つれづれなるままに筆story

ー心の中で幾多の星が輝き揺らぐ 夢はいつしか昔語りとなり 数多のstoryはかけがえのないMy historyとなるー 

道しるべ

2024-12-23 11:20:55 | 日記
    道しるべ        

立ちこめる潮の匂い 重なり合う波の音
闇こもり 不穏がとぐろ巻く 夜の海

冷気に誘われた海霧が 顔をもたげ 
滲んだ月明かりが みるみる
白いカーテンを 垂れる 

透けて見ゆるは 
闇に舵を失い 行末も知れず
羅針盤ひとつ抱きて 浮流する私の姿 

傍らでは 宿命という闇が 大きな口を開け 
荒海に抗う人々を 冷然と呑みこもうとしている 

闇を恐れてはいけない 恐怖は、闇そのものではなく 
闇の中に 何物かが音もなく 蠢いているという幻想 
得体のしれない敵へのペシミズムなのだから
恐れを食んで 闇は 一層 濃く 深くなる

赤く明滅する灯台の光よ 我らが 漆黒のわだなかに
グイと呑み込まれてしまわぬよう きらめく穂先で 
カッカッと闇を履き散らし 守り抜いておくれ
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久しぶりに 詩です

2024-12-23 11:12:34 | 日記
赤がつなぐ物語り 
        
              


夕暮れの空に おいてきぼりの茜雲
イロハモミジが秋色に深まり 地上に戻っていく 
ゆらぐ思いは波立ち 楓色のカクテルに戻っていく

遠い国では幼子たちのイスラム服が 赤い涙模様に染まっていく
体の傷を心の疵(きず)に変えてはならない
生きたいと願う彼らの瞳に 濁りはない

明けの三日月がささやく
「自ら命を差し出したものは転生できない
心は空っぽでも 器は自分で壊してはいけない」と

赤と黒のルーレットテーブルの上で 
人生が気まぐれに決まっていく 誰の味方なの?
だれもあなたに 何も委ねたりなんかしていない 

線香花火がパチパチと音を咲かせ 短い命を燃やしている
五感が静寂の小宇宙に誘われる
風はいらない 花火玉が落ちると困るから

血の池地獄の犍陀(カンダ)多(タ)の上に垂れてきた 銀色の蜘蛛の糸 
大泥棒の無慈悲な心は 希望を恐怖と怒りに変え
仏陀の慈悲の糸は くるくると暗(やみ)の底へ落ちていった

音もなく降り始めた雨には マーブルレッドの傘
雨あがりには 空を飲みほした水たまりとてんとう虫
雨が降ると胡桃が笑う
雨の匂いに誘われた私は 台所でジャムを煮ている

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ルビーの指輪

2021-03-06 12:01:57 | 日記
《 ルビーの指輪 ① 》 
                      

(  プロローグ   ― ♪♪♪ ― )

皆様、本日はジュエリー愛の “宝石展示会 ”へ
お越しいただきまして、まことにありがとうございます。
私は、ジュエリーコーディネーターの近藤と申します。
こちらの会場では、華やかで情熱的なピジョン・ブラッド・ルビー”の指輪を
多様に取り揃え、各ブース毎に数多く展示させていただいております。
宝石の女王とも呼ばれ、圧倒的な存在感を放つルビー。
女性の肌を最も綺麗に見せてくれるといわれる石で、
【良縁】【情熱】【永遠の命】といった【魅惑的な石言葉】を持っております。
ご自分用には勿論、大切な方へのプレゼントとしても大変喜ばれる石です。
遠くミャンマーで採取されたルビーの原石は、熟練の指輪職人により
大胆にカットされ、華やかに磨き上げられて、芸術性の高い作品に生まれ変わり、
皆様のブースへのお越しをお待ち申しております。
流れるようなラインにこだわった新作など、魅力あふれる作品の数々。
皆さま方には、必ずお気に入りの指輪との運命的な出会いが訪れることでしょう。
おやっ、早速、入り口の近くのマリッジリングブースにいる若いカップルの
ほほえましい会話が聞こえてきました。ちょっとお話を伺ってみましょう。

(  エピソード1 マリッジリング   ― ♪♪♪ ― )

