て下さい」
「は?」
「本丸が変わって行きます」
「何?」
「審神者様が、本丸を神通力で改修なさるんです」
「出来るのか!?」
「はい」
「改修は本来、大工の仕事では無いのか」
「この本丸は、審神者である千尋様と源である「虹玉」が作り出したものです。
だから、改修も千尋様の想像した通り、創造出来るのです」
「出来るのか」
「出来るんです」
鬼丸は、短刀を構えつつも笑顔で教えてくれる少年の刀剣男士、前田の言葉に絶句する。
想像を絶する。
いや、想像でこの本丸が出来ていたとは知らなかった。
然も当たり前のように使っていた電気やガスや水道なども虹玉と千尋の力だと言うのだ。
「本丸は人の身の力で大きくなるものなのか」
「人の身と言っても主様は審神者ですから。虹玉という根源もありますし」
「そ・・・そうか・・・」
納得するしか無かった。
そんな会話をしている中でも、鴨居の高さは更に上がり、柱は増え、部屋の数が増えていく。
露天風呂は鬱蒼とした樹木が生い茂り、その向こうには打たせ湯まで出来ていく。
洗面台の数も増え、一つ一つの部屋の畳の数も増えているようである。
それがまるで、生き物のように独りでに変わって行くのである。
「ある意味怖ろしい光景だな・・・魔導のようだ・・・」
「はい。主様は『まるでハウルだね』って言ってましたが、僕は何の事か分かりません」
「あぁ、俺もだ。何だ。はうるとは」
「そうなんです。主様の魔導の言葉でしょうか」
視線は本丸に注いだまま、二人が会話している内にどうやら改修は終わったようだ。
地響きと轟音はやがて鳴り止み、緊張を隠しつつ、目を輝かせて見守っていた刀剣男士達は、
それぞれの場所で歓声を上げている。
「やった!コンロがIHになっているみたいだぞ」
「部屋がおっきい!これで雑魚寝しなくて済む!」
「ジャングル風呂!主、頼んでたの覚えてくれてたんだあ!」
「わぁ。洗面台にシャワー付いてる!朝、シャンプー出来る!」
歌仙の号令により、構えを解除した刀剣男士達は、こんのすけの改修完了の知らせにより、
武装したまま新しくなった本丸を見学して回っていた。
千尋は良く刀剣男士達と会話をしたがる審神者だったので、皆の要望を良く聴いていた。
今回の改修も、皆の希望を叶えてやりたくて実行したくらいである。
倒れ込み、歌仙に支えられながら床に横になる審神者の部屋も、少し変わっていた。
現代の自分の部屋に少し似るように再現したようだった。
「ちょっと無理し過ぎじゃないか。君。改修時間、いつもより長かったよ」
「歌仙さん、ご希望の大き目の調理台、作りたくて無理しちゃいました」
「全く・・・君って人は・・・。有難う」
「はい。どう致しまして」
歌仙が見守る中、数日分の体力を消耗した千尋は、ふふと笑うと深い眠りに堕ちてしまい、
各刀剣男士がお礼とお見舞いに訪れても全く分から無かった。
刀剣男士達は、桜の樹の丘に荷物を取りに行き、予め歌仙が作っておいた部屋割り表に沿って消えて行った。
荷物を持ったまま桜の花弁の舞う中、鬼丸だけが、中庭に立ち尽くしていた。
「次の改修の際には、俺も本丸の武装関係を頼むか」
掌に桜の花弁を握り込むとそう呟いて柳眉を綺麗に歪めて見せた。


<了>


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俺設定です。
「ハ〇ルの動く城」みたいに勝手に本丸が改修されたら格好いいなぁと思い、書きました。
炎の妖精の替わりが「虹玉(こうぎょく)」です。りんごみたいですが、いいかなと。
驚く人が最近だとやっぱりクールな鬼丸さんに驚いて貰いました。
皆様はどう考えてるのかなと思います。

 

 


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