
入山日 2013年12月23日(祝日) (晴) 単独 (791p付近から観た鳴虫山の稜線)
こんにちは、すべりハイカーのななころび”です。 世間では、3連休だ、パーティーだ、クリスマスだ、ボーナス20%アップだと景気のいい話で騒いでいますが、なな”的にはいつもの通り、の静かな年末です。22日は会社の飲み会疲れでぐったりしていたため、この週の休みは実質23日のみ。浮かれた世間に対抗しようと、派手に?高平山、鳴虫山を巡ってきました。
高平山、鳴虫山間は昨年春にたそがれさんが歩かれていて、その間の稜線が結構わかりずらい行程になることは、師の記録を見てわかっていました。難しいと言われれば、余計やってみたくなるのは、この手の趣向を持つだれも同じようなものでしょう。かねてから、一度は歩いてみたかったその尾根に今回初チャレンジです。
日光インター近くのゴルフ場入口近くの路肩に駐車しスタート。車道から林道、作業道と分け入る。地形図の線は追えたつもり。
(最初はこんな林道をしばらく歩く。路面の水たまりはカチカチに凍っている。)
今回の高平、鳴虫山間の稜線。 今年の3月に小来川新谷から尾根伝いに高平山に辿った稜線と一部重複になる。後に”屈曲分岐”と便宜上呼ぶ地点から高平山までは、歩き済みということ。その時に感じたこの尾根の難度は(ルーファン面で)悩みの尾根分岐は所どころあるもののなんとか行けるレベル。新谷から高平山まで、なんとか迷いナシで行きつけたのだ。今回はどうか、ヤブ歩きも2年め、多少の自信はあるのだけど、どうなるか、以前なら緊張感を持ってのトライになったはずだが、この日は朝からリラックスムード。なな”もこの世界にだいぶ馴れたようだ。 それでも未知の尾根歩きはいつも新鮮な気持ちで臨める。
(取りつきは作業道を数分歩いて見つけた尾根末端らしき地点から ↓)
course: 七里付近ゴルフ場入口付近 7:08 ・・・ 北尾根取りつき 7:35 ・・・ 高平山山頂 8:17 ・・・ 996P 11:10 ・・・ 鳴虫山山頂 11:55-12:13 ・・・ 920m級分岐 12:45 沢,林道末端 14:13 ・・・ スタート地点へ 14:43
北尾根取りつき直後は、植林の急斜面を攀じ登る。 並行して左右に小さな尾根が登って来ていて、全体を合わせると広い急尾根をのぼっているような感じになった。
(尾根取りつき後約20分で、前方に高平山山頂の一角らしいピークが見えてきた。)
高平山ピークに到着。ここは2度目、樹林間のピークで眺望はない。山名板は見たところ2枚。今回は“栃木の山紀行”さんのほうを掲載。今市の自宅を出る時の外気温が1度だったことを考えると、嘘のような汗を背中にかいている。ここでウェアの調整と小休憩。
高平山からは南西に稜線を辿る。最初ちょっとヤブっぽい地点を少々通過する。この先しばらくは前回体験済みの尾根歩きになる。時々、尾根上に薄っすら雪が表れはじめた尾根をアップダウンしながら進む。
(たそがれさんが確認し忘れたと言う石祠。)
”屈曲分岐”まで、直線で200m以下程度の小ピークに辿りつく。ここからは地形図を見るかぎり、南西方向に進む。小ピークからは南南東方向と北西方面に顕著な尾根が下っている。ここは最初、南南東方向の尾根に進む。少々下ってヤブっぽい。それとどんどん下っていってしかも方向を南西に転換してくれない。これはちょっと違うかな?さっきの小ピークまで戻ることにする。 数分登り返してさっきの悩みの小ピークへ戻る。顕著な他の尾根といったら高平山から来た尾根と北西方面に下るものしかない。北西方面尾根は下り始めだけ北西方面に進みしだいに南西に向きを変えて行くのかもと淡い期待を持って北西方面に下りだす。案の定期待通りに尾根は下って行かず、こちらは、2分ほどこの尾根につき合って誤りと判断。