日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

元ホームで懐かしさと紅葉を味わう(ヨモギ尾根) /雲取山(その1)

2012-11-05 20:30:47 | 山行

入山日 2012年11月3日 (晴) 単独 (見出し写真: 奥後山付近の尾根道)

先週は休みの都合で雨の日曜日に旬の紅葉とは全く関係のない地元の低山歩きのみで終わってしまった。そんな山も悪くはないのだが、やはり限られたわずかな休暇の中、旬の時期に旬なものを求めてできるだけ歩きたい。そんなこともあり、超久しぶりに行ってみたいと思っていた雲取山へ・・・今回は珍しく地元圏内を出ての遠征となった。

コース: 後山林道2キロ入ったゲート付近 6:51  林道分れ 7:25  奥多摩小屋10:50-11:00  雲取山山頂 11:50-12:22  三条ノ湯14:18-14:21  林道出合い 14:40  スタート地点 15:55

お祭から入る後山林道は狭く所により多少荒れた路面だが、ゲートまで一般車両で入れる。ゲート手前の広場に車を置く、先客が2台、うち1台は自分より年上?らしき単独のおじさんが出発準備をされていた。横浜からだそうで、三条ノ湯経由で雲取山を目指すとの事。(自分もおじさんなので、このあとこのレポ中では横浜さんと呼ばせていただく。)横浜さんに少し遅れて出発、途中追いつき一緒に歩く。林道を30分ほど歩き、塩沢橋を渡った地点から林道と分かれる。横浜さんとはここでお別れだ。また上のほうで会えるかもしれない・・
・その後、沢沿い右岸を数分歩く。(写真下)



塩沢橋から澤沿い歩き数分で尾根に取りつく、斜面をゆっくりつめていくルート、奥多摩らしい景色だ。(写真下)


雲取山は私にとって特別な山だ。20代後半に趣味として登山を始めたくなり、一発目に登ったのが山らしい山としてはこの雲取山なのだ。当時、インターネットなどというものもなく、全くの自己流で始めた登山、東京圏住まいだった為、運転免許も持たずに電車バス利用の登山、装備も着るものも多分めちゃくちゃだったような気がする。
最初の雲取山、電車バス乗り継ぎでお祭に下車(多分)それも午前11時ころ、それから3時間林道を登って山道取り付き。なにを考えていたのか最初なのに三条ノ湯経由の林道歩きの長いめんどうくさい登りコース。12月半ばだったので、山頂に行く頃日没と追いかけっこ。今山頂に建つ立派な避難小屋がちょうど作られていた時期で、夕暮時山頂に到着したとき、大工さんがトンカチで仕事をする音が響いていた。ほぼ日暮れ直前のタイミングで山頂から20分北直下の雲取山荘に大工さんと到着、ヘッデンを持つことなど考えもしなかった。今考えるとすごくスリリング・・・
でも翌日の早朝、雪だらけの山頂から見た富士山をはじめとする朝日の景色の素晴らしさと言ったら・・・、この山行の後、雲取山をはじめとして奥多摩や中央線沿線の山に多く通うようになった。栃木に来てからは雲取山に行ったのは1度だけ、それも10年以上前だ、その間、場所が遠くなったことや、十数年前栃木に来て転職した会社で夢中に働いていた事などもあり奥多摩方面は全くご無沙汰になっていた。そんなわけで今回の登山には特別な思いがある。

尾根取りつき後、最初は主に尾根の左斜面を巻く、周囲は針葉樹林帯。薄暗い林間のコースで面白みはない、こんな感じの道を1時間近く歩かせられる。(写真下)自分はこういう道だけでも大丈夫なほうなのだが、こういうのが嫌いなかたにはつらい時間帯だろう。この1時間で本日も足は好調なのを確信する。空気が冷えていて、着込んでいても汗を薄っすらかく程度、薄い手袋をするが寒くはない。天気はまあまあ、風は無し。



