どこかであったような
どこかでみたような
どこかしっているような
いつかあしをのばした そう
あのはじめてみた
たこくあるじのおも
どこでしったか
はじめてみせた
しらない
わたしのかお
ひとりとして
にているようでにてない
わたしいがいのかお
たにんのそらに
知っているようで
知らない私のよこがお
わたしが見るものになって
はじめてみえし
しんしょうふうけい
どこかなつかしい
どこか きゅうちの
なかのよう
たとえて
きしべによせるさざなみ
かんわきゅうだい
たいへんおおきな
うつわがある
中にはなにも入っていない
やくにたたない
むようの物とて
はたして水か酒でも
みたされると
そこしれぬ
おおきさときずく
ほんとうにじゅうじつしているものは
いっけんからっぽのように見えるが
それをもちいるとつきることがない
たいえいわくがごとし
じゃくちゅうこじとごうす
じゃくちゅうが
したえをえがき
せっこうがほった
ごひゃくらかんせきぞう
せきほうじ
ほんどううら
ちくりんにはいされ
しゃかのたんじょうにはじまり
たくはつ、ねはん、
さいのかわら、
にゅうめつをあらわし
ふううにあらわれ
こけむしおだやかにならび
てんめいのききん
てんめいのたいか
みやこやけにじごくからの
すくいのいのりをささぐ
巡りきし歳月
年のはじめの
こよみ改暦ためしとて
歳時記を納める
むつき きさらぎ
やよい うづき
さつき みなづき
ふみづき はづき
ながつき かんなづき
しもづき しわす
おさめのすいてんぐう
ことおさめ はりくよう
おさめの かんのん
おさめの たいし
おさめの じぞう
おさめの しまいてんじん
おさめの ふどう
おさめみそかの おおみそか
月の巡りの和
ぜろからの無限
ぜろからの永遠
天地和合していっしんとなる
大自然の呼吸に呼応する
歳月流るるごとし
年月は水のように
とどまることなく
歳月人を待たず
寿命も人を待っことなく
いのちのつなを使い
いのちを運ぶ由
天から授かった寿命を全て使い
生かし いのちのつな
あたらしんみょうてんりにかなう
万物に通ずる道理
天然 自然の道理
天の道 たおにつうず
時に姿を変える
形を変える
けいたいのへんぼう
ななへんげ
ひゃっきやこう
えたいのしれないおもづらのしゅうだんえまき
ゆきかうひゃくねんのねんげつをへだて
ふるもの ばけてせいれいをえて
人の心たぶらかすつくもがみ
いつのよも ときとばしょを えらばぬ
妖怪の行列
アビニョンの橋の上で踊るよ
アビニョンの橋の上で輪になって踊るよ
アビニョンのかわにかかる橋はないが
バルセロナの通り名アビニョン
いつのよも ときとばしょをえらばぬはずが
夕刻近くの表通りには女達があちらここに立っている
通りの軒から覗く「め」
通りから聞こえる「くちぶえ」
通りから甘い匂いの「こうすい」のかおり
ろしゅつの多い いふくのきぬぎれのあいだに
かいま見える肌
裏通りで春のよい ゆうがおのいちやばなを
咲かせて散るアビニョンの娘たち
ゆきかうひゃくねんの
ねんげつをへだてふるもの
ばけてせいれいをえて人の心たぶらかす
つくもがみ いつのよも
ときとばしょをえらばぬ
ようかいのぎょうれつ