小ピーク付近までまた登り返す。悩み小ピーク付近に戻って、行くべき方向をみるが正解の顕著な尾根が見えない。先ほど下った、尾根二つの間は結構傾斜のきつい単なる斜面に見えた。しかたがないので、方向を南西に決めてその尾根型のない傾斜を下ってみた。さすがに歩きづらいので直に下らず、方向を決め多少南方向にトラバースすると、不思議なことに尾根に乗れた。その先にさきほど最初に降りた南南東方向への尾根も見えたので、これが正解尾根だ。要するに入口のピークからは、非常にわかりずらい尾根入口だったのだ。前回ここを通過した時は、逆方向なので迷わなかった。ここを迷わずすんなり行くのは、かなり難しいのではあるまいか。
帰宅してから、たそがれさんの記事を読み返すと、なんと同じ場所でこの二つの尾根を行ったり来たりしている。順番はなな”と逆。 その後、二つの尾根の間に隠れる尾根を木立越しに探し当てられたという。なな”はその尾根は小ピークからは見えなかった。 たそがれさんはその文章の下りで”この尾根はどうなっているのだよ。”という感想を述べられているが、それはこの記事が出た当初から、かなり印象深いフレーズだった。
(振りかえってみた悩みの小ピーク付近、あの中で右往左往していたわけだ。)
屈曲尾根分岐に到着。ここは前回ここを歩いた時、確認済みのポイントだった。この地点から見える風景をなんとなく覚えていた。道なりに進む尾根を直角に右折するよう、今日は屈曲して進むポイント。
(このまま進むと、尾根伝いに新谷の尾根末端に降りたつ。 (P ↓))
屈曲尾根分岐以降は、自然林の中を進む局面も増える。それと、尾根上の積雪の比率も50%程度になる。途中892Pに至る地点には。かなりの急登もあるが危険箇所もなく、概ねおとなしい尾根の印象だった。
892Pからは岩混じりの尾根をいったん急に下る。しばらく積雪のある岩混じりの急な尾根を用心しながら下る。その後、尾根が広まり、2方向に分岐していくようになる急斜面を下っていく。この2方向はどちらに行くべきか全くわからない。左には下方にピンクの目印が垂れているが、右のほうがやや尾根の形状っぽい。ここでの判断は右を下ってみる。少し疑心暗鬼で急斜面を降下すると、幸いなことに左方になだらかな尾根鞍部を見つけられた少しトラバースして尾根鞍部に乗り、その尾根を進むことにする。このあたりがこの稜線の最低部なのだろう、地図データは入れていないgps所有者のなな”はこういった場合、非常に悩む。地図データの入っているgps所有者も、こういった場合は似たりよったりなのだろうか。
(892Pから下り、鞍部に至る前の急降下斜面 ↓)
前方にはこれから突き当たる。目指す火戸尻、鳴虫山間の稜線が大きくなってきた。
791Pピークへの稜線。
791Pピーク周辺からは目指す鳴虫山、遠くに高原山が望めた。
鳴虫山から神主山に降りていく稜線が見えてきた。まだかなり遠く感じる位置関係。帰りはあの稜線を辿る予定。(見出し写真 ↑)
791Pを通過して鞍部にいったん少し下って、火戸尻、鳴虫間の稜線の996Pまで一気に登りつめていく。最初植林の中の急な登りを経て、広い伐採地のへりを急に登っていくようになる。この日一番の大登りになる。
振り返ると高平山から右に鶏鳴山が見える。そして辿ってきた稜線と尾根屈曲あたりの位置関係も非常によく見える。
996Pにたどり着いて、一安心。996Pに着くまでの労力でかなり大汗をかいてしまった。996Pからはかつて歩いた道になる。
(996Pから鳴虫山への稜線。先に鳴虫山が見えた。)
996Pからの稜線は、位置の関係か、方角の関係か今までとは桁違いに雪が潤沢にある。996Pからは今までは全く見なかった、人の踏跡が確認できた。どうやら鳴虫山から火戸尻方面に行った人一人と、逆方向、私と同一方向に一人の踏跡があるようだ。今日のものかはわからない。
