君が突然僕の前から姿を消してしまってから、僕は君の姿を探し続けた。明け方の街、桜木町で、こんなとこにいるはずもないのに。旅先の店、新聞の隅、こんなとこにあるはずもないのに。僕は山崎まさよしさんのように探し歩いた。(←この文は解った人だけ反応してくだされば幸いです。)
そして僕は君を探すのを諦めた。今頃君はどこか居心地のいい、街を見つけて猫と暮らしてるんだね。と、THE BOOMの宮沢さんのように思った。(←この文は解った人だけ反応してくだされば幸いです。)
だけど君は突然今日、再び僕の前に現れた。君と最初に出逢ったコンビニで、またこうして君に出逢えるなんて思いもしなかった。君は僕と眼を合わせるなり、ピンク色になった。
グリコのイチゴミルクちゃん。僕が君を忘れられなかった様に、君も僕を覚えていてくれたんだね。僕は嬉しくて嬉しくて、すぐさま君を奪ってレジに走り、家に連れ帰った。
君がいない間、君がいつもいた場所にはグリコのマンゴーオレがいた。でも僕はいつか君はきっと帰って来てくれると信じて、マンゴーオレを家に連れ帰ることはなかった。僕は君を信じ続けた。雨の降る日も、風の強い午後にも、君を想わない日はなかった。というのはウソで、たまに小岩井のイチゴ牛乳で、寂しさ紛らそうとしたけど、星が落ちそうな夜だから、自分を偽れなかった。
家までの帰り道、今日は美しい月の下、桜の木々に見守られながら、久しぶりに君を白い袋に入れて一緒に歩いた。それはTBSの昼ドラの様にコテコテのラブラブ加減だった。それでも僕は恥ずかしくなんかなかった。日曜日の終電近い新宿駅の改札前で、帰りの路線が違うカップル同士が異常な程にイチャついている光景よりは、全然マシだと思った。
僕は本当に100円でこんなに幸せになれるなんて思いもしなかった。ありがとう、いちごミルクちゃん。
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