今回の質問はこちら
「この作品はどのような主旨で描かれたのですか?」
20代か30代女性からの質問。
この作品とは、こちらの作品のこと。
タイトルは
「補色の部屋」
補色(ほしょく)って何?
ざっくり説明します。
色相環というのをご存知でしょうか?
美術の時間などで習ったかと思われます。
円形に色がグラデーションに並んでいるやつです。
学校では12色相環がよく出てくるでしょうか?
その色の円の対角線上にある色というのは
ざっくり反対の色になります。
意外な組み合わせもありますが
これが反対の色になるのです。
この正反対の二つの色は混ぜると
無彩色になります。
無彩色。
白・灰色・黒。
詳しい説明は省きますが
絵の具では、混色して「白」は作れません。
白は光の補色の混色でできるようです。
ちなみに、学童用の水彩絵の具では
「黒」にもならないそうです。
なので、絵の具や画材の混色で再現できる無彩色は
まぁ、ほぼ灰色。
薄い、から、濃いまで、灰色。
補色。
正反対の色。
混ぜたら、灰色。
とりあえず、これだけ知っていただければ
この作品の話はできると思われます。
説明、てきとうなので間違ってるかもしれません。
もっと詳しく知りたい方は調べてみてくださいナ。
作品に戻りましょう。
灰色、ですね。
どんより、灰色です。
女の子の色味も、ほとんどありません。
顔色もかなり、悪いですw
この灰色は、補色の灰色です。
正反対の色が混ざると灰色なら
正反対の感情も混ざると灰色となる。
この部屋には正反対の感情がある。
この部屋から出て行きたいのに、出られない気持ちと
出て行けるのに、出ていかない気持ち。
ネガティブに囚われているポジティブ。
ポジティブに手を伸ばすネガティブ。
女の子の足元には
くるくると絡む植物のような模様。
でも、この模様は女の子には絡んでいない。
そして模様同士も絡んでいない。
絡みつくようで
干渉しない周囲。
唯一、色があるのは
窓の外の世界だけ。
それも、鮮やかな空。
そこは憧れる世界なのか。
空が青く見えるのは
太陽の可視光の波長がうんたらとか
なんとか散乱がどうとか
あるらしいんですが
どこかで聞いた、本当かどうだかよく分からん
「空が青く見えるのはイリュージョン」
という言葉が頭に残っていて
その言葉から、窓の外の空に
「幻想」というイメージも重ねてあります。
正反対の感情に囚われて
身動きがとれなくなる
補色の部屋。
そんな「PAIN」な作品です。
実はもうひとつ、補色が隠されています。
背景の格子模様。
当初、ピンクと黄緑にしようかと悩んだのです。
ピンクと黄緑とは、気持ちの悪い取り合わせですねー。
虫みたい。しかもたぶん 毒があるww
ピンクと黄緑
完全な補色ではないですが、反対の色。っぽい。
私にとって、この2色の組み合わせには
感覚を狂わされる、現実の空間ではない、
そんなイメージがあります。
でも、空と部屋の対比を出したかったので
ピンクと黄緑は断念。
なので、背景の灰色には
ピンクと黄緑が隠されています。
しかししかし
ピンクと黄緑に心残りがあったので(?)
3年後の新作でリベンジ(?)
「真実の隠し場所」
感覚を狂わされた
現実の空間ではない
どこに
この子は
真実を隠したのか
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