(伐採地の稜線上からみた高平山とそこから辿って来た稜線)
鳴虫山頂直下は積雪も10cmほどで結構急な登りだった。
鳴虫山直下も、意外に積雪のある急な登りでこたえるも粘り歩きでようやく山頂へ到着。だれもいないので、一番座りやすい除雪されていたベンチに座り、休憩。山頂には結構なトレースが残っていた。食事をしていると、年配の夫婦が一組だけ到着してきた。
(山頂から男体山。)
積雪が潤沢にある鳴虫山も久しぶりなので、新鮮に感じる。下山は神主山方面にいったん下り、約920m地点から途中一般ルートを離れ、未知尾根である破線ルートをおおむね東に辿る予定。920m分岐からは初めて歩くことになる。
約920m地点から、一般ルートと別れ初めは南東に進む。トレースは全くなくなる。斜面の向きが変わった為、雪も極度に減るが、その分滑りやすい。一度滑ってしりもちをついた。
(分岐からの未知尾根、植林メインだが、途中から自然林も混じりだす。)
神主山に向かう一般ルートから別れるこの破線ルート、足跡もなく最初から凍った斜面ですべりまくる。たまらず、ここで本日はじめてアイゼンを装着。アイゼンを履いて歩き出したあたりから、すぐに積雪はほぼ無くなった。
一般ルートから別れてから植林尾根を30分くらい下り、多少自然林もまじりだしあたり、目の前に大岩混じりの急な登り地点が出てくる。高さにして20mくらいだったか、アイゼンを履いたままのこの大岩の尾根超えはなんともいやらしく、左方向の斜面から巻いていく作戦を取る。左下方の斜面に下っていくように誘っている目印もあった。この大岩の左巻き作戦がまずかったのか。何とか大岩を乗り越えて尾根上に乗っかるとすぐに尾根なりに行くと下りだす。この下りが結構急、しかも岩混じり。最初のうちはなんともなく下っていけたが、そのうちこの下り尾根、かなり険阻な表情を見せだす。降りるに恐怖をかんじるような傾斜になってきて、ついには下降を諦めるくらい先がストンと落ちているような状態になってしまった。(P ↓) このまま進んでも、尾根型がすぐに消えるのは容易に想像できた。どうやらさっきの大岩巻きのあたりで間違いが始まったようだ。その大岩あたりまで登り返すか、左下方にあった目印を信じて、尾根型のない斜面を下っていくか判断に迷う。ここはより安全確率の高いと思われた、大岩までの上り返しの策をとることにした。大岩まで急な斜面を数分かけて登りかえす。朝からもう5時間以上経つのかしら、こういうちょっと焦りのリカバリー歩きなどをしているときが、一番息があがる。大岩まで上り返すと、南となり脇に見えていた尾根に向かう顕著で、歩きやすそうな尾根が通っていた。これが破線ルートだろう。大岩から間違え、少々北方向にそれる枝尾根に入ってしまったのだった。この破線ルート、時々目印はあるものの、”これが破線ルートですよ”、というような表示は全くない。目印自体もいろいろな方向に誘っているものもあり、破線ルートを追うルーファンも結構たいへん。あの大岩の後も、どちらに行くべきか悩み分岐が現れること数回。基本東方向に進んだ。
焦りの道迷いからのリカバリー後はいたって平穏な尾根下りが続く。(P ↓) 踏跡も有るのかないのか、藪はないので歩きづらいことは全くない。
(すぐ左に破線ルートの尾根らしきものが併走するようになった、ということは・・・)
破線ルートが北東にそれる地点があるが、数回目の尾根分岐でその選択を誤ったようだ。そのひとつ先の小ピークまで東進してしまい結局もどるのも億劫でそのまま尾根を進んだ。(地形図を見ての裏づけはしっかりしていた。)すぐ左に破線ルートの尾根らしきものが併走するようになり、次第に暗い植林の森の中に入り、最後は尾根型のない植林地の急斜面を木に掴まりながら降りると、行き止まりのような沢のある谷底に降り立った。そこには林道の末端部分もあったが、沢の左岸に明瞭な作業道らしきものが山裾を辿っていっていたので、それを追うことにした。
