健康で文化的な事故物件での生活

みんなが知りたい事故物件の住み心地。

人に与えられし叡智、想像力

2018-11-26 17:05:48 | 事故物件でのできごと
「怖い」と思うと怖いので、怖くない方に想像力を働かせてみるのです。



というわけで、廣瀬さんは何かを見たわけではないのですが、何かが「いる」と仮定して「見ちゃう」前に自分の中で怖くない先住人を擬人化することにしました。



一応廣瀬さんの中では、先住人は、
青色の作業服を来た、中岡清人(ナカオカキヨヒト)56歳ということにしました。あ、妄想ですよ。廣瀬さんの。

彼は長年勤めた体力を使う仕事で体を傷め、そのせいで不遇のリストラにあい、生活費に事欠く中で妻子に逃げられ、人生を悲観してある日自ら・・・


という人生ストーリーにすることにしました。妄想ですけど。



その後、気が向いたら想像上の中岡清人に向って「おっちゃん祟らないでねー」と思っています。
なんでおっちゃんなのかというと、おっちゃんの方が優しそうじゃないですか。若い人だとまだ血気盛んで呪ってやる~って元気があるかもしれないし、おばちゃんだとお節介焼いて出てきそうだし、部屋の造りや立地からしておじーちゃんおばーちゃんは住んでなさそうだし・・・。くたびれたくらいのおっちゃんだと何となく「廣瀬さんも体に気ぃつけやー。おっちゃん死んでもーとるけどなー」とか自虐まじりに心配してくれそう。すべてが妄想ですけど。





*  *  *  


これも廣瀬さんの勝手な妄想ですけれどね、

きっと自殺された先住者の方だって、どこかの父と母のもとに愛されて生まれてきて、可愛いがられて育って、友だちや恩師がいたんだろうなぁと思うんです。
人生の最期に悲嘆に暮れて、その時に止める人は隣にいなかったのかもしれないけれど、でも人生のどこかには一緒に遊んだ友人、将来の夢を聞いた先生、生きたその方とことばを交わした人がいて、そして何より、その方を産んだお母さんはきっといつまでたっても、その方のことを世界の誰より大切に愛してるんじゃないかなぁ、と。

そのお母さんを想うと、「自殺者がいる」ってだけでイコール「怖い」と思うのは失礼だなと思ったりもするわけです。その方は生きて人生を歩んでいたわけで。





なので賃貸情報の「告知事項有り」の理由が自殺なだけで敬遠はしなくて良いと今は思い直したのですよ。今はね。





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初めての夜がやってくる

2018-11-20 23:17:59 | 事故物件でのできごと
そんでまあ、事故物件に住み始めたんですよ。


仮契約から保証人審査がおりて本契約が済んで、引渡しの日まで10日くらいでしょうか。


ワクワク♪ドキドキ♪一人暮らし♡ (いや学生時代に一人暮らしはしてましたが・・・気分を上げる自己暗示のようなものです)
とときめきつつ、
この10日の間になぜか夜実家で寝ている間に、金縛りに2回合いました


金縛り、これまでも人生で何度かなったことはあるんですけど、今回は久しぶりに、しかも短期間で2回だったので、
これはさっそく物件からナニか連れて帰ってきているのか!?!?!?
とビビりちらして前回登場した人生の指南役の友人に即連絡したら、

『仕事の疲れや体調や、これからの環境の変化に心身が敏感に反応したのだろう。』

と冷静に返してくれました。
そっかー♡疲れと体調と環境の変化よねー♡
とこれまたすぐこの友人の意見に感化される廣瀬さんは安心し、以降は金縛りに合うことはありませんでした。
よくよく考えたら本当に風邪気味だったり仕事が忙しくて疲れてたりな日々でしたし。そして何より、『事故物件に住む』という心理的な緊張が精神を張り詰めさせていたのでしょう。



*  *  *  



そして入居当日以降はというと。


やっぱり最初は怖いんですよね~。
9割気にしてないんですけど、やっぱり1割どこかで気になってしまう。


てことで一応、ネットで仕入れた知識でバル〇ン焚いて、ファ〇゛リーズはシュッシュしてみた。
そして盛り塩と御札の代わりに聖書と十字架を置いて、お経の代わりにYouTubeでどこかの教会牧師の礼拝動画を流してみたりした。