そうそう、今日登っている尾根の説明がされていない。自分が通常よく上りに使うのが鴨沢から北に七ツ石山直下に向け上り、そこから石尾根を北西に約1.5時間辿り雲取に登るコースだった。今回の鉢焼場尾根からヨモギ尾根は私の持っている昭文社マップ1991年製では破線ルート、過去、山小屋や山中で出会った人との会話でも歩いていたかたはいなかった。先に書いたが後山林道を三条の湯へのルートと別れて尾根に取りつき、ひたすら北上。途中奥後山を経て奥多摩小屋あたりに合流するコースだ。ネットで調べると多少の走行記録があり、読むとやはり人はあまり入っていないルートのようだ。それならば、普段の自分の登山スタイルにも合致する、まして紅葉も期待できるのでは・・・,いつも使用のコースのほうが思い出に浸れるかも知れないが、今回は未知のルートで行ってみよう。ネット記録では途中奥後山付近で迷いビバークなんてレポもあるので、出発前は多少のドキドキ感もあった。今回はGP
Sを最初からオン、何かあったら、来たトレースを辿り撤退だ。
尾根の右側に回りこむと広葉樹主体の樹林帯、山がいっきに華やかになる。(写真下、林道分かれから1時間10分の地点)


林道分かれ後、最初の1時間15分くらいは、尾根を左右に大きく迂回するまき道主体。その後は主に尾根に乗っかり尾根上を行くルートが主体になる。(写真下 最初は広い尾根)山道の最初の1時間15分の間、ルートではない尾根センター方面を直行しようかと、いつも通りの歩きを仕掛ける事も考えるが、歩いているコースが明瞭なのと、そのコースも初めてなので、その先を見てみたいという思いもあり、無茶なヤブ方面の冒険は今回はパス。(栃木を離れると途端にお行儀が良くなるななころびである・・・(臆病))



尾根道は明瞭、時に落ち葉で不明瞭な箇所があるカナ?程度、普通に注意していれば迷うまい。道はあくまで緩やか、最初の暗い針葉樹林帯の上りが単調で多少きついが、後は終始穏やかな尾根である。(多少ロングであることを除けば)
(写真下 尾根が次第に狭まり、紅葉も盛りの地帯)



(奥後山直下、コース両脇には枯れ笹の茎が壁を作る)


(奥後山直下、5分程で奥後山に到着する地点、平坦地が続く)


(奥後山1466Mに到着。この山名板、最初は裏返っていてわからなかった。)


実は、奥後山頂付近の平坦地で遠くの木から黒いものが下に落ちる(降りる?)のが見えた、その周囲で同時に二羽ほど黒い大きめの鳥を目撃したので最初はそれかと思った。しかし嫌なことも想像してしまう、木から垂直におりる鳥なんかいるか?。今年は金田峠でそれらしきもの、白根隠付近でははっきりとわかる小熊と2回は見てしまっている。私はみー猫さんと違いあまり黒いヤツは好きではないので、この日動員しているスズ3個をフルに稼動させジャラジャラ音をたてながら・・・それでも臆病モノは不安で大声で奇声を上げたりした。
そんなこんなで奥後山の山名板を撮影などして歩き出すとすぐ、コース上にでっかいヤツの落し物を発見、私的には初めての確認かもしれない。しっかり撮影はする、ブログ上に載せるのはあまりに憚られるので、アップは自粛。ご希望の方は個別にお見せします・・・(苦笑)。その後、ジャラジャラの音が一層大きくなったのは言うまでもない。
(奥後山より数分北進地点)


(奥後山より約20分北進地点)


熊さんとお会いしたくないのであまり止まりたくなかったが、お腹がすいてきたのでここ(写真下)でアンパン休憩、ジャラジャラを時おりさせるのは忘れない・・・。進行方向左の尾根が木々の向こうに見えた。(水無尾根か?)結構近い距離。


奥後山より約40分経過地点(写真下)、ここに来て先ほどから結構雲が多くなってきている。雲ひとつない晴天を期待していたのに、晴れているときまた来て撮影したいと思うほどの風景。さっきからそんな風景がかなり連続して出現してくる。


(淡い感じに撮れた・・・)


奥後山より約65分経過地点(写真下)、1587Mを経て1658Mを巻いているような地点だ。進行方向右手前の木々の向こうには尾根が見えてきた。懐かしの石尾根ではないか・・・



標高1600M付近を超えると紅葉もだいぶ落ち着いてきた。終わった木々も散見される、が尾根を進むとまだまだ味わい深いのが出てくる。(写真下)尾根右側を巻いて石尾根の一般道合流地点へ向かっている地点。


