みぃみぃとぶぅぶぅの間に眠ることになったさくたん。
べびたんやったら、もう喜びに震います。
二人に、「よしよし」「可愛い、可愛い」されて眠るのです。
べびたんは、一人だった頃、ぶぅぶぅとみぃみぃの間に眠りました。
川の字ぃになって・・・・・・・。
小さな人形用のベッドに一人で寝かされたり、みんな横並びです。
それが、今日、さくたんは二人の間で川の字ぃで眠りのです。
「さく!おいで!」
みぃみぃがそう呼びました。三人で川の字ぃで眠る、言うのです。
さくたんのお顔が一瞬、パッと輝いたのをべびたんは見逃しませんでした。
が・・・次の瞬間です。
さくたんは、ツンツンし始めました。
さくたんは、別に嬉しくない、どっちでも良い、そういう態度なんです。
なんか、怪しいのです。嬉しないんかな?ほな、べびが、代わるでぇ。
みぃみぃが、さくたんを抱っこしました。
そして、じっと目を見つめて、問いかけました。
「あんた、この頃、いっつもツンツンしてるなぁ・・・。(みぃみぃ)」
「そんなことないもん。(さく)」
そう、さくたんはこの頃、どういう訳か、いっつもツンツンしています。
なんや、冷めた感じなんです。
べびたんは、一人で小さなベッドに寝かしつけられるのは嫌です。
せやから、寝かしつけられそうになると、ギャーギャーと泣いてしまいます。
そんな時、いっつもさくらが、すっと登場して、こう言うのです。
「さくらが、そこに寝るわ。さくら、平気だから。」
むしろ、一人寝の方が好きみたいな振る舞いです。
さくたんは、ずっと箱入りでした。
人の寝相で邪魔をされない方が好きなんかも知れません。
好きなんは、人ではなく、お花・・・・?
せやけど、なんや、それだけではないようです。
なんで言うたら、べびぃ族は、人に甘えるように創造されたからです。
人に愛想を振舞い、甘えることで人を幸せにするんです。
人のぬくもりを感じながら眠るように生まれました。
人に甘えるのが、天職、言うてもよろしい。
せやけど、さくたんは違う~みたいなことを言うてるのです。
この頃は、べびたんが、ベタベタの甘えん坊やとしたら・・・
さくたんは、いっつもドライでツンツンしてるんです・・・・。
本能に反した動きです。反抗期でしょうか?
この夜、みぃみぃは、さくたんと二人でじっくり話し合いました。
諭すように話しかけるみぃみぃ・・・・
さくたんの心に入り込みます。
・・・・さくたんの目ぇに涙が一杯になりました。
そして、ついに、涙声でこう言うたんです。
「だって・・・・・だって・・・・だって、さくらは・・・・
さくらは、いくらがんばったって、べびさんには、なれないんだもの!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
そう、さくたんは、悩んでいたんです。
さくたんの大きな瞳から、大粒の涙が溢れました。
みぃみぃは、驚きました。
「なんや、あんた、そんなこと思ってたん!?さくらはさくらでええねんで。
さくたんも、甘えたかったら、甘えたら、ええねんでぇ!。」
さくたんが、長い長い箱入りの暮らしを終え、箱から出てきたとき・・・、
小さい女の子ぉを探したはずです。
せやけど、そこに居たのは、ぶぅぶぅ、みぃみぃ・・・そしてべびたんでした。
どうしたらいいの?
さくたんは、戸惑ったはずです。
最初は来たばかりのるなちゃんと二人、励まし合ったと思います。
二人とも、最初べびたんを見習おうとしていました。
せやけど、べびたんには、年季があります。
そんなすぐに、べびたんにはなれません。
その内、るなちゃんは、大きさも違う上に、
これまた、箱入りの小さなひなちゃんが来ました。
二人は、すぐに仲良しになり、るな&ひな、になりました。
二人は、べびたんとは違う道を歩み始めました。
その後、来た、大きな子ぉ、くるたん、ちぃちゃんは、すでに
女の子を育て上げた後の子ぉでした。
大きな子ぉの中で、さくたんだけが、小さな女の子ぉを育て上げた経験がない。
誰かを独り占めしたことも、独り占めされたこともないんです。
さくたんだけが、取り残されたような・・・そんな気持ちやったん?
べびたんは、ウカツでした。
べびたんは、40数年のベテラン、お人形の匠です。
そんな、さくたんの気持ちを知らず、お人形の極意をたくさん使ってしまいました。
甘えたい時に、欲しいままに甘えました。
人に愛想を振る舞うて、可愛がられました。
ごめんな、さくたん。べび、気ぃつかんで・・・。
せやけどな。べびは、こういう生き方しかできひんねん・・・・。
せやから、さくたんは、さくたんの道を探すんやでぇ。
みぃみぃに、気持ちを打明けたさくたん。
すっかり、泣き疲れ、そのまま、みぃみぃに抱っこされて眠りました。
その寝顔は、べびぃ族特有の、甘えん坊のお顔でした。
そして・・・翌日から、さくたんは、ツンツンではなくなりました。
素直な良い子に・・・「ツンデレ」になったようです。
☆べびぃ☆