特に何もなし。


窓を開けて、太陽の光と風を入れて、お掃除をする。
なるべく明るく綺麗にする。


特に何もなし。


日中は、買い出しとかで忙しかったのもあって、ほんとなにもなく、恐怖感もなく、フツウのお部屋な感じでした。


しかし、日が暮れて夜になってくると、だんだん怖くなってくる。
リビングと玄関前の廊下を隔てる扉の磨り硝子の向こうが怖く感じる。
電気のついていない浴室が怖く感じる。
リビング以外のどっちかの部屋で・・・と思うと、どっちの部屋も怖くなる。


え、めっちゃ怖いやん???


と、暗闇と人間の想像力にこそ予想以上の恐怖を感じました。
何もないところが、何もないのに、『怖い』とはこれ如何に。




そうして初日は(寝具を用意してなかったということもありますが)、新居から車で5分の実家に帰って眠りました。



結論。
無霊論者でも事故物件の夜はめっちゃ怖い。






ま、それからも、日中は全然平気、夜は想像力が働いてビビってる。という毎日をしばらく過ごしていました。

初めて新居で寝た日はリビングに布団を引いて寝ました。ここではナイとのことなので・・・。

夜中に何度か目が覚めましたが、またすぐ眠りについて、寝心地は実家と変わらなかったと思います。
夜中に何かが出ることはなかった。



ただ、分かったことは、何も出なくても「出るかも」と思うともうあとは怖さが勝るので、考えてはいけない。何もでない!!出るわけないっしょ!www
と、強い気持ちでいなければならない。
恐怖心に飲み込まれてはいけない。ということです。





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内見当日のこと

2018-11-20 20:52:08 | 事故物件でのできごと
前回のあらすじ:
一人暮らしをしようとネットで賃貸物件を探した廣瀬さん。とある希望条件ピッタリの良さげな物件を見つけ、喜び勇んで管理会社に問い合わせの電話をしたところ、二言目で前住人が自殺したことを告げられる。



*  *  *  



でもどこかで「こんなに家賃が安いんだから何かあるのかもな~」と予感していたような気もします。
ただ、ネットの情報上にはそれを告知するような文言は一切なかったんですよね。
『 告知事項有り』とか、『 心理的瑕疵物件』とか。
だから半信半疑というか、「そうじゃないといいな」と不安を打ち消して電話をかけていました。


なので、廣瀬さんのお姉さん店員さんへの返答は、

「あ~~~、やっぱり!!!(>ロ<;)」

でした。

そしたらお姉さん店員さんから「あっでも、お祓いはもちろんしておりますから!!(ドヤ!)」と言われたんですけどね。よけい怖いわ!!(笑)


で、一瞬で色々考えたんですが、とりあえず物件を内見させてくださいと予約を入れて、それと希望条件を伝えてそれに合う物件候補をいくつか用意して貰うことにして、電話を切りました。


余談ですが希望条件を聞かれた時に第1希望で「鳩が住み着いてないところで!!」と言ったら、「ええっ!?それは・・・自然の生き物なのでちょっと分かりませんけど、、、いや、そうではなく、間取りとか地域とかで・・・」と苦笑いされました。





* * * 



電話を切ってから、改めて心理的瑕疵物件について、考えてみました。


前提として、廣瀬さんは実はプロテスタントのクリスチャンだったりします。なので、まあ聖書的に、霊魂とか死後の世界とか幽霊とかは、よく分からんけど、ないんじゃね?と思いました。

オカルトな話題をネットで見るのは好きなんです。ただ、実際オカルトチックな現象があるのかどうかについては確信を得るような体験もないし、懐疑的。

だから大丈夫かな~とは思いつつ、でも万に一つも地縛霊いたら嫌だしな・・・とかウジウジ考える。
いや、有り得んとは思うのですが、万が一、億に一がありますでしょ?

