
あれは小学生の頃。
木々の間からこぼれ落ちる光を見ていたときのことです。
突然、『ずーっと、ずーっと昔も、これと同じ光景を見た!』と思いました。
どこにでもある風景です。同じ光景を見たとしても不思議ではありません。
ですが、私が感じていた「昔」とは、今の自分として生まれる前のことでした。
『な~んだ!私って、むか~~しっからいたんじゃない!』
あんどの気持ちにも似た想いで、光を見ていました。
純粋な魂として存在していた自分を感じていたのかしら? それとも……。
そのとき、なぜそう思ったのか、今となっては謎ですが、
確かにあれは、失われていた記憶がよみがえったと感じた瞬間でした。