(降り立ったのは山の斜面に挟まれた谷間の狭い沢。林道末端と作業道末端がある地点だった。どうやら、やはり829P過ぎの北東への屈曲を見逃し、そのまま直進して東進したようだ。)
もう、だいぶ里に近づいた地点。気持ちのよい雑木林の中を行く。
作業道歩きの最後は、結構しっかりした林道に出てなだらかに登り、最後は雑木の森の中を突っ切って2,3分進んで沢に降り立つと、そこは行きで林道に入った橋のすぐ近くだった。あとは自分の車のあるゴルフ場入口近くまで、車道を登り本日の歩きは終了。背中やウェアにたっぷり汗をかいていた。
予想を超える7時間超の歩き、屈曲尾根分岐前の迷走はちょっとしたもの。それよりも復路の鳴虫山東の破線ルートの追いかけも途中から失敗、結局もっと違う未知尾根歩きを増やした形になった。高平山、鳴虫山間の稜線は。予想したとおり、簡単には進ませてくれない、悩み分岐が結構あった。ボリュームもかなりのもので、周回し終えて懸案だった尾根を歩けてかなりの充実感を味わえた。 ■■
最後に、この日のGPSのお写真を・・・。臆病ななな”はこれがないと、ちょっとヤブ山には入って行けない。
TK5が高平山、HT2が996P、 TK46が、鳴虫山の破線ルートへの分岐です。
合間をぬって精力的に攻めておられますね。自分だけかもしれませんがルートをインプットしてれば、ズレない様に見ながら歩くなんてのもありなんでしょうけど、マップがあっても前方が見通せないと少し先まで進まないとわからない感じで、やはり地図とコンパスは必須に感じますね・・・先日の里山歩きも気温が低いかと思ってたらやはり暑くなってきて、通気網付きザックにしておけば良かったと思うくらい里山の林のなかは暖かいと実感しました・・・しばらくはお天気も難しい時期なので里山歩きもいいですね。
なかなかマニアックと言うか、オタクっぽい歩きをされていますね。
スタートとフィニッシュ部分の歩きには感心いたしております。よく見つけるものですね。いずれ、マネさせていただきますよ。ただ、この時期はパスですね。
中の部分は、何度歩いても、同じミスの繰り返しでしょう。わけのわからないような尾根が入り組んでいますから。
鳴虫山も、年間通じて人気の山なんですねぇ。
最近、近場の里山ばかりの歩きです。
GPSを持っていてルートを入れていても、少し先まで進まないとわからないというのは、言っている意味、よーくわかります。
今回は風があっても、登りではフリースだと汗ばんでしまい、脱ぐとやはりちょっと寒い。ベストのウェアがなかなか見当たりません。
最近、日光の高山はいつも雪雲の中、なかなか高いほうの山に向かう気がおこりません。
高平山と996P間のような尾根で、両方方向が微妙に正解のような尾根分岐があると、本当に悩みます。でも、そんなことを味わいたくて山に入っているので仕方ないですね。
鳴虫山の東の破線、つい最近まで気づかなくて今回初歩きしてみました。途中、目印は少々ありですが、道標類は全くなく、何の為のルートだったのか不思議に思いました。
鳴虫山は登山口まで車で15分程度なので、これから、行く場所に困った時にリピート頻出しそうです。
”マニアック”といっても鳴虫山からの下り以外は、たそがれさんの昨年春の歩きの丸写しです。おまけに右往左往した場所も、同じ小ピークだと思います。あの小ピーク分岐を同方向進行で一発で間違いなくいける人は、なかなかいないのでは。
今回は鳴虫山山中で3人遭遇、山頂は人の踏跡で雪が踏み固められてました。こんな時期でも結構ハイカーが入ってますね。今回の尾根、新緑、つつじの頃歩くと、もっと印象が明るくなると思いました。