でもこれ以上に良い物件がないのもまた事実。



そこで、とある友だち(クリスチャンではない、以前勤めていた会社の先輩)に相談してみました。
この友だち、廣瀬さんの人生の岐路には尽く指南を頂いているとっても良心的で常識人な方です。

その人に事の経緯を説明したところ、真顔で「この世に幽霊とかはいるわけないから、家賃とか間取りとかで折り合いつくならいいんじゃない?」と言われました。
廣瀬さんの中でほぼGOサインが出た瞬間でした。


ただまだ100%決めれたわけではなく、やっぱり内見してから決めようと。



*  *  *  



内見当日。

案内は電話に出てくれたお姉さん店員さんでした。件の事故物件とその他に3件くらい、私の希望条件を汲んだ紹介物件を用意してくれていました。
ただ、やっぱり事故物件以外はそこより2~3万は高いし、狭かったり、古かったり、ペット不可だったり。

とりあえずお姉さん店員さんの運転で内見先に出発。



①1件目。
 団地のような鉄筋コンクリートマンション。実家や職場からは近い。間取り十分。広い、けど古い。築45年くらい。トイレ狭い。風呂が元々電気釜だったぽい。とにかく古い。おばあちゃんちを思い出す感じ。家賃は4万円くらい。


②2件目。
 管理先が休みとかで鍵がなく、書面上だけでの説明。広さ、新しさ、立地は良い。が、ペット不可。家賃は事故物件の五万円位。


③3件目。
 とうとうお目当ての事故物件。
職場から3分。広い。綺麗。閑静。
わ~、綺麗ですね~と見て回る廣瀬さんをよそに、サラリと管理会社職員さんがリビングの窓を開ける。えっ、なんで窓開けたの、他の物件では開けなかったよね、何か臭いこもってたのを誤魔化す為なのか!?と疑ってしまいましたが、玄関を入った時も特に何も篭った臭いや死臭の名残みたいなのは感じなかったです。

とりあえず職員さんといろいろ室内を見て周りながら聞き出せることを聞いてみました。


Q:いつ亡くなったのですか?

A:「けっこう最近・・・2、3ヶ月前かな?」

・・・めっちゃ最近やん。。。

いや、しかし、2、3ヶ月も次の住人がいなくて家賃収入がないのだから、大家さんからしたら「最近」とかとんでもないのかもしれないとこれは飲み込みました。


Q:どこで亡くなったのですか?

A:「私は直接は聞いてないのですが、お祓いに立ち会った職員によると(だから怖いわ!)、リビング以外のあっちかこっちかの部屋らしいですよ。リビングではないのは確かです!」


その時リビングで話していたのでホッとしたのを覚えています。


Q:その・・・死因って・・・

A:「自殺ですよ」


Q:いや、だからその・・・血がブッシャーーーとかだとアレなんですけど・・・

A:「ああ、いえいえ!普通にちょっと、首を吊られたくらいですよぉ!♪」


Q:そっかー、普通に、ちょっと、くらいかぁ~~^^*
・・・ってなるかーい!!(汗)


こう、お姉さん店員さんはなんかすごいポップにいってくれたんですが、言い方で誤魔化すな!と思いましたね。
もちろん一言一句は覚えてませんから上記は廣瀬さんの記憶頼りの文字起こしですけどね、「♪」は付いてなかったかもしれないですけど、付いてる勢いで聞こえましたよね。


まあ、その、血液ブッシャーとか腐って云々なら、心霊ではなく感染症とか汚染とか害虫とか衛生上の観点で怖いなぁと思っていたので、そうでないなら良かった話です。(腐っていたかは聞いてませんが。まあ内装ほぼ全てリフォームされたらしいので大丈夫でしょう)


そして聞きたかった核心へ。


Q:では、更新のタイミングで家賃は通常の値段に戻るのですか?

A:はい?いいえ、このまま、3万5千円ですよ。


Q:ずっと?このまま?

A:はい。ずっと。このまま。


これで安心しました。
廣瀬さんはここで、紹介物件あと1件を残し、
「ここにします!」
と告げたわけです。


えっ、いいんですか?(事故物件であることを)気にしないんですか?とびっくりする職員さん。


は~い、大丈夫で~~す。
と応える廣瀬さん。
決めた。私の心がここにしろと言っている。気がする。



というわけで、廣瀬さんは内見1回で事故物件なりたてほやほやのこの部屋に住むことに決めたのでした。








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初めまして。事故物件に住んでいます。

2018-11-18 21:29:50 | 事故物件でのできごと
初めまして。
廣瀬(ひろせ)と申します。西日本の片田舎に住む30代の平凡な会社員♀です。

『事故物件住みます芸人』の某タニシさんや、同じく芸人の金髪で赤い人のお話などで、世間的に「事故物件に住む」という新居探しの選択肢が認知されてきたと思う今日この頃。実際の住み心地や「本当に心霊現象はあるの?という疑問などがおありの方々の一助になればと、このブログを始めました。



*  *  *



長年、仕事が忙しすぎたのと実家暮らしがラクすぎて子供部屋おばさんを堪能していたのですが、やっと仕事が落ち着いたので重い腰を上げて今年、一人暮らしをする決意をしたのでした。


で、とりあえず思いたったらすぐにネットで物件探しを開始しました。


しかし廣瀬さんにはいくつか譲れない条件があって、

 ・場所をとる趣味があって1部屋使いたいので部屋は2部屋以上(1DKでも良い)

 ・料理をしたいのでキッチン広め、コンロ置ける

 ・風呂トイレ別

 ・虫と鳩が住み着いてない(=古すぎない。できたら実家築20年位?よりは新しいと嬉しい)

 ・ペット可

 ・実家と職場から近い

 ・車必須の土地なので駐車場がある


そして贅沢をいうと更に希望があって、

 ・温水洗浄便座付き

 ・鉄筋コンクリート

 ・大きな道に面してない(静か、そして近くになるであろう実家や職場の人に在宅かを知られたくない為)

 ・フローリングで室内の壁は白

 ・家賃なるべく安い ←重要。仕事は多忙なくせに薄給の為。


・・・・・・などなど、挙げだしたらキリがないのですが、とりあえずあとで取捨選択しようと思って欲は挙げ連ねました。

けれどもそんな都合の良い物件があるわけはなく、あっても家賃が相場の1.5倍から2倍。そして何かしら希望に足りない。

賃貸情報サイトで希望情報をそのまんまチェックして検索したら、まあ当然の如く 『 検索結果 0件』 で出てくるのですよ。


家賃上限外して検索したらこんな田舎では見たことのない目ん玉飛び出る家賃で『 3件』とか。


そらそうかー。
何か妥協しなきゃなぁ~・・・


とか思いつつ、仕事で忙しくて店舗にいけないまま、夜寝る前などに暇があれば2、3ヶ月賃貸情報サイトを眺めていました。


そしてある日。


あれ?会社のある町(実家の隣町)に1件良さそうな物件が・・・


あれれ?廣瀬さんの希望条件のほとんど全部が当てはまってる・・・?


それで家賃は・・・・・・


えっ、敷金礼金なしの駐車場代込みで3万5千円?!?!



なんと相場より2万位安い。検索結果 3件で出てきた目ん玉飛び出る物件より5~10万安い。(田舎なのでもともと賃貸相場は安いのですが、それにしても!です)


なんだこれ、即決めや!!!


と、他の人に取られないようすぐに(いや、実際は仕事で時間とれなくて2、3日後でしたが)取り扱い店舗にTELしました。


廣瀬さん:「すみません!サイトで拝見したのですが、○町の×××って物件はまだ空いてますか!?」


電話で対応してくれたのはお姉さん店員さんでした。


お姉さん店員:「ハイ、まだ空いておりますよ!」


喜ぶ廣瀬さん。心の中でガッツポーズ。


しかし直後、忘れられないあの言葉を言われたのです。


お姉さん店員:「ただ、こちらの物件、事 前 に お 伝 え し な け れ ば な ら な い こ と がございます。」


・・・はい?


お姉さん店員:「以前のご住人が、自 殺 されております。」





これが廣瀬さんと事故物件との出会いでした。









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