「えっ!『少しだけお洒落して来い』なんていうから、何かと思ったら……。
でも、指輪なんていいよ、無理しないで」
「いいんだ、けじめだから、今できる、精いっぱいのことをしたいんだ」
彼が選んだのは、一つの木目模様の金属を二人用にカットして作られた指輪で、
緩やかな木目模様がもう片方のリングと流れるように繋がっており、
女性用の指輪には愛くるしいルビーが埋め込まれた
“木目重ね ”という、人気のデザインリングのようです。
「でも、高いし……」
「奈央も覚えているだろ。高校三年の夏。サウスポー投手として騒がれていた俺は、
あと一人という時に、甘くなったフォークを相手チームの
強打者に打たれてしまい甲子園の夢は終わった。
それからの俺は飯を食う時も字を書く時も、右手だけを使って生きてきた。
左手は肩から長く伸びた、ただの無機質な身体の一部でしかなかった。
そんな俺と左手に、もう一度生きる力を与えてくれたのが奈央だったんだ。
俺にとって奈央は宝物。だから宝の石と言われているルビーを選んだ。
これからの人生は、この左手に奈央と揃いのリングをつけて生きていきたいんだ」
「ありがとう。本当は、本当は、欲しかったの、
指輪。流れるようなラインがとても素敵。夢みたい・・
私もよ。気が付くと、私の笑顔の先にはいつもヒロがいた。
二人で紡ぐ未来が見えていた。私にとっても、貴方とこのルビーリングは一生大切にしたい宝物よ」
どうやら、赤いバラのように鮮明な輝きを放っていた愛らしいルビーは、
奈央さんの指に納まり、二人のこれからの人生に寄り添って生きていくことになりそうです。
どうぞ、末永くお幸せに。

こんどは、あちらのスタールビーの展示ブースが何か騒がしいようです。
一体どうしたんでしょう? *

(  エピソード2 人工石   ― ♪♪♪ ― )

何やら、亡くなったご主人から贈られたスタールビーの指輪をリメイクしようと
相談に来られた女性が、鑑定結果を聞いて困惑されているご様子です。
「残念ですが、このルビーは【人工合成石】と呼ばれるものでして、
宝石としての価値は認知できません。」
「そんな! ずっと主人に騙されていたということですか?
『ルビーは、幸運をもたらせてくれる石だよ。』ってプレゼントしてくれて、
それからは毎日のように身に着けていたんですよ。
今度、娘が成人式なので、デザインを新しくして父親の思いを受け継いでもらおうと思って
相談に来たのに・・、どうして・・・」
鑑定士は、いまにも涙が溢れんばかりのお客様に、戸惑いながらも誠実な説明を繰り返しています。
「本物は、光線模様に濃淡があり、光の筋が少しぼやけて見えます。
それに手に取った時に『ひんやり』とした鉱物の感触が残ります。
しかし、お持ちいただいた石は模様が鮮明すぎますし、本物の石のような冷たさも感じられません。」

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盲導犬との出会いがありました

2021-02-26 11:26:46 | 日記

 

 

Every day with ラウル

                      

耳元でアラーム 起きられない私の顔を思いきり舐め回すラウル

降参降参 眠い目をこすりこすりラウルの朝食の準備

食後のブラッシングタイム 毛並にそってゆっくり丁寧に・・・

ラウルの至福の時間が過ぎてゆく

外出着の私を見つけると 急いでハーネスに頭を通し

ビュンビュン尻尾をふるラウル その仕草可愛すぎだよ 

出かけたい場所まで私を安全に連れてゆく それがラウルの仕事

自転車 立看板 曲り角 段差 街は障害物で溢れている 

ラウルはその間をぶつからないようくねくねと進んでゆく

普段はすごく甘えん坊 なのに 

ハーネスを付けている時はすごく頼もしい

「ラウル good」

賢いラウル でも地図はわからない 道順を決めるのは私

ハーネスを持つ手に伝わるラウルの動きが私のプロテクター

行きたい所にいつでも行ける 当り前? ううん最高の特別 

ずっとそう 色んな場所に出向き 素敵な人達に沢山出会えた 

いつも隣にはラウル 感謝しかないよ

これからもそう 互いの気配を感じ 互いに気を配りながら 

ひとりと一匹のあらゆる日常が進んでゆく

 

 

 

秋風にふわり 甘い香り 

ラウルが少し頭をもたげる 

こんなこと初めて

「あなた 金木犀の香りが好きだったの」

 

 

(注) ラウル・・・は、「パートナー盲導犬」の名前

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