奥後山より約1時間22分経過、向こうに懐かしの石尾根縦走路が見える、あと数分だ(写真下)。ここで奥多摩小屋方面から60才上くらいの上品な感じの単独のおば様が降りてきた。最初、下2,3分の所にある水場に行くのかと思ったが、ヨモギ尾根を下るらしい。登ってきたななころびを見てコースの状況やかかった時間などを質問してきた。林道と分かれて山道3時間25分を伝えると、「早いですね」のお言葉、確かに自分もネットで見た3名のかたを参考に4時間と考えていた。でも、「早いですね」の結論がでるのは、あらかじめこのコースの情報をネットか何かで知っていたことになる。失礼だが、あの年齢、しかも女性で、単独でこのコースを調べ一人で下られるのは凄いと思った。性別は違うがああいう歳のとりかたをしたい。
石尾根まであとわずかになり、尾根上を歩く登山者の姿が確認できる、結構多くに登ってくる。純粋にうれしい、何か長い間離れ離れになっていた気兼ねなく話の出来る好きな人と久しぶりに会う感覚。久しぶりにひとりガッツポーズ級の喜びだ。



(一般道合流地点の道標、奥多摩湖小屋の前)


一般ルート合流地点、奥多摩小屋前にはベンチが何個かある。そのうちのひとつに腰をおろし菓子パンを半分ほどで栄養補給、その間にも登山者が続々と登ってくる、時折下りの人もいる。気分が最高にハイな状態になっているので、誰にでも優しく接したくなるような幸せな気分。そんな中、若い両親に連れられた小さい姉弟が登って来た。幼く見える、前を歩くお姉ちゃんに何年生ー?と聞くと3年生との答え、後ろのボクもなんとか自力でついてくる、1年生と恥ずかしそうに答えてくれる。すごいねー、と声をかけると嬉しそう。
この場所から見える景色はすばらしく、西に飛竜山までの稜線とその向こうの奥秩父の山々、その右に前飛竜から続く尾根が南に続く、それといつも歩いていた石尾根の山々。唐松の黄葉もあり、初歩きのヨモギ尾根が期待通りの良い尾根だったこともあり、相変わらず好調に歩けたことなどもあり素晴らしいひと時を味わえた。秋のこの時期、この山に来るのは、人生初。ここには主に雪の有る12月,1月に来ていたのだ。その頃と違うことが一つ・・・、この時期人が多いのは当たり前だが、若者の比率が高いようだ。十数年前に若者が一人でもいたらえらく目立ったものだ。今日は若いカップルや若者グループ、単独者、トレランの人(それも女性もいる)などまちまちだが、とにかく大勢いる。若者の間で、山が人気になっているのだろうか。10分ほどの休憩後、いよいよ雲取山頂を目指すことになる。■

(奥多摩小屋前から小雲取山方面の斜面の黄葉)



この後は編集の都合上、その2に続けさせていただきます。    =========> その2



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2 コメント

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気持ち良さそうな小道 (みー猫)
2012-11-06 00:10:59
こんばんわ。
遠征お疲れ様でした。夢の中を歩いているようなうっとりするような道ですね。「くまモン」はお気に入りですが・・・ホンモノはあれ以上は近づきたくは無いですよ~弥太郎さんのときは、檻に入った気分でしたから。2回目撃は同等ですが、鈴3個には負けました。先日1個失ったら音が寂しかった・・・。後半も楽しみにしておりますね。
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みー猫さん (ななころび)
2012-11-06 19:05:10
こんばんわ。鉢焼場尾根からヨモギ尾根は自分にとって、目からうろこ的な尾根で大好きになりました。尾根取りつき後の数十分を除き、奥多摩小屋までかなり気持ちのよい歩きを楽しめます。新緑のころや初夏もいいかも知れません。冬も山小屋の管理者のトレースがある予感があります。同じ方向からの鴨沢からのコースより尾根歩きっぽいです。
檻に入った気分ですか、スリリングですねー。そういうのは味わいたくありません。帰宅後、今回鳴りの納得できなかった大きいほうのスズの取り付けかたを改良いたしました。(笑)
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