『ナショナル・ギャラリー英国の至宝』
第71回ヴェネチア国際映画祭で栄誉金獅子賞に輝き、
「現存する最も偉大なドキュメンタリー作家」の称号を、21世紀の映画史に華々しく刻みつけた。
巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、
英国の〈小さな美術館〉が〈世界最高峰〉と讃えられる-その秘密に迫る!
2015年01月17日(土)から、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。
愛知はセンチュリーシネマ、2015年02月07日より。
「知りたいという欲求は、人間の良き本性である」と言ったレオナルド・ダ・ヴィンチ。
まさにその本性を追求して、人間の飽くなき好奇心に応え続ける男。
84歳にして、かつてカメラが立ち入ったことのない領域に踏み込んだ作品を、
世に送り続けるタブーなき巨匠、フレデリック・ワイズマン。
ナショナル・ギャラリー全館に3カ月間潜入。
すべてをありのままにカメラに収め、アートの世界で遊ぶ喜びを贈る、
知性と心を刺激する至福のドキュメンタリー!
舞台は、1824年の設立から190年もの間訪れた者を魅了し続ける「名画の宝庫」ナショナル・ギャラリー。
数々の名画はもちろんのこと、個性豊かな専門家たちのギャラリートーク、名画を再び輝かせる修復師の職人芸、
そしてロンドン市民と共に時代を歩む美術館の姿をありのままに伝える。
この美術館は、パリのルーブルやNYのメトロポリタンに比べれば小規模であるにもかかわらず、
〈小さな美術館〉が〈世界最高峰〉など惜しみない賛辞を受けている。
その魅力にワイズマン監督も魅了され、30年もの間撮影を切望し続けていたという。
- フレデリック・ワイズマン -
1930年、ボストン生まれ、世界を代表する現役の映画作家。
イエール大学ロースクール卒業後、朝鮮戦争休戦後の陸軍法務部に配属され、法廷速記の訓練を受ける。
ここで、他人の発言を2秒遅れでひとことも漏らさずに反復できる才能を見いだす。
除隊後、ソルボンヌ大学法学部に入学。およそ2年間、パリの映画館や劇場に足を運ぶ。
帰国後、ボストン大学ロースクールで教職を得る。
シャーリー・クラーク監督『クール・ワールド』(1963年)非行少年が主人公の社会ドラマを制作したあと、
自身で監督、製作、編集した映画をつくろうと決意。
1967年、伝説的なドキュメンタリー『チチカット・フォーリーズ』で監督デビュー。
ほぼ一貫して、ひとりの人間をではなく、アメリカ社会のさまざまな組織・施設の観察、
つまりは〈場所〉を主題とする作品をほぼ毎年1作のペースで発表しつづける。
組織・施設とは、「しばらくのあいだ存在していて、地理的境界線で制限され、職員が良識ある仕事をしようと心がけている場所」であると。
銀塩フィルムの16ミリ同時録音カメラで、隠し撮りや無許可撮影はせずに被写体の承諾を得ながら、4週間から12週間かけて撮影する。
撮影クルーは、カメラマンと録音技師、アシスタントの3人編成で、監督自身が録音を担当しながら、指示を出すスタイルを基本とする。
撮影されたフィルムは、およそ1年かけて編集され、作品となる。
ワイズマン作品には、ナレーションや字幕とテロップ、さらに音楽が加えられない。インタビューもない。
この〈4無い主義〉と言われる方法意識によって、観客は、映像と音声とが、スクリーン上でなまなましくぶつかりあうのを目撃することになる。
そう、1998年11月21日-29日、愛知県芸術文化センターにて、
『フレデリック・ワイズマン映画祭』を開催。
フレデリック・ワイズマン監督のフィルモグラフィーの中から、代表作14作品を回顧上映。
私は時間の許す限り、足を運んで観まくったこと思い出します。
「ドキュメンタリー」という言葉は、ジョン・グリアソンがロバート・フラハティーの『モアナ』(1926年)を評したときに使ったのが始まりとされている。
第二次世界大戦後、アメリカのドキュメンタリーは大きく飛躍した。
映画までもがドキュメンタリータッチ導入の時代に。
タイム社のロバート・ドリューは、「ライフ」誌の報道写真やフランスのシネマ・ヴェリテの手法の影響を受けながら
リチャード・リーコック、グレゴリー・シューカー、ホープ・ライデン、ドン・アラン・ペネベイカー、メイズルズ兄弟らを集めて、「ドリュー・アソシエイツ」を設立し、
ドキュメンタリーのスタイルを深化させ、映像へのナレーションを使わずに、画面に出てくる人物や現実音だけで対象を説明させるようになった。
こうして完成したスタイルは、「ダイレクト・シネマ」と呼ばれた。
しかし、現実を暴きだされることが都合の悪い人々の警戒を呼び、スポンサー離れが... 行き詰まる。
1960年代半ばになると、この「ドリュー・アソシエイツ」のメンバーが独自の活動を。
ドン・アラン・ペネベイカーは、ボブ・デュランを撮った『ドント・ルック・バック』(1967年)、
『ジミ・ヘン&オーティス/ライブ・アット・モンタレー』(1969年)を発表。
メイズルズ兄弟は、ローリング・ストーンズの1969年の全米ツアーを追った映画『ギミー・シェルター』(1970年)を撮るなど、
音楽ドキュメンタリーが重要な題材となった。
コメントを使わずに、画面に出てくる人物の言葉をそのまま記録する手法は、
必然的に口語の魅力に観客の眼を向けさせることになり、
それまで映画に取り上げられることの少なかった下層の世界が題材として浮かび上がる。
そう、こんな時期にフレデリック・ワイズマンが登場する。
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013/アメリカ)
舞台はボブ・ディランを生んだ1960-61年のNYグリニッジ・ヴィレッジ。
ライブハウスが誕生し始め、大きな動きを予感させる時代。
その中心人物の一人であり、若きボブ・ディランの憧れの存在でもあったミュージシャン、
フォーク歌手デイヴ・ヴァン・ロンクの自伝をヒントに、
独自のユーモアと優しい視点で描き出したジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督の映画。
シーンが動き始める一方で、何をやっても裏目に出て、お金もなく、レコードも売れず、
ただ自分の音楽に正直に生きるフォークシンガー、ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)。
そんな男の一週間を描いた作品。
ボブ・ディランが登場する前の設定にした理由は、後だと彼の話題はさけられないから。
彼は時代を支配した人だから描く必要があると。
ボブ・ディランの登場でフォークシーンは変わり世間の知るところとなった。
ゆえに映画の設定としては、シーンが開拓される前の方が未知の領域で面白いと。
大部分の演奏が生録音なので、音も非常によく惹きつけられます。
出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジョン・グッドマン、ギャレット・ヘドランド、ジャスティン・ティンバーレイク。
本日もありがとうございました。
ATTACHMENT NAGOYA 2015 SPRING / SUMMER COLLECTION
2015年01月24日(土)、KAZUYUKI KUMAGAI